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【ヤマザキナビスコカップ:準々決勝 鹿島 vs 横浜FM】レポート:FW3人が揃って得点した鹿島が2点のビハインドをひっくり返す逆転勝利!準決勝に駒を進める(11.10.06)

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10月5日(水) 2011 ヤマザキナビスコカップ 準々決勝
鹿島 3 - 2 横浜FM (19:00/カシマ/4,804人)
得点者:1' オウンゴ−ル(横浜FM)、11' 渡邉千真(横浜FM)、49' 興梠慎三(鹿島)、73' 大迫勇也(鹿島)、111' 田代有三(鹿島)
ヤマザキナビスコカップ特集ページ
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この試合に生まれた5つのゴールが、すべて風下のゴールに決まったことは天候とまったく無関係ではないだろう。試合前から、強い雨風が吹き荒れた県立カシマサッカースタジアム。ホイッスル直後に鹿島が右サイドからクロスを上げたときは、好スタートを切ったと思われたが、その次の瞬間、思いもよらぬ事態が起きた。

ボールをキャッチした横浜FMの飯倉大樹がすばやく正確なキックを前線に蹴り込む。これを渡邉千真と併走しながら追いかけていた中田浩二だが、途中でボールを見失ってしまう。
「雨と風でボールが見えなかった」
そこで背後に控える曽ヶ端準に処理を任せようとしたところ、不運なことにボールが中田の頭に当たってしまう。転々と転がるボールは飛び出した曽ヶ端とすれ違い、無人のゴールに吸い込まれ、開始1分で横浜FMが先制点を得た。

その後、激しい雨が降っていることを感じさせないパスとトラップの技術の高さで、再び右サイドからチャンスをつくった鹿島だが、またもアクシデントに見舞われる。この日、日本代表に招集されていた増田誓志の代わりに先発した柴崎岳が自陣でのワンタッチパスをミス。相手に奪われたところを慌ててカバーにいった中田浩二がペナルティーエリア内で渡邉千真を倒してしまいPKの宣告。横浜FMが労せずして2点のリードを奪うこととなった。
ともに勝利から見離されていた状況だっただけに、横浜FMにすれば願ってもない得点であり、鹿島にとっては魔が差したような開始直後となってしまった。その後もボールは支配するものの、ドリブルなどを仕掛けていく選手は少なく、なかなかベクトルがゴールへ向かわない。せっかくの高い技術も、パス回しには役だったものの、ゴールを奪うところまで演出するには至らなかった。

しかし、後半に入り風上に立ったことで鹿島の状況が一変する。49分に興梠慎三が6月18日以来となる109日ぶりのゴールをあげると、73分には大迫勇也が強烈なミドルシュートを放って同点。「(中田)浩二さんのためにも取りたかった」と話す2人のゴールで、前半のビハインドを帳消しにした。

オズワルド オリヴェイラ監督の采配も冴えていたと言えるだろう。後半頭から遠藤康に代えて田代有三を投入。先の柏戦のように3トップで攻めるのかと思いきや、大迫を左MFに据え2トップは維持。大迫の突破力とゴール前の人数を保つ布陣は、横浜FMの守備を慌てさせるものだった。
そういう意味では、横浜FMとしては交代策が機能しなかったのが痛かった。1点リードしている状況で、小野裕二に代えてキム・クナン、渡邉千真に代えて大黒将志を送り込んだものの、戦況に大きな変化はなく大黒のループ気味のボレーシュートは、曽ヶ端が触ったことでバーをかすめながら外れていった。

後半終了間際から、中2日、中3日の厳しい日程で戦う両チームの選手たちの足が止まり始め、オープンな撃ち合いに。しかし、「みんなで取り返そうという気持ちがあった」とキャプテンの小笠原満男が語ったように、ミスはありながらも戦い方の狙いがハッキリしていた鹿島に対し、横浜FMはいまひとつ不透明。延長後半、またしても鹿島が風上に立つと、右サイドの新井場徹のクロスを田代が頭で叩き込み、ついに逆転。横浜FMに、それを覆す力は残っていなかった。
前半早々に2点をリードし、連敗脱出には絶好の機会だったが、そのリードを守りきれずに逆転負け。横浜FMにとっては、ダメージの大きい敗戦となってしまった。キャプテンである兵藤慎剛は「なかなか攻撃の形をつくれず、押し上げることができなかった」と振り返る。攻撃ではカウンターのチャンスもあったが、それ以外ではなかなか形にならなかったのは雨のせいだけではないはずだ。「もっとみんなで話さないといけない」と今後の課題を示した。

120分の死闘を制した鹿島は、これで準決勝へ進出。2002年以来となるヤマザキナビスコカップ制覇へ一歩近づいた。リーグ戦は苦しい状況なだけに、「ここまで来たら決勝に行かないと意味がない」(田代)と、タイトル獲得の意欲十分。久々の勝利だけでなく、FW3人が揃って得点したことでチームの勢いは増している。中3日で迎える名古屋との一戦も楽しみな試合となりそうだ。

以上


2011.10.06 Reported by 田中滋
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