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【第91回天皇杯 2回戦 千葉 vs 島根】レポート:イージーミスの多さとチャレンジの少なさで苦戦を招いた千葉が辛勝。積極的なプレーで攻守の持ち味を発揮した島根は決定力不足に泣く。(11.10.11)

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10月10日(月) 第91回天皇杯 2回戦
千葉 1 - 0 島根 (13:00/フクアリ/3,528人)
得点者:67' 藤本 修司(千葉)
★第91回天皇杯特集
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リーグ戦でも試合の結果や合内容が順位通りのものにならないことは多い。だが、戦いが一発勝負のトーナメントの天皇杯ならば、なおさらだ。J2リーグ所属の千葉と中国サッカーリーグ所属の島根の戦いは、特に前半、両チームのカテゴリーに2つもの差があるとはとても思えないものだった。島根の選手の奮闘ぶりは見応えがあって魅力的だったのは確かだが、それを際立たせたのは千葉の選手のミスの多さやチャレンジの少なさだった。

千葉は、島根戦のスタメンのうち直前のJ2リーグ第30節愛媛戦でもスタメンだったのはDF渡邊圭二とFW青木孝太だけ(MF米倉恒貴は愛媛戦では出場停止)というほど、メンバーを入れ替えていた。それでも、立ち上がりは島根の攻撃陣にチャンスを作らせず、パスをつないで攻撃を組み立てようとした。だが、パスの長さにミスが出たり、接触プレーがファウルになったりして思うようにパスがつながらず、攻撃のリズムが作れない。

一方、試合の入りは「慣れないところだったので、雰囲気に飲まれて慌てた」(島根のFW隅田航)島根だったが、次第に持ち味を発揮。パスをつないでサイドで起点を作り、ゴールに迫る。特に前半の千葉には少なかったダイアゴナルラン、FW空山浩輝や隅田などのドリブルでの仕掛けといった積極的なチャレンジが効いていた。20分には空山のクロスから隅田がゴールポストのわずか横に外れるヘディングシュートで、この試合の最初の決定機。島根の前線からのプレスは時間の経過とともに厳しくなり、それに呼応するかのようにディフェンスラインが押し上げて、千葉に自由にプレーできる余裕を簡単には与えなかった。

試合勘や連係不足の問題もあり、なかなかフィニッシュまで持ちこめない千葉の最初の得点機は35分。MF藤本修司のクロスからFW久保裕一のヘディングシュートだった。これをきっかけに、その後はCKのチャンスも生かして千葉がシュートを打っていくが決まらない。また、島根も41分のFW平田翔太のシュートは千葉のGK大久保択生の好セーブに阻まれ、押し気味に試合を進めた前半にゴールを奪うことができなかった。

後半の最初の決定機は8分の島根。右サイドから平田、MF田栗史康とつないで、隅田がシュートを打つが、これも大久保の好守に阻まれた。前半の頑張りによる疲労の蓄積か、運動量が低下していった島根にとって、この決定機をモノにできなかったのは痛かった。

逆に、ハーフタイムに仕切り直した千葉は動きの量と質を上げ、島根を押し込む時間が長くなる。そして負傷した空山がピッチの外に出ていて島根が1人少ない状況だった67分、千葉が先制点を取る。青木孝のドリブルからのシュートを島根のGK林一章がセーブするが、こぼれ球を藤本がシュート。これもGK林がセーブしたが、藤本が再びシュートを打って決めた。青木孝のドリブルの仕掛けという工夫、前半からの藤本のシュートへの意識の高さから生まれたゴールだった。得点直後に千葉は2人の選手交代で攻守の安定を図り、終了間際にはボールを回して時間を使って『1点』を守っての辛勝となった。

失点シーンは「球際で寄せきれなかった」(隅田)こと、決定機に決めきれなかったことに悔いが残る島根。だが、J2チーム相手でも攻守の持ち味を発揮できたことは、地域リーグの決勝大会など今後の公式戦につながる収穫だ。

一方、熾烈なJ1昇格争いを勝ち抜くには戦力の底上げが必要な千葉だが、選手の頑張りには物足りなさを感じた。また、出場機会が少ない選手同士とはいえ、チーム戦術が選手全体に浸透していれば連係不足は減るはず。個人の技術や判断のイージーミスも多かったが、前半のちぐはぐな戦いぶりはこの時期のチーム作りの完成度にも不安を感じさせた。

以上

2011.10.11 Reported by 赤沼圭子
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