10月12日（水） 第91回天皇杯 2回戦
Ｃ大阪 6 - 0 岩教大　（19:04／金鳥スタ／2,116人）
得点者：24' オウンゴール（Ｃ大阪）、30' ファビオ ロペス（Ｃ大阪）、71' 杉本 健勇（Ｃ大阪）、78' ファビオ ロペス（Ｃ大阪）、81' 小松 塁（Ｃ大阪）、86' 大竹 洋平（Ｃ大阪）
★第91回天皇杯特集
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ミッドウィークの12日夜にキンチョウスタジアムで行われたＪ１のＣ大阪と、北海道代表の北海道教育大学岩見沢校（以下、岩教大）の天皇杯２回戦は、Ｃ大阪がファビオ ロペスの２得点などで６−０と大勝。順当に３回戦へと駒を進めた。天皇杯初出場だった岩教大は、前半こそ健闘したものの、後半はプロの前に力尽き、福岡大学に続いてのジャイアントキリングはならなかった。

大勝といえども、Ｃ大阪のスタッフ、選手たちの表情は冴えなかった。その要因は前半の戦い。立ち上がりこそ、今季初先発となった村田和哉がクロスバー直撃の決定機を作るなど、攻勢を仕掛けたＣ大阪だったが、10分に丸橋祐介からのバックパスを受けた今季初出場のGK松井謙弥が、岩教大MF阿部大翔の猛プレスを浴び、ピンチを招く。そこでは阿部のシュートをＣ大阪DF藤本康太がゴールライン上でクリアし、何とか失点は回避できたが、この１プレーを契機に、Ｃ大阪はミスを連発。「前半の内容は非常に悪かったと思う」とレヴィークルピ監督が述べれば、「前半は見ての通りというか、本当に申し訳ない内容で、全員ミスが多かったし、サッカーになっていなかった」と小松塁も猛省するように、Ｃ大阪らしい連動性豊かなサッカーは、ほとんどといっていいほど見られなかった。ケガから２カ月ぶりに復帰した司令塔のマルチネスも、本調子とは程遠いパフォーマンスだった。

そのなかで24分に丸橋の左クロスが相手GKのキャッチミスを誘ってオウンゴールとなり、先制に成功したＣ大阪。30分にも中後雅喜のミドルシュートのこぼれ球をファビオ ロペスが押し込み、前半で２点リードしたが、後半の61分までにラフプレーや反スポーツ的行為により４枚の警告を受けるなど、ちぐはぐな展開は続いた。その嫌な流れを解消できたのは、杉本健勇が投入された70分以降。その杉本が出場後わずか１分でゴールを奪い、岩教大の戦意を打ち砕くと、78分にファビオ ロペス、81分に小松、そして86分には後半から登場していた大竹洋平が得点を積み重ねていった。そのうち、３点に絡んだ右DF酒本憲幸の好クロスも光っていた。

前回大会に続く大勝スタートとなったＣ大阪。３回戦では草津を破って勝ち進んできたＪ２の岡山と、11月16日にキンチョウスタジアムで対戦する。「茂庭さんも言っていたが『今日はＡＣＬに向けての第１歩』やと。Ｊリーグと天皇杯を平行しながら、（敗退した）ヤマザキナビスコカップとＡＣＬの分も取り返していけるよう、チーム一丸となって頑張りたい」と村田が言うように、苦しいなかでも結果を残したイレブンは、中２日でやってくるＪ１第29節の甲府戦（10/15＠キンチョウスタジアム）での勝利、そして天皇杯初優勝、来季のＡＣＬ切符獲得を誓っていた。

一方の岩教大は、結果は大差で敗れたとはいえ、越山賢一監督が「ウチのチームの特長が出たし、最後まで本当にあきらめずに頑張ったというあたりは、（選手たちを）褒めてあげたい」と言うように、Ｃ大阪相手に大健闘。北海道学生リーグを９日に戦い、前日に来阪するというハードスケジュールだったにもかかわらず、「本気でセレッソが崩されることもあった」とＣ大阪FW杉本も舌を巻くような、小気味よいパスサッカーを展開し、プロを後一歩で陥落させられるようなところまで追い込んだ。

「チャンスもいっぱいあったし、勝てる要素もあった」と述べた主将の内田圭祐は、「足がつっている人がいっぱいいたなか、みんなが最後までやりきれたことは、結果はともあれ、いい財産になったというか、また次のステップにつながったように感じ」と、充実した表情を浮かべ、チームの今後に向けて、また１つ自信を得ていた。２年生の上原拓郎や阿部、１年生の伊藤巧貴ら、下級生の奮闘も光り、今後がますます楽しみな岩教大。その名をサッカー界にもしっかりと印象づけ、清々しさを残した北海道代表は、胸を張って大阪の地を後にした。

以上


2011.10.13 Reported by 前田敏勝