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【J2:第35節 栃木 vs 徳島】レポート:報われなかったハードワーク。栃木のJ1昇格の可能性は完全に潰えた。緊急事態を乗り切った徳島はJ1へ一歩前進(11.11.13)

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11月12日(土) 2011 J2リーグ戦 第35節
栃木 0 - 1 徳島 (13:04/栃木グ/4,404人)
得点者:26' 津田知宏(徳島)
スカパー!再放送 Ch182 11/14(月)前04:00〜
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あまりにも切ない幕切れに複雑な思いを抱かざるを得ない。

今季、3本の指に入るほどの試合内容で栃木は圧倒的に3位・徳島を押し込み、先制点を奪われた後も気持ちを切らすことなく、試合を引っ繰り返すために貪欲に攻め続けた。しかし、「今日は点が入る流れだったし行けると思ったけど…1点が入らなかった」(赤井秀行)。抜群の試合内容でも勝てない。報われなかったハードワーク。徳島に0−1で逃げ切られ、今季の、2011年シーズンの、栃木のJ1昇格の可能性は完全に潰えた。
「今日は結果が全てだった。内容が良かったことは、言い方は悪いけど、どうでもいい。とにかく結果だけを求めてプレーしたので、それが出せずに申し訳ない」
自身もチームも思うような結果を残せず、試合後ピッチにへたり込んだ河原和寿は「何も考えられなかったし、力が入らなかった」と深い悲しみを口にした。昨季は甲府の昇格を目の当たりにし、今季は自らの昇格の可能性を眼前で断たれた。色とりどりの表情を見せる秋に、栃木は周囲の景色が色を失うほどの悲しみと悔しさを味わい、2季続けて涙を呑むこととなった。

昇格のプレッシャーからか、はたまた累積警告で主力3人を欠いたことに加えて開始早々にエリゼウが負傷退場した影響もあったのか、「全体を通して受け身の展開になった」(美濃部直彦監督)徳島に対し、栃木は松田浩監督が「とにかく今日はホームで勝ちたかった」と言うように、7試合ぶりのホーム・グリスタ(栃木グ)での勝利だけを目指して積極果敢に仕掛けた。負傷欠場した高木和正の代わりに、推進力を期待されてボランチ起用の水沼宏太が攻撃の牽引役となり、次々と徳島陣内に雪崩れ込んではチャンスをこしらえた。18分、那須川将大の鋭いクロスを崔根植がニアで合わせた決定機はクロスバーに嫌われるも、ほぼ思惑通りに試合を運べた。

ところが、突如、栃木は奈落の底へと突き落とされる。左からのクロスボールを倉貫一毅が右足で叩いたシュートは大久保裕樹が身を挺して防ぐも、そのルーズボールの処理をGK柴崎邦博がためらう間に津田知宏がプッシュ。栃木は一瞬の隙を突かれ、徳島はワンチャンスを確実にものにした。
先手を奪われた栃木だが、その後も下を向くことなく前半だけで5度、後半にも3度の決定機を作り出す。だが、鳥取を5−0で粉砕した前節のようにはいかず、守備ブロックを構築した徳島を攻め崩すには至らなかった。

しぶとく粘り勝ちを収めた徳島。前節の“四国ダービー”でアディショナルタイムに2点差を愛媛に追い付かれた悪夢を振り払い、最後までリードを守り切り、タイムアップの笛を聞くと同時に歓喜の抱擁を交わした。徳島は力を振り絞り、だからこそ指揮官は会見で「感謝」の2文字を繰り返した。
試合終盤、DFラインが押し上げ切れない状況でも、津田と佐藤晃大の2トップは懸命にボールを追った。殊勲の津田は、「後ろが耐えてくれていたので、前がサボるわけにはいかなかった」。前節から気持ちを立て直し、同じ轍を踏むことなく、主力不在の緊急事態を乗り切って掴んだ勝点3は、鳥栖と札幌とのサバイバルレースを生き抜く上で大きな自信になったはずだ。次節はエースの津田が出場停止となるが、再び団結力を発揮し、悲願のJ1昇格へ向けて全てを注ぎ込みたい。

「自分の運動量を生かせる場所だし、いい感触で出来た」
初のボランチ起用に、「彼の良さが存分に発揮された」と松田監督も及第点のパフォーマンスを見せた水沼。攻撃のスイッチャーを戦前から意識していた水沼は、ミドルシュートではゴールを脅かし、縦パスから河原の決定機を演出した。パートナーの本橋卓巳とのバランスを見ながら、勝負どころでゴール前に顔を出すタイミングは絶妙だった。持ち味の運動量にキック精度、最年少でももの怖じせずに指示を出せるハートの強さで、松田監督に新たな選択肢を与えた。パウリーニョが負傷離脱してから中盤のパワーは目に見えて落ちたが、水沼はその穴を十分に埋められる人材であることを証明した90分だった。「ボランチ水沼」は試合内容とともに、中3日で迎える天皇杯3回戦(11/16@ニッパ球 vs横浜FM)、そしてリーグ戦の残り3試合に向けた収穫だった。

新境地を開拓した水沼は言う。
「まだ今季は終わってない。最後まで戦いたいし、本当に『勝ちたい』という思いが強い。勝つことだけを考えて戦いたい」
昇格に終止符は打たれたが、今季が終わったわけではない。クラブ初の1桁順位を目指す戦いは続く。天皇杯でのJ1撃破も、北関東初制覇の権利も有している。サポーターをJ1へは連れていけなかったが、まだまだ楽しませることはできる。プロとしてやれることを全てやり尽くして今季を終えたい。

以上


2011.11.13 Reported by 大塚秀毅
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