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前回の対戦は6月中旬のカシマスタジアム。0-2という完封負けだった。試合開始直後にCKから興梠慎三にゴールを許し、序盤から1点を追い駆ける展開となったが、運動量を増やせず思うようにチャンスを作れない。相手のロングボールにも手を焼き、64分に田代有三に追加点を許したところで勝敗は決した。試合後、柳下正明監督はこの日のチームを「借りてきた猫」と表現し敗戦を嘆いたが、今季喫した敗戦の中でも内容的に最も苦しんだゲームの一つだった。
あれから4か月。同じ展開を再び繰り返すわけにはいかない。あの日とは異なるスターティングメンバーがヤマハスタジアムで待ち受けることになる。前回の対戦ではＵ-22日本代表合宿で欠場した山崎亮平、山本康裕、さらに西紀寛もシーズン前の大怪我を乗り越え戦列に戻って来ている。山田大記、小林裕紀、金園英学の大卒ルーキー3選手も試合出場を重ねながら、着実に経験を積み重ねてきた。前田遼一、さらに日本代表での試合を終え13日にチームに合流した駒野友一といった主力選手も順調な調整を見せており、前回の敗戦のリベンジを誓う。
右ふくらはぎ肉離れで3日から離脱しているロドリゴ ソウト、10日の練習試合で左足首を捻挫したジウシーニョ、さらに12日の天皇杯で途中交代となった菅沼実は、いずれもこの試合を欠場することになりそうだが、その一方で山本康の復帰は大きい。9月中旬のヤマザキナビスコカップ・仙台戦で右足首を捻挫し離脱することになったが、12日の天皇杯で後半途中からピッチに立ち、公式戦に復帰。後半途中ということで相手も消耗しており、敵陣にスペースが生まれている状況ではあったが、中盤2列目の位置からアグレッシブに仕掛けて積極的にシュートを狙った。この試合では金園英学と共に攻撃的な交代カードとして試合途中に投入されることが予想されるだけに、ゲームの流れを変える役割を求められる。
対する鹿島はヤマザキナビスコカップでファイナル進出を決めるなど勝負強さを見せつけている。5日の準々決勝では横浜Ｆ・マリノスに前半で2点をリードされながら、後半、興梠と大迫勇也のゴールで同点。さらに延長後半には田代のゴールが決まり、ホームで逆転勝利を収めた。さらに9日の準決勝・名古屋グランパス戦も延長戦にもつれこんだものの、延長後半に柴崎岳の決勝点が決まり、アウェイで勝利を収めた。12日にホームで天皇杯に臨み、メンバーを入れ替えながら3回戦進出を決めたが、中2日でこのアウェイゲームを迎える点、さらに直近のカップ戦で2試合連続120分を戦っている点も踏まえると、磐田以上にタイトな日程であるのは明らかである。岩政大樹など負傷者も少なくないが、その中でいかなる試合運びを見せるかが焦点の一つだ。
以上
2011.10.14 Reported by 南間健治
