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【J1:第28節 甲府 vs 川崎F】レポート:降格の心配からほぼ解放された川崎F。敗れた甲府は『…』の理由を見つけることが出来ずに足踏み。(11.10.02)

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10月1日(土) 2011 J1リーグ戦 第28節
甲府 0 - 1 川崎F (13:04/中銀スタ/11,377人)
得点者:25' 小林悠(川崎F)
スカパー!再放送 Ch180 10/3(月)後01:00〜
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横浜FMがアウェイで新潟に勝っていれば胸のモヤモヤも胃腸薬で抑えることが出来たのだろうが、どうも総括することが難しい。内容が悪くないだけにどう評価していいのか分からない。シュート数が16対8で、「こんな試合もある」という言葉を選手から聞いても、そのままゴクリとは飲み込めない。でも、決められなかったことや失点に繋がったミスを責める気にもなれない。長いシーズンの途中にはこんな試合もあるのか…。

「やれるのか」、「やれないのか」。残留争いのグループを大きく出来るのか、出来ないのか。期待と不安で落ち着かない気持ちでキックオフからの展開を見ていたが、お互いにリスクを冒さない内容でスタート。しかし、13分に片桐淳至が身体を張ったキープをしてギリギリの縦パス。甲府はその流れからコーナーキック2連発を手にする。これは決まらなかったが、この頃から甲府が主導権を取る展開に。15分にはオフサイド見逃しにも見えたチャンスがハーフナーマイクにやってきたが、このシュートは決まらず帳尻が合って一件落着。4分後にはパウリーニョが左からミドルシュートを打つがこれも決まらず。そこそこ攻めているけれど、「もうすぐ決まるだろう」という気分にはならない不思議な時間帯だった。21分、味方がずっと攻めていて店番の時間が長かったGK・荒谷弘樹が川崎Fのパスの流れ球をペナルティエリア内でキャッチするつもりが僅かに外でキャッチしてハンド。両足がペナルティエリアの中にあっても外のボールを触ればハンドになることは当然知っていたが、あのまま流せば危なかったのでキャッチしてしまったようだ。本当は蹴ればよかった。「(自分のミスからの)FKが決まらなくて良かった」(荒谷)と安堵したものの、4分後に恐れていたことが起こる。

ボランチの山本英臣がボールを奪われ、右サイドでパスを3本繋がれ、4本目が左サイドの小林悠に渡ってドーンと決められて失点。川崎Fの喰いつかせて繋ぐ上手さと速さに対応できず、最後は空いた逆サイドを使われて思うツボでやられてしまう。山本のプレーはある程度ボールを持てていたので少し警戒心を欠いた面もあったかもしれないが、試合結果の責任を押し付けるようなミスではない。山本のボランチでのプレーは守備的なものからタメを伴う配給も出来る内容に進化していて、彼がミスを恐れてガチガチのプレーをするようになればチームの血管が詰まってしまう。同じミスを90分間で何回もやってしまっている訳ではないから、ミスをカバー出来なかったことの方が問題。ボランチのミスは決定的なミスになる可能性が高いからゼロにしたいが、ゼロにする代償を考えれば序盤のチャンスに決められなかったことも問題。

後半は甲府のラッシュで始まり、徐々にカウンター合戦になったがお互いに試合の流れを変えるゴールを決めることが出来ずに、15分後には落ち着いて1点勝負の雰囲気。中村憲剛が「甲府はポジションのバランスを崩して攻撃するしかないから、ウチはバランスを崩さずにそのボールを奪ってカウンターを狙えばよかった。(中6日のチームに対して)中2日でやれるサッカーをやった」という趣旨の話をしたが、それをさせた先制点の価値が甲府に圧し掛かる。甲府は63分にダヴィと市川大祐を投入して攻撃力を高めようとしたが、直前までベッドで寝ていたようなダヴィが川崎Fにとって怖いプレーをするまでに、20分以上も暖機運転が必要だった。市川も伝家の宝刀・クロスを上げるチャンスはほとんどなかった。最後のカード、養父雄仁は決定的な長いスルーパスを通したが、受けた吉田豊はワンチャンスを活かせなかった。その間、川崎Fは吉田のパスミスから決定機を作るが小林が外して止めを刺せなかった。リードされていると時間が早く進み焦りが加速するものだが、87分にダヴィが股抜きでパウリーニョに出したパスが甲府にとって最後のチャンスだった。川崎FのGK・杉山力裕のポジショニングと判断が良く、防がれてしまう。

川崎Fは開幕当初に目指していたサッカーをやり切れていないという思いがあるだろうが、8連敗を経てここ4試合は3勝1分(カップ戦含む)。少なくとも現状で勝ちきる形が見えたし、降格の心配をしなくてもいい状況にもなった。来年を見据えてどんなスタイルを目指すのかはわからないが、苦しんだ経験を活かさないと、見捨てることなく応援してくれたサポーターに報いることは出来ない。東日本大震災救援の募金活動やボランティア活動に対する川崎Fの継続性には敬意を持っているが、相馬直樹監督が目指すサッカーを継続するのか修正するのかにも注目したい。できれば、川崎Fと同じリーグで注目したいからホームで新潟戦(10/16)と大宮戦(11/3)が残っているので、「降格の心配がなくなった」なんて低いレベルのことで安心しないで勝って…ね。

川崎Fに0−1で敗れたことで前節の勝利が少し翳んだような気もするが、ここ3節を2勝1敗だと考えれば悲観するようなことはない。降格圏付近のチーム全部がここから急に勝ち始めることは考えにくいから、2〜3試合で15位との勝点差を最低でも1〜2ポイント詰めていけば最終節にビッグゲームをすることが出来る。
もちろん、4連勝でもして最終節前に残留を決めたいが、ライバルも必死。一喜一憂はしてしまうが、追い込まれても希望を持ち続けて戦うだけ。意見交換はしても内輪揉めはいらない。今は以前のような脆さやバラバラな内容から確実に脱却して、平成23年式甲府のスタイルがある。相手GKの自尊心をズタズタにし続けてきた『マイク・コルレオーネ・ハーフナー』と『パウリーニョ・コルレオーネ』の兄弟もカード3枚で踏みとどまっている。天皇杯を挟むので修正の時間もあるし、天皇杯ではチャンスが少なかった選手が起用されることもあるはずなので、チーム内の競争にも刺激が加わるはず。阿部ちゃん(吉朗)、小林久晃、石原克哉らケガ人も戻ってくるはず。
相変わらずセットプレーから点が入らないことが気になるが、今のスタイルで球際の厳しさや判断に迷った時に前を選択するという積極性を出し続けることが出来ればパフォーマンスが急に下がることは無い。G大阪に2回勝ったのだからC大阪にも自信を持って挑める。勝っても負けても次が大事。

以上

2011.10.02 Reported by 松尾潤
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