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【J2:第30節 京都 vs 水戸】レポート:ゲームプランとFW二人の決定力で京都を下した水戸。京都は前節の勢いを生かせず(11.10.03)

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10月2日(日) 2011 J2リーグ戦 第30節
京都 0 - 2 水戸 (13:04/西京極/4,465人)
得点者:48' 吉原宏太(水戸)、55' 鈴木隆行(水戸)
スカパー!再放送 Ch181 10/3(月)後11:00〜
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西京極での第30節。水戸はゲームプラン通りの展開で京都を下し、今季、対京都2連勝を飾った。

京都は出場停止の安藤淳に代わり、センターバックに森下俊が入り、右に酒井隆介、左に内野貴志を配置。水戸は「前節、温存した」(柱谷哲二監督)鈴木隆行と吉原宏太の2トップで臨んだ。

試合は序盤からどちらのペースとも言えない状況を呈した。京都は前半からボール保持率を上げて攻め込むことが多いが今回はボールを失う場面も多く、攻撃の形が作れなかった。すると14分、ゴール正面で水戸につながれ吉原のシュートを許すと、京都は、水戸のシンプルな攻撃にやられ、そのまま押込まれるシーンを何度か作られる。
29分に、京都はCKから内野がヘディングシュートを放つも、前半終了間際43分、46分と鈴木隆にシュートに持ち込まれた。

後半、水戸は右サイドバックに鶴野太貴を投入。柱谷監督は試合後、「後半になったら必ず3バックは疲れてくる。ならば、しつこい様にそこを、サイドバックを絡めたサイド攻撃をすると必ず崩れる」とスカウティングによるゲームプランを明かしたが、このサイド攻撃が後半早々の48分、実を結ぶ。
水戸は、京都陣内深く押し込むと、こぼれ球に鶴野が反応。そのまま持ち込みクロスを上げると、そこにはマークを外しながらファーに流れた吉原。これを頭で合わせて水戸が、先制点を挙げる。
勢いづいた水戸は55分、GK本間幸司のクリアボールが右サイドに落ちると、その落下点をいち早くつかんだ小池純輝がトラップ一本でDFを振り切り、中央の鈴木隆へ。鈴木隆がこれを確実に押し込んで水戸、2−0とリードを広げる。

京都は再三の左サイドの攻撃に対し福村貴幸を投入、さらに、中村充孝をFWに入れ、ボールを落ち着かせ、反撃を試みる。対して水戸は「最後は、2−0になってカウンターを仕掛けるという狙いはあった」(柱谷監督)と、3連戦の疲労の蓄積を考慮に入れつつ、プランのはっきりした戦いに持ち込みゲームを締める。
結局、このままスコアは動かず、2−0で水戸が京都に堂々の勝利を収めた。

水戸は試合後、指揮官が語った様に、ゲームプランの遂行、そして、経験と決定力を持つFWの二人の活躍で、会心の勝利を収めた。

対して京都。大木武監督が試合後語った「球際の弱さ」と「勝つというよりも、自分たちがまず戦うといこと」という点で解釈してみたい。
前節の千葉、前々節の富山と素晴らしいゲームを展開した京都。元を辿ると、F東京に大敗し、その次の草津で3-1-4-2の布陣に変更、これがフィットし、3得点した。そこから始まる様に感じている。このフォーメーションは選手にもすんなりと受け入れられ、富山戦、千葉戦へと続いていく。
このフォーメーション変更で一番感じたのは守備時の動き方が整理されたことだった。それまでの3-1-3-3よりも、特にサイドで、守り方がスッキリした印象を与えた。動きが整理されて、さらに結果も得た。すると次に起こりそうなことは何か?悪い方向性の一つが、選手が「そこをなぞらえればゲームを展開できる」と流れてしまうことではないか。

大木監督のサッカーをキーワードで表すと「躍動感のあるサッカー」「90分主導権を握る」「ボールを中心にしたサッカー」などが挙げられる。そのため、フォーメーションで選手の動きを制限する様なことはしない。好例は、草津戦、富山戦の先制シーン。得点のクロスは伊藤優汰が「左」から入れたものだ。ボールを中心に、躍動感を持って、主導権を握れれば、人は自在に動けば良いということだろう。
だが、フォーメーションによって戦い方が整理されてくると、それに沿った戦い方をなぞらえる様になり、逆に「大木監督はサッカーをどういう風に表現したいか」という本質的なことが抜け落ちてくる可能性は出てくるだろう。それが、今節の試合の様に感じる。
人はフォーメーションに沿って動くが「球際が弱い」。一生懸命走って、サッカーを演じようとするが「まず戦うということ」が抜け落ちている。大木監督が試合後語ったことを興味深く聴かせてもらった。

チーム作りの中で、こうした「本質が優先か、細部が大事か」で戻ることは当たり前の様にある。「自分たちの形で守備を仕掛けていくことができなくて」(中村)、「ウチの長所でもある切り替えの速さ」(チョン ウヨン)と、選手らは自分たちのスタイルをしっかりと理解しており、今節の結果は大きな崩れはではないと感じている。ただ、ホーム3連戦初戦の敗戦でイメージが悪くなってしまったのは非常に惜しい。次は徳島、そして、札幌と好カードが続くのでこちらとしてもなんとか盛り上げたい。

最後に一つだけ、今節の守備陣の奮闘は高く評価したい。内野の積極的に前に行く守備は彼の長所が良く出ていた。酒井も積極的に攻撃参加し、持ち味が出ていた。森下も失点後に選手を集め、立て直しを図ろうとした姿も頼もしかった。チーム全体の魂の抜けた様な感じのあおりを受けて2失点してしまった、と捉えたい。

以上

2011.10.03 Reported by 武田賢宗
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