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【第91回天皇杯 2回戦 富山 vs 鳥栖】レポート:2度追い付いた富山がPK戦で勝利をつかむ。鳥栖も数的不利にめげず最後までゴールを狙った大熱戦(11.10.11)

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10月10日(月) 第91回天皇杯 2回戦
富山 3 - 3(PK 4 - 2)鳥栖 (16:00/富山/2,298人)
得点者:21' 野田 隆之介(鳥栖)、30' 新居 辰基(鳥栖)、45'+1 朝日 大輔(富山)、48' 舩津 徹也(富山)、66' 山瀬 幸宏(鳥栖)、83' 黒部 光昭(富山)
★第91回天皇杯特集
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3点を奪い合った熱戦はPK戦の末に富山に軍配が上がった。2度もリードを許したが追い付いた。地元の声援にも後押しされ、尻上がりに調子を上げたことが勝利に結びついた。鳥栖は後半途中から退場で1人少なくなったが、足を止めずに120分間を戦い抜いた。多くがリーグ戦では出番の少ない選手だったが、勝利への執念をみせてJ1昇格を狙うチームの底力を十分に示した。

鳥栖は先発メンバーをリーグ前節から10人変えた。うち7人を佐賀に残し、遠征メンバーは15人に絞った。J1昇格がかかるリーグ戦を優先した策であるのは間違いない。来週19日の第6節で再び対戦する富山に手の内を明かさず、主力選手を休養させることもできる。若手に経験を積ませ、けが明けのMF山瀬幸宏やMF米田兼一郎、GK室拓哉ら実力者を試運転させる場にもなる。尹晶煥監督は決然とした態度でそれを徹底した。
出場機会が巡ってきた選手たちの士気は高く、序盤からペースをつかんだ。出足よくセカンドボールを拾って、山瀬やFW新居辰基を中心に攻め込んだ。

一方の富山はリーグ戦と同じサイクルを崩さずにベストメンバーで挑んだ。しかし、守りの要であるDF福田俊介が前半15分に負傷のため交代を余儀なくされた。鳥栖はその隙を突くかたちで同21分、30分と立て続けにゴールを挙げて2点をリードした。先制点はFW野田隆之介が中央からグラウンダーのミドルを蹴り込み、追加点は新居が左サイドから巻いてゴール右上に決まる技ありのシュートを決めた。富山はいずれもDFが競り負け、その後のこぼれ球やシュートへの反応にもいつもの鋭さを欠いた。
富山はMF木本敬介が積極的に左サイドの突破を試みて反撃する。鳥栖も即席布陣で不慣れなポジションでプレーする選手がおり、守りは盤石ではなかった。前半アディショナルタイムに富山がMF朝日大輔のゴールで1点を返し、ノーガードの打ち合いの様相となった。

後半3分、富山は左サイドのFKからMF舩津徹也がヘディングで決めて同点に追い付いた。次第にゲームには熱が帯び、両チームとも素早い攻守の切り替えから攻め合った。
鳥栖は同21分、MF國吉貴博から新居を経由して左から右へとスピーディーに展開して山瀬が決めて勝ち越しに成功。しかし、同26分に右サイドバックのMF柳澤隼が2つ目の警告を受けて退場となり、1人少ない状態になった。
富山は途中出場のFW平野甲斐が抜群のジャンプ力とスピードをみせて攻撃の起点になった。同38分、右サイドからのアーリークロスを平野が競り、こぼれ球をFW黒部光昭が決めて再び追い付いた。

延長戦の前後半30分は数的優位に立つ富山が押し込んで何度も決定機をつくるが、相手GK室の好セーブなどに阻まれた。鳥栖は最後まで厳しい寄せで対抗。勝利を目指す意欲にかげりはなく、鋭いカウンターで何度もゴールに迫った。テレビ中継がなく、地元に残ったメンバーは観戦することができなかっただろう。だが、もし仲間の戦いを目にしていたならきっと心が熱くなったのではないか。そう思わせる奮闘ぶりだった。J2は次節から2週間で5連戦。鳥栖は札幌、富山、F東京、千葉、岐阜の順に対戦し、昇格への正念場を迎える。

PK戦は富山の先攻だった。2−2のタイで迎えた4人目、富山はGK飯田健巳が鳥栖FW池田圭のシュートをセーブ。直後の5人目MF谷田悠介が決めて勝利を決めた。

Jリーグ3年目の富山にとってこの1勝は意義深い。PK戦と劇的な勝利の盛り上がりは地元における注目度や求心力を高めたはずだ。3回戦では鹿島×筑波大の勝者と対戦する。J1の盟主との対戦が実現すれば選手にとってもサポーターにとっても楽しみな一戦となる。

以上

2011.10.11 Reported by 赤壁逸朗
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