10月10日に行われた天皇杯2回戦の鳥取対熊本は、いつもの鳥取のホームゲームと同じ、とりぎんバードスタジアムでの開催とはいえ、いつもとは少し違っていた。J2リーグ戦ではないため、いつもピッチ内に設置されているスポンサー看板はなく、試合運営を手伝った鳥取のクラブスタッフも、いつものスーツ姿ではなく、鳥取県サッカー協会のシャツを着ていた。
そんな中、鳥取側ゴール裏のサポーター席にも、いつもと違う服を着た女性がいた。奈良井恵美(ならい・えみ)さん(写真左から3番目)が着ているのは、いつもと違うと言っても、鳥取のレプリカユニフォームで、鳥取側ゴール裏では、むしろ『正装』と言っていい。服装からわかる通り、鳥取のサポーターなのだが、実は今季、鳥取の『ホームゲーム』でゴール裏に陣取るのは、この日が初めてだったのだ。
ガイナーレ鳥取の前身であるSC鳥取がJFLに昇格した2001年、知人の紹介でサポーター会員となった奈良井さんは、当初はいわゆる『ペーパー会員』で、それほど興味があるわけではなかった。しかし、高校サッカーで活躍した地元出身の選手が多く在籍していた当時、それらの選手を知っていたこともあり、次第にゴール裏で声援を送るようになっていく。長年のサポートの甲斐あって今季、クラブは悲願のJ2昇格を果たしたが、困ったことになった。自身の職場である映像制作会社が、スカパー!の鳥取のホームゲーム中継に携わることになったのだ。
これまでも地元向けにテレビ中継があったときは、スタッフとして業務をこなしていたが、年に数回程度。しかしスカパー!はJ1、J2の全試合を生中継しているので、今季から鳥取の試合がある日は常に仕事となり、Jの晴れ舞台に臨むチームに、ゴール裏から声援を送ることはできなくなった。試合中は、アナウンサーや解説者が実況を行う放送ブースでの業務。鳥取のゴールが決まっても、喜んでいる暇はない。
ホームゲームに行けない代わりに、アウェイの試合には多く訪れていたが、そんな奈良井さんが開幕当初から楽しみにしていたのが、スカパー!の中継がなく、ホームのゴール裏に行くことができる天皇杯だった。当日は早くからレプリカユニフォームを着込み、開場と同時にスタンド入り。ゲーフラも手にしつつ、3−0と快勝したチームに熱い声援を送った。
10月15日、奈良井さんはレプリカユニフォームではなく、普段着にテレビ中継用の機材をつけて、放送ブースにいた。この日の大分戦はJ2第31節。スカパー!の生中継で、これまでと同じように忙しい時間を過ごした。
天皇杯3回戦は鳥取開催ではないため、次に『ホームゲーム』でゴール裏に行ける日は決まっていない。10月10日のゴール裏は奈良井さんにとって、1年に一度、愛するクラブと自分を引き合わせてくれる“天の川”だったのかもしれない。
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2011.10.18 Reported by 石倉利英
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