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【J2:第6節 水戸 vs 千葉】レポート:水戸のアグレッシブが、千葉の組織を打ち砕く!これで6試合負けなし。培ってきた力が“本物”になってきた!(11.10.20)

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10月19日(水) 2011 J2リーグ戦 第6節
水戸 1 - 0 千葉 (19:34/Ksスタ/2,155人)
得点者:41' 吉原宏太(水戸)
スカパー!再放送 Ch182 10/21(金)前05:30〜
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培ってきた力がやっと“本物”になった。そう感じさせる勝利であった。

立ち上がり、千葉のドワイト監督が「25分までは我々がゲームをコントロールした。水戸にスペースを与えずにプレーできた」と語るように、千葉はコンパクトなゾーンディフェンスを組織し、水戸に付け入る隙を与えなかった。中途半端なパスを入れて、ボールを奪われると、千葉の鋭利なショートカウンターの餌食になる。その状態で水戸がいかに攻めるかがこの試合の最大のポイントとなった。

そこでリスクをかけずにロングボールをDF裏に蹴り込んで、相手のラインを下げる選択肢もあったことだろう。相手を押し下げてからパスをつなぐことも十分考えられた。しかし、水戸はそうしなかった。あくまで自分たちが積み上げてきたポゼッションで千葉の組織を崩そうとしたのだ。ロメロ フランクと村田翔がボールを散らし、そして千葉のボランチの横のスペースで小澤司が起点となり、2トップとサイドバックを走らせる。水戸は流動的な攻撃を繰り返して、時間とともに千葉の組織を崩していった。

さらに、千葉に反撃の隙も与えなかった。「前半からガンガンプレスをかけて千葉の攻撃をロングボール1本にすることができた」と柱谷哲二監督が言うように、2トップの吉原宏太と岡本達也が激しく前線からプレスをかけて、千葉のDFに圧力をかけた。それにより、パスをつなぐ余裕を与えず、思惑通りロングボール一辺倒にさせることに成功した。水戸のDFはロングボールに強い。191cmの加藤広樹とチームトップレベルの身体能力の高さを誇る塩谷司が見事な連係を見せて、千葉のロングボールをことごとく跳ね返してみせた。

圧倒的に水戸が押し込んで進んだ前半。だが、当然押し込むことが目的ではなかった。この試合では「前半で絶対に1点を取ることがテーマだった」(柱谷監督)。41分、右サイドに流れた加藤がDF裏へボールを入れようとする。それはDFにクリアされるものの、セカンドボールを拾った吉原がマーカーを振り切り、豪快に左足を一閃。ゴールに突き刺して先制する。「他にも(水戸に)チャンスがあった。運よく1対0で折り返せた」とドワイト監督が振り返るほど、水戸の迫力ある攻撃が千葉を襲ったのであった。

昇格争いを勝ち抜くために絶対に負けられない千葉は後半開始から反撃を開始。前半と打って変わって、高い位置からプレスをかけて水戸のパスワークを封じながら、前線に人数をかける攻撃を繰り出してきた。56分にペナルティエリア内に侵入した佐藤勇人からのラストパスを受けた深井正樹が決定的なシュートを放つものの、わずか上に外れる。ただ、この試合はじめてと言える決定機を築いて、そこから千葉のギアが上がるかと思われた。しかし、ギアを上げたのは水戸であった。
「相手の攻撃陣とウチの守備陣で4対4の状態を作られた。1人余らせたかった」という柱谷監督はすぐさま吉原を下げて、小池純輝を投入。システムを4−1−4−1に変更する。それにより、4バックと1ボランチで千葉の攻撃陣をケアすることができるようになり、そこから鋭いカウンターを仕掛けてチャンスを作り出すことに成功したのであった。さらに62分に鈴木隆行を投入。自慢のキープ力を見せて、カウンターの起点として攻撃をけん引した。

思い通り試合を運べない千葉は徐々に焦りの色が濃くなり出す。そして64分にマーク ミリガンが2枚目の警告を受けて退場処分となり、苦境に立たされることとなった。何としても勝点3がほしい千葉は3バックにし、そして、終盤には竹内彬を前線に上げてパワープレーを仕掛けた。90+3分にはCKを竹内がボレーで合わす場面があったが、ゴールポストに直撃。最後の執念も実らず、痛恨の連敗を喫してしまった。

試合終了とともにうなだれた千葉の選手たち。昇格争いのプレッシャーは相当なものなのだろう。水戸の選手たちが「千葉の選手は動きが硬かった」と感想を持ったように、この試合の千葉から躍動感を感じることができなかった。アグレッシブにサッカーをしていた水戸の選手たちとは対照的な感じであった。ただ、試合はすぐにやってくる。下を向いている場合ではない。中3日で戦術的に大きなテコ入れは難しいだけに、次節までに選手たちをプレッシャーから解き放つ作業をしなければならない。選手たちのメンタル面といかに向き合うか。ドワイト監督の指揮官としての手腕が問われている。

結果は1対0の僅差であるが、90分を通しての内容を見ると、水戸の完勝と言えるゲームであった。だが、柱谷監督の表情に満足の色はなかった。「相手の退場者が出てから、2点目を狙おうと言っていたのですが、ラインを押し上げられず、守り切ろうという弱い気持ちが優先してしまった」「もう少し真ん中で(攻撃の形を)作りたかった。まだ1人1人のタッチ数が多い。そこを改善しないと上には行けない」と課題が口を突いた。
ただ、それも安定して力を発揮できるようになったチームの成長を感じているからに他ならない。これで公式戦6試合負けなし。内容を結果に結び付ける力強さが身についてきた。ただ、その結果も、そして千葉戦の勝利もあくまで水戸の通過点に過ぎない。水戸はもっともっと高い場所を目指して戦っている。本物の力をつけるためにも、この試合のプレーを最低限としなければならない。千葉に勝ってもまったく不思議ではないレベルまで来ている。だからこそ、満足なんてしてはいられない。さらなる上を目指して、残り8試合戦い続ける。

以上

2011.10.20 Reported by 佐藤拓也
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