10月16日（日） 2011 J2リーグ戦 第31節
富山 1 - 2 北九州　（16:04／富山／3,296人）
得点者：10' 池元友樹（北九州）、46' 大島康明（北九州）、58' 大西容平（富山）
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富山は今後の戦いを左右する大事な一戦と位置付けて挑んだが１−２で敗れた。安間貴義監督は「５連戦の初戦を取りにいったが思うような結果にならず残念」と悔しさをにじませた。ＰＫとＧＫのミスによる２失点が痛かった。

開始８分に富山が最初のチャンスを迎える。右からのクロスを今節でＪリーグ300試合出場となるＦＷ黒部光昭がトラップして狙ったがシュートはＧＫ正面をついた。
直後の10分に北九州がＰＫで先制点を挙げた。ペナルティーエリアに走り込んだＦＷ大島康明を富山のＤＦ福田俊介が倒したとの判定。ＦＷ池元友樹がキッカーとなり今季８点目を決めた。

富山は12分にもゴール前で致命的なクリアミスを犯す。シュートが外れて助かったものの、その後もリズムに乗れない時間が続いた。「後ろでのボール回しにテンポがでず、パスミスが発生してゲームにならないところがあった」と安間監督。結果的には、この序盤の悪い流れが最後まで響いたかたちとなった。
逆に、北九州の効果的な攻めが、富山の乱れを誘発させたとも言える。三浦泰年監督は「ワンテンポ早く前に入れるリズム」の攻撃を指示。富山の前々からのフォアチェックに的を絞らせないようにし、前線で起点をつくってからツートップや中盤の選手が流動的に動いて相手をかき回した。富山はマークの受け渡しなど最終ラインとボランチの守備連係がうまくいかなかったという。ボールを取り返しても押し上げが遅くて攻勢を強めることができなかった。

30分を過ぎてようやく富山も好機をつくるようになる。35分には黒部のポストプレーを起点にして右サイドからＭＦ大西容平が狙い、40分にも左からのセンタリングに大西が頭で合わせた。得点はできなかったが、反撃へのムードを高めて後半に入った。
しかし、またあっさりと失点してしまった。後半１分、スローインからの流れから放った北九州・ＭＦ森村昴太のシュートは当たり損ねだったが、ＧＫ飯田健巳がスピンのかかったボールの処理を誤ってファンブル。目の前にこぼれてきた球を大島がゆっくりと蹴り込んだ。

富山は気を取り直して追撃態勢に入り、同13分に１点を返した。ＭＦ舩津徹也がペナルティーエリアで粘って折り返し、大西が詰めて今季初ゴールを決めた。直後にも最終ラインに下がったＭＦ西野誠がオーバーラップしてクロス、黒部が飛び込んでゴールに迫った。同29分にＦＷ永冨裕也を投入、38分には福田を前線に上げてパワープレーを仕掛けて同点を狙う。ラストプレーではＧＫ飯田も攻撃に参加したが実らず、北九州のクリアボールが無人の富山ゴールの右を際どく通過してタイムアップとなった。

安間監督はパワープレーの選択について「ボールをつないで逆転までもっていった試合もあるが、（ミスの多い）今日のボールの流れを見ていると少し期待できないなと思って空中戦を使った」と苦渋の決断であったことを会見で明かした。
北九州は後半戦に入って初の２連勝。「一戦ずつ踏んできた地が固まりつつある。アウェイでの戦いで実感することができた」と三浦監督。再加速の予感を漂わせてホームへ戻る。

富山は今節に向けて不安要素が多かった。10日の天皇杯で福田が負傷、飯田も足に違和感があり２人は軽めの調整を余儀なくされた。終盤の切り札であるＦＷ平野甲斐もけがで欠いた。懸念があればそれが露わになるという勝負の厳しさを感じさせた敗戦だった。
チームは成長し、現在は安定して力を発揮することがテーマになっている。試合ごとや時間帯によってのパフォーマンスの波を小さくしなければ成績も安定しないだろう。今回のゲームではアンラッキーなところは多分にあったにせよ、明らかになったのはまだ実力不足だということ。「できたこと、できなかったことをはっきりさせて次戦に挑みたい」と安間監督。まだまだ試行錯誤は続く。

以上

2011.10.17 Reported by 赤壁逸朗