10月2日(日) 2011 J2リーグ戦 第30節
岡山 2 - 4 鳥栖 (13:03/津山/4,111人)
得点者:4' 池田圭(鳥栖)、46' 山崎正登(岡山)、49' 池田圭(鳥栖)、56' 金民友(鳥栖)、62' オウンゴ−ル(岡山)、66' キムビョンスク(鳥栖)
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9月14日の大敗から約半月。16位の岡山は自分たちの戦い方を取り戻すため、4位の鳥栖は確実に勝利をものにして、昇格争いを優位に進めるべくゲームに臨んだ。岡山はトップに久木田紳吾、シャドーに岸田裕樹、最終ライン中央に竹田忠嗣、鳥栖は、トップ下・早坂良太の代わりに池田圭が入った。
前半立ち上がり4分、岡山はまさかの失点を許した。前回の対戦で鳥栖・藤田直之のロングスローから3点を決められているが、今回も藤田のロングスローに合わせた池田のヘディングがゴールに突き刺さる。「藤田が正確なロングスローを投げてくれるし、豊田(陽平)さんが前にいるので、その後ろを狙っていた」と池田。岡山のマーク、意識が豊田に引きつけられていたのも事実だ。早い時間に同じ失敗を繰り返した岡山だが、「切り替えは出来ていたと思う」と岡山GK真子秀徳。
「勝敗は後半にかかってくると予想していた。岡山が前からプレスに来ることは、ウォームアップにも表れていた」と鳥栖・尹晶煥監督。後半開始早々、妹尾隆佑からのボールを受けた澤口雅彦が正確なクロスを上げ、これを山崎正登がヘディングで決めて同点に戻す。しかしわずか3分後、鳥栖・右SB丹羽竜平のクロスに、またもや池田が頭で合わせてゴールし、鳥栖が再びリードを奪う。岡山にとってこの2失点めは、ノーミスで守備陣を引っ張った植田龍仁朗をはじめ、「コレクティブに出来ていた守備の士気がそがれた部分があった」(影山雅永監督)ため、1点目よりも痛い失点となった。
最終的なスコアは2−4。勢いのある鳥栖は、正統なサッカーで岡山の隙を突いて勝利をおさめたが、懸念されていた金民友、キム ビョンスクの守備の弱さについては、岡山がその後方を突いてある程度、サイドから起点を作ったことを考えると、上位チームとの直接対決の前に見直されなければならない点となるだろう。
岡山はミスも目立ったが、前半から小林優希のクロスや金民均のパスが、妹尾、山崎、久木田の前線3人の動きにつながる気配も漂っていた。「最後まで走って前線を追い続けるところは見せることが出来た」(影山監督)し、ストヤノフ不在のゲームで、つないで攻め込む形も何度か作れた。しかし、「内容は悪くなかった」という試合後の選手のコメントの裏側には、もっと思いきったプレーができたはずだという自戒も込められているはずだ。
鳥栖はこの勝利で順位を3位に上げ、得失点差+25はリーグ2位となっている。これから熾烈な昇格争いに突入する鳥栖にとって、この半月間に岡山から奪った得失点差+8(10ゴール)は、その戦いを優位に進める鍵になるかもしれない。一方、現在失点数がワースト2位の岡山は、失点してもそれ以上のゴールを奪えると思えていた時期の感覚を取り戻せないままでいる。しかし微かではあるが、自分たちの戦い方を掴もうとする姿勢が見えた。それは以前に戻るのではなく、新しい方向へと進んでいる。数々の長所・短所を含んだ自己を突き放して見極めることで、リーグ戦残り10試合を満足できる内容にできるのだろう。
以上
2011.10.03 Reported by 尾原千明
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