10月8日（土）第91回天皇杯 2回戦 湘南 vs 岡山NE（13:00KICK OFF/平塚）
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★第91回天皇杯特集
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先月の台風の影響により平塚市馬入の練習グラウンドが冠水して以降、所を移してトレーニングを続けている湘南である。厳しい練習環境ながら、しかしピッチに響く互いの要求はいとまなく、チームの高い士気が伝わってくる。練習前のミーティングでは攻守における課題や好プレーをピックアップするなど、自分たちを再確認した様子も窺える。

先週末にホームで行なわれた鳥取戦では、1点ビハインドの後半、シュートの山を築きながら無得点で試合を終えた。劣勢の状況とはいえ、追い上げの猛攻と演出したチャンスの回数を思えば攻撃は上向きといえるだろう。かたや決めきることができなかったのも明らかである。なにより、試合後に指揮官も触れた90分を通した真の強さを求めたい。

そして、この週末には天皇杯2回戦が控えている。「タイトルが懸かった試合でそれを獲りにいくのは当然のこと」と反町康治監督が語ったように、またその1週間後からリスタートするリーグを思っても、内容と結果ともに大切な一戦である。と同時に、チームの底上げに繋がる内なる競争と奮起にも期待したい。そのうえで、怪我人の復帰は頼もしい。先日行なわれた甲府との練習試合では、およそ3カ月ぶりに巻佑樹と岩尾憲が、そしてじつに1年ぶりに猪狩佑貴が実戦復帰を果たした。ゲーム体力をはじめ完全復活という意味では個人差があろうが、彼らが加わったことで活気はさらに増した印象だ。

前節の鳥取戦を踏まえつつ、外から見た印象を巻はこんなふうに語っている。
「ここまでいい試合もしていると思う。ただ鳥取戦では、決める決めない以前に、相手に合わせているような感じがあった。自分たちのサッカーを貫けていなかった。相手うんぬんではなく、自分たちがやってきたことをどれだけやりきれるか。自分が出たときには、そういうところ、チームのいい部分をいかに引き出すかを意識してプレーしていきたい」

他方、平塚に乗り込むのは岡山県代表のファジアーノ岡山ネクストだ。IPU・環太平洋大学体育会サッカー部を降し天皇杯初出場を決めると、1回戦では山口県代表のレノファ山口と対戦し、接戦をものにした。1点リードで迎えた89分、CKからカウンターを許し、昨季湘南に在籍した中山元気にゴールを浴びて土壇場でゲームを振り出しに戻された。迎えた延長戦では先に失点もした。だがそれでも延長後半に追いつき、PK戦を制したのだった。ちなみに彼らが1回戦で降したレノファ山口は、昨季の天皇杯2回戦で湘南が破った相手でもある。

中国サッカーリーグに昇格して2年目の今季、ファジアーノ岡山ネクストはリーグ3位の成績を収めた。JFLを見据える彼らにとって、Jクラブとの公式戦は得難い経験に違いない。アシストランク2位の岡崎和也や、チームトップスコアラーで昨季トップチームでも出場を果たしている新中剛史らを擁す。なおシステムは3−4−3が予想される。

そんな岡山の雄に対し、巻が自ずと触れたように、らしさを貫くことが湘南には変わらず求められよう。攻守に渡る躍動をもって、天皇杯とリーグのこの先に繋げたい。

以上

2011.10.07 Reported by 隈元大吾