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【J2:第6節 横浜FC vs F東京】レポート:計算された守備タスクを貫きF東京を苦しめる横浜FC。その苦境を石川直宏が打ち破りF東京が7連勝を達成。(11.10.20)

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10月19日(水) 2011 J2リーグ戦 第6節
横浜FC 0 - 1 F東京 (19:33/ニッパ球/6,230人)
得点者:90'+5 石川直宏(F東京)
スカパー!再放送 Ch184 10/20(木)後00:00〜
☆totoリーグ第4ターン開催中!
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シュート数は横浜FCの4本に対してF東京は18本。スコアは1-0でF東京の勝利。その数字だけを見れば、この試合まで6連勝を果たして首位をひた走るF東京と、不甲斐ない戦いで7試合勝ちがない横浜FCのチーム状態の差がそのまま出たようにも思える。しかし、横浜FCが3-0で完敗を喫した前回の対戦(9/25@国立競技場)の反省を生かし、練られた戦術をほぼ完遂することで、緊迫感あふれる、まさに伯仲した試合となった。

前回の対戦での反省、それは試合後の記者会見で岸野靖之監督が語ったように「ルーカスのところの起点」が大きなポイント、そしてF東京のダブルボランチを自由にしてしまった点が挙げられる。この2つのポイントを抑えるために、4-1-4-1のフォーメーションを採用。F東京の1トップ、ルーカスに細かなラインコントロールの駆け引きを仕掛けて起点を抑えるとともに、F東京の高橋秀人、梶山陽平のダブルボランチに三浦知良と高地系治の2枚を当てることで、プレッシャーが掛かるようにした。この戦術が、見事にはまっていく。この日コンビを組んだ中野洋司と森本良のCBコンビが統率の取れたラインコントロールを見せて、ルーカスを次々にオフサイドに陥れていく。15分までに、オフサイドを3度取ると、駆け引きで優位に立った横浜FCがルーカスの起点を無力化する。そして、F東京のボランチへのプレッシャーも効果的に働き、横浜FCの守備のリズムが完全に形成された。一方のF東京は、横浜FCの両サイドバック、特に左サイドバックに狙いを定め、この位置での一点突破に重点化した攻撃を見せる。43分には、宮崎智彦を振り切りクロスを上げるシーンも見せるが、前半放った9本のシュートは実を結ばず、前から限定する守備と、押し込まれた時でもコンパクトさを保ち、横浜FCが守備でリズムを作った前半だった。

後半に入っても、一度できた試合のリズムは変わらず、力でねじ伏せにかかるF東京に対して、横浜FCが戦術通りの守備タスクを高いレベルで保つ構図が続く。F東京は、58分に石川直宏、69分にロベルト セザーと早めに動き、さらに圧力を掛ける。同時に、大熊清監督が「引き出しが多くなった」と振り返っているように、左右へのロングパスを多用しワイドな攻撃を徹底し、高い運動量を保っていた横浜FCの選手間の距離を広げにかかる。これが徐々に効果を発揮し、横浜FCの高い位置での守備の効果が減ってくる。ここで、横浜FCも三浦に代えて「要所どころを締める力を持っている」(岸野監督)八角剛史を投入。運動量を保てる佐藤謙介のポジションを上げて修正を図る。F東京はいかに押し切るか、横浜FCはいかに守備のバランスを保ちながらカウンター攻撃の機会を伺うか。神経戦とも言える駆け引きが行われた。そして、4分が提示されたアディショナルタイムのほぼ最後、FKからの流れのアーリークロスのクリアボールが石川の足下へ。そして、これぞ石川直宏といえる見事なボレーシュートが決まり、F東京が7連勝を遂げる勝点3をもぎ取った。

F東京にとっては、数多くのシュートを放ちながらも、相手の守備ペースに巻き込まれる「今シーズン苦労してきた象徴のような試合」(大熊監督)だったが、最後までプッシュをあきらめずに勝点3をもぎ取ったことで、いよいよ目標達成に向けた勢いのつく勝利になったことは間違いない。相手のペースに巻き込まれても、焦りをあまり見せない戦い方ができるところは大きな強みと言えるだろう。次節の鳥栖戦も、昇格争いの大一番となる。この勢いを持ち込みたいところだ。

一方の横浜FCは、試合後泣いている選手がいたというほど、悔しい敗戦となった。ただ、低迷していたチームの立て直しという意味では、かなり大きな成果を挙げた試合でもあった。高地が「最低限これを続けないといけないし、そこからどう大きくなるのかが必要。これから続ける必要がある」と振り返ったように、この内容を続けられるかどうか。岸野監督も「これまでも、こういう内容のある良い試合は何度かあった。しかし、それが次の試合に続かなかった。次こそ続ける必要があるし、今日の選手の頑張りが次の試合に続くよう選手を信じたい」と述べており、この試合で達成したことを、やはり昇格争いの渦中にいる徳島相手に見せられるかどうか。その結果によっては、この試合が大きなターニングポイントであったと後で振り返ることができるようになるだろう。

両チームのチーム状況の差からすれば、もっと離れた内容になることも予想された試合ながら、横浜FCの守備の立て直しが成功し、緊迫した試合になった。この緊張感で試合を続ければ、両チームにとって良い未来が待っているに違いない。

以上

2011.10.20 Reported by 松尾真一郎
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