10月16日(日) 2011 J2リーグ戦 第31節
京都 1 - 2 徳島 (13:04/西京極/5,690人)
得点者:3' 佐藤晃大(徳島)、31' 佐藤晃大(徳島)、52' 宮吉拓実(京都)
スカパー!再放送 Ch183 10/17(月)後00:00〜
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第31節、京都と徳島の一戦は、徳島が京都の猛追を振り切り、昇格戦線に一歩踏み出した。
京都はアライールを先発に起用。徳島は佐藤晃大を1トップに、衛藤裕がその下、右に島田裕介が入った。
ゲームは早々に動く。3分、徳島。左の西嶋弘之からのクロスに、中央の佐藤がDFの前に入り込み頭で合わせ得点。徳島が欲しかった先制を早い段階で手に入れる。この先制パンチを受けて京都は猛然と前に出る。9分、左でつないで久保裕也が右の内藤洋平に出すと、内藤からのクロスに久保が頭で飛び込み、徳島ゴールに迫る。しかし、徳島も19分。左からのクロスに橋内優也が粘って、あわや、の場面を演出。28分にアクシデントが徳島に発生する。右サイドバックの橋内が足を痛めて退場。交代でペスンジンが入る。
膠着の雰囲気が流れた31分、徳島が追加点を決める。左サイドから斉藤大介が入れたロングボールが京都ゴール前にこぼれると混戦に。そのこぼれ球を佐藤が再び決めて徳島2−0に。
その後も33分には佐藤が裏へ飛び出し角度がないながらもGKと1対1に。36分には佐藤が頭で落としたボールを島田がミドルシュートを放つなど、決定機を作る。
後半、京都は内野貴志を投入し、4バックに。守備が安定してきた後半開始早々、京都が反撃の狼煙を上げる。中盤でチョンウヨンと内藤がつないでハーフウェイラインあたりから福村貴幸がゴール前に送ると、そこには徳島ラインを破った宮吉拓実が。宮吉がGKとの1対1を冷静に決めて京都、1−2と1点差に迫る。
その後、京都は中村太亮を投入。逆に徳島はエリゼウが足を痛め、ディビットソン 純 マーカスを入れるなど、徳島には押込まれた雰囲気が流れる様になる。
しかし、徳島も反撃の意識は高い。27分、中央やや右のバイタルエリアでボールを持った斉藤が強引に持ち込みグラウンダーのクロス。中央で佐藤が押し込む。が、これは水谷雄一がナイスセーブをみせる。
これが、試合後、徳島・美濃部直彦監督が話した「彼には決定機が4回あった。4回の内2回決めた」という4回の決定機のうちの1つだった。
京都は最後のカードとしてドゥトラを投入し、反撃を試みるも、結局ゴールは遠く、スコアを動かすことなくタイムアップ。徳島が勝点3を積み上げ、昇格戦線で大きな一歩を踏み出した。
「まず、先制点、非常に大きかったと思います」。徳島・美濃部監督は試合後、そう語ったが、京都・大木監督も「1失点目が全てだったと思います」とこのゴールの重要性を認めた。
それと相まって、徳島の戦い方の徹底ぶりも素晴らしかった。堅守から速い攻め、ロングボールを相手ゴール前へ、これらを確実に遂行。そこに佐藤の決定力の高さがかみ合った。
さらに、言えば柿谷曜一朗。基点としての働きは抜群で、中盤、最終ラインも彼に渡そうとし、そこにボールを入ると左サイドバック・西嶋も動き出すという信頼ぶり。その辺りははっきりと見て取れた。
対して京都。攻撃陣は天皇杯2回戦、佐川印刷SCと同じメンバーだったが、好印象を持った点もある。
単純に、今節の戦いは4-2-3-1を敷く徳島、その彼らと対峙した時に、どう戦うか、という事を踏まえなければならなかったのだろう。4-2-3-1で、ロングボールを多用する相手。ロングボールを蹴らせない、ロングボールを跳ね返す、セカンドを拾うという判断はワンセットだろうが、まず、ここが苦しかった。ロングボールを蹴らせてしまうなら跳ね返すところで粘らないといけない。跳ね返せないならロングボールを蹴らせてはいけない。そのどれもが中途半端な印象があった。セカンド勝負、というところまでいっていない様に観えた。
そして、最終ラインからのビルドアップ。ここも上手くいったという感じはないが、中盤のチョンウヨン、内藤洋平、中村充孝にボールが入り、そこにサポートが入り、ボールがポンポンとつながりだすと相手を押し込んだ、という印象だ。それが、前半の20分過ぎくらいまで続いた。これが好印象を持つただ一つの理由だ。内藤が右サイドに開いて、クロスを入れて久保が頭で飛び込んだシーンの内藤の位置取り、そこへつなぐまでの展開も、面白かった。単純にそう思った。
だが、続かない。中盤でパスをポンポンとつなぐ感覚が薄れていった印象だ。個人で握って周りが走り出すのを待つ感じが出始めると、徳島のDFとしても落ち着きを取り戻した様に観えた。この攻撃の停滞と、カットされてから佐藤に入れられ、不用意なファールで、そこから2失点目へとつながった。
中盤でボールを握るというのは評価の判断が難しい。個人技で抜くことで、周りの選手、特に横やすぐ後ろの選手の足が止まっていた。逆に、パスをポンポンとつなぐことで相手をいなすと全体が動きだしていく。この違いは大きいだろう。個人の高い技術力でボールを奪われず、また、打開してくれるというのは観ている方としては安心感がある。だが、チーム全体の流動感という点では欠ける感じが出る。
前半、攻撃が澱み始めた最大の要因は、ボールを中心に人が動く感じが無くなり、人が動くよりもボールを動かす様になったことだろう。これで、10人が動く、という流動感が損なわれた感じがある。単純に運動量、特に中盤のが、落ちたということだろう。
倉貫一毅は試合後、「人の出し入れが多くて、前からプレッシャーに行けなかった」と話してくれたが、そこが京都の強みの様な気がする。それが、個人が持つ時間が長くなると難しくなる。だが、ボールを奪われない個人の技術は欲しいと思うことも多々ある。そこが難しい。
後半、京都は前線が裏を狙い、徳島が京都の最終ラインと中盤の間のスペースを活用したサッカーになった。徳島の速攻が決まったのも、このバイタルのスペースにボールが入るため、そこを中心に後ろから上がり、前線が走り、という形が多く出たためだろう。京都は前線で人が狙うという形が多くなった。そこに一人、二人のパサーがボールを出すという基本形で、たまにサイドバックやパサーが相手の裏に走っていく形。前半の最初の様な流動的なパス交換は鳴りをひそめた。
連敗で、守備、攻撃とも停滞した感のある京都。攻撃の流動性を、途切れたところから、もう一度運動量を上げてやり直すことができる様にする必要があるとは感じた。
以上
2011.10.17 Reported by 武田賢宗
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