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【第91回天皇杯 2回戦 名古屋 vs FC鈴鹿】レポート:格下に見せつけたJ王者の貫録。名古屋が6得点でFC鈴鹿に“順当勝ち” (11.10.13)

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10月12日(水) 第91回天皇杯 2回戦
名古屋 6 - 0 FC鈴鹿 (19:00/瑞穂陸/2,280人)
得点者:14' ブルザノビッチ(名古屋)、19' 橋本 晃司(名古屋)、35' ブルザノビッチ(名古屋)、42' 新井 辰也(名古屋)、78' 田中 輝希(名古屋)、88' 田口 泰士(名古屋)
★第91回天皇杯特集
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Jリーグ王者vs地域リーグチームによる天皇杯2回戦は、FC鈴鹿の高木成太監督の言葉を借りるまでもなく、「順当な結果」に終わった。名古屋のホーム瑞穂陸に集まった多くのFC鈴鹿サポーターの歓声は、開始ほどなくして溜息に変わった。「やっぱJリーグだわ」。アップセットの淡い期待を抱いた人々を納得させるだけの説得力に満ちたプレーを、名古屋は見せつけたのだった。

名古屋はG大阪との週末のリーグ戦(10/15@瑞穂陸)に備え、予想通りほとんどの主力を温存してきた。ヤマザキナビスコカップの2試合(準々決勝、準決勝)で240分をフル出場した田中隼磨がスタメンに名を連ねたのは意外だったが、それ以外は主に控えの選手が出場機会を得た。GKの高木義成、左サイドバックの三都主アレサンドロ、センターバックの千代反田充、ボランチの吉村圭司、そして田中隼を“お目付け役”に、DF新井辰也やMF田口泰士、MF橋本晃司らが脇を固める。前線の核には金崎夢生と永井謙佑がヤマザキナビスコカップに続いて据えられた。

対するFC鈴鹿は「変に守っても守れる相手ではない。いつも通りの4−3−3で攻撃的に行く」と、格上相手の守備戦術を採らずにJ王者へと挑みかかった。全体的に上背はないものの、スピーディーな展開を実行できるメンバーを選抜。2トップを組んだFW伊藤駿祐と中川宏太郎はともに俊足の選手で、特に中川の足はJでも見劣りしないほど。ボランチには普段センターバックを務めるキャプテンの大久保龍太が入り、全体を統率する。

キックオフから激しいプレスをかけてきたのはFC鈴鹿。コンパクトな布陣と前からのチェイシングを敢行した。しかし、想定内か想定外かはわからないが、名古屋の技術とフィジカルがFC鈴鹿の目論見を打ち砕いた。2〜3人で囲い込んでも、つながれる。パスコースを切っても、それを超えるサイドチェンジが飛んでくる。ボールを奪いに行ってもフィジカルで跳ね返される。J1と“J4”の戦いなのだから当然といえば当然なのだが、あまりに歴然としたレベル差に、FC鈴鹿の勢いはみるみるうちに消えていった。

名古屋は開始2分で惜しいシュートを放つと、その後も一気呵成に攻め立てた。この日目立ったのはトップ下の位置で自由奔放に攻撃の中心となったブルザノビッチだ。14分に味方が前線でマイボールにすると、回ってきたパスを思い切りよくミドルシュート。これを相手GKがファンブルし先制点とすると、その後も185cmの長身を生かし多くのクロスをヘディングで合わせた。そして背番号9のゴールを号砲に、名古屋のゴールラッシュが幕を開ける。19分には吉村のフィードに抜け出した橋本がGKをかわして冷静にゴール。35分にはゴール前の混戦からブルザノビッチが押し込み3点目。FC鈴鹿は36分にFW矢野純平が2枚目の警告で退場になり、さらなる劣勢にさらされた。前半終了間際の42分にはコーナーキックから新井がプロ初ゴールを頭で叩き込み、追加点。試合の趨勢は45分でほぼ決まった。

4点のリードを奪った名古屋は、後半開始から田中隼と金崎を下げ、DF松尾元太とFW玉田圭司を投入。公式戦3試合ぶりに負傷から復帰した玉田は、回復の状態を見極めるいわば“試運転”の意味合いが強い登場となった。57分には永井に代えて田中輝希を送り込み、ストイコビッチ監督は予定通りと言った采配。メンバーが代わっても、名古屋は同じレベルを保ってFC鈴鹿を支配し続けた。78分にはペナルティーエリア前でブルザノビッチからの横パスを受けた田中輝が、ダイレクトでゴール右上に流し込み、5点目をゲット。田中輝はこれがプロ初ゴールとなった。試合終了間際の88分には、相手GKのミスキックを田口が押し込み、こちらもプロ初ゴールを記録。6−0とし追撃の手を断ち切った。FC鈴鹿も10人となりながら運動量豊富にピッチ内を駆け回り、41分には中川の突破から途中出場の天野裕太がゴールしたかに見えたが、これは惜しくもオフサイドの判定。勇敢に戦うもやはりJの壁は厚く、内容、結果ともにまさしく圧倒された。

順当すぎる順当勝ち。例年は天皇杯初戦で苦戦することの多い名古屋だが、今季はプロの貫録を十分すぎるほど見せつけた。ストイコビッチ監督も「サプライズもなく、この機会を真面目に捉え、良くやってくれた」と及第点を与える。この結果を素直に喜べるほど、名古屋というチームは子供ではない。3人のプロ初ゴールが生まれたこともそうだ。高木は「これを最低限と取るか、どう取るかは個人次第。チャンスだと思った選手が結果を残したんだったら、それはよかったと思う」と語った。FC鈴鹿にとっては大いなる挑戦だったが、名古屋にとっては勝って当然の格下との試合だった。しかしながら、メンバーが大きく入れ替わる中でしっかり試合を支配し、指揮官の求めるポゼッションサッカーを体現した意味は小さくない。残るシーズンで“使える”選手が増えたことを、それは意味するからだ。

名古屋の次戦の相手はJ2のギラヴァンツ北九州に決まった(11/16@瑞穂陸)。FC鈴鹿同様に、格下相手に支配したゲームを要求される一戦になる。1ヵ月の後にどのようなメンバーが出場することになるかは不明だが、この日同様の展開に持ち込めるかという命題は変わらない。ともあれ名古屋は至極“順当に”、3回戦進出を決めた。

以上


2011.10.13 Reported by 今井雄一朗
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