10月12日（水）第91回天皇杯 2回戦 Ｃ大阪 vs 岩教大（19:00KICK OFF/金鳥スタ）
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★第91回天皇杯特集
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今季残された最後のタイトル、天皇杯に挑むＣ大阪。その初陣となる12日に行われる２回戦では、初出場にして１回戦を突破してきた北海道教育大学岩見沢校（以下、岩教大）と対戦する。

９月27日から10月５日にかけての９日間、Ｃ大阪にとっては本当に悔しさだけが残った。初出場にして日本勢唯一のベスト８に勝ち残ったＡＣＬでは、ホームで勝利しながら、アウェイで全北（韓国）に１−６と大敗。バルセロナ（スペイン）やサントス（ブラジル）らが出場するＦＩＦＡクラブワールドカップの舞台には手が届かなかった。そして、そのショックも癒えないうちに臨んだ２日のＪ１第28節仙台戦では１−２と惜敗。首位Ｇ大阪との勝点差が21に広がり、数字上でもＪ１制覇の可能性が完全に断たれた。さらに、ホーム長居での一発勝負となったヤマザキナビスコカップ準々決勝では、浦和に１−２と競り負け、タイトル獲得の大チャンスを逃した。

それだけに、この天皇杯にかける思いは、とりわけ強いものがある。27日の全北戦での敗退直後、主将の茂庭照幸は「この悔しさはこの大会でしか晴らせない」と述べ、残されたリーグ戦、そして天皇杯への強い気持ちを語っていたが、全北へのリベンジの機会、ＡＣＬ出場権獲得切符のチャンスは、いまや天皇杯にのみ残されていると言っていい。今季の経験を、屈辱を、すべて、この舞台にぶつける。Ｃ大阪は本気で元日国立、そして初優勝を目指している。

レヴィークルピ監督も「天皇杯は優勝を狙う」と宣言。そのために、この２回戦、アマチュアチームとの試合でも、「現状のベストメンバーで戦う」と意気込みを見せる。ケガで清武弘嗣、キム ボギョンという攻撃の核を欠き、そのうえ、今回は韓国代表ＧＫキム ジンヒョンも不在だが、上本大海、マルチネスといった主軸が復帰する可能性が出るなど、チームに明るい材料も出てきている。どんな布陣でこの岩教大戦に臨むか、見どころの１つだ。

また、大阪体育大学が岩教大にＰＫ負けしていることもあり、「後輩たちからリベンジも託されました」と語るのは、今季、大体大から加入したルーキー、村田和哉。実際に、彼は昨年、天皇杯でＧ大阪を相手に健闘したこともあり、大学生の立場も分かっている。「大学生相手というのは、プロとしてはやりにくいもの。でも、油断してはいけない。自分たちのサッカーをやっていかないといけない」と気を引き締める。また、「単にセレッソの勝利だけでなく、自分のレベルアップの機会にもなるし、ここはチャンス。試合に出て、サポーターと一緒に喜びを分かち合いたい」と、この試合での出場、そして勝利に全力を尽くす。

一方の岩教大は、総理大臣杯ベスト８の場で敗れた大体大に、天皇杯１回戦の舞台でリベンジを達成。10日に大宮を相手にＰＫ勝ちした福岡大に続くべく、このＣ大阪戦ではジャイアントキリングを目指し、大阪に乗り込む。クラブのメンバーは32名と、大学サッカー界では決して多い方ではない。それでも、札幌Ｕ−18出身者が６名も在籍するなど、能力の高い選手は多く、可能性は秘めているチームと言えよう。特に、札幌Ｕ−18時代には主将も務めたMF上原拓郎は、2009年の全日本クラブユース選手権（Ｕ−18）大会で、扇原貴宏、永井龍、杉本健勇、夛田凌輔、野口直人らが名を連ねて優勝を果たしたＣ大阪Ｕ−18に、グループリーグで唯一勝利している実績も持つ。また、同じく札幌Ｕ−18出身のFW大西洋平は北海道学生サッカーリーグで14得点を叩き出しているストライカー。チームを牽引するこの10番にも注目だ。

「受けるのではなく自分たちから仕掛けたい。ゴールを獲って、勝って、乗っていきたい」と語るのは、Ｃ大阪FW杉本。果たして、Ｃ大阪がホーム、キンチョウスタジアムで実力をしっかりと発揮するのか。それとも、岩教大がNHK-BS1でのテレビ生中継もされるなかで、番狂わせを巻き起こすのか。モチベーションの高い両者が、ミッドウィークのナイトゲームで、熱い闘いを繰り広げる。

以上

2011.10.11 Reported by 前田敏勝