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【J2:第5節 鳥取 vs 草津】レポート:鳥取は立ち上がりの先制も実らず、またもホームで勝利を逃す。草津も後半のチャンスを逃し、勝点1を分け合うドローに(11.09.29)

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9月28日(水) 2011 J2リーグ戦 第5節
鳥取 1 - 1 草津 (19:03/とりスタ/1,787人)
得点者:9' 小井手翔太(鳥取)、51' 熊林親吾(草津)
スカパー!再放送 Ch185 9/29(木)後02:30〜
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試合終了のホイッスルが鳴ると、勝者なき決着を示すかのように、とりぎんバードスタジアムはしばらくの間、静まり返った。前回、アウェイで5−0と勝った草津相手に、6月19日以来となるホームでの勝利を目指した鳥取、大敗の借りを返そうと乗り込んできた草津とも、良い時間帯がありながらも最後の決め手を欠き、勝点1を分け合う形となった。

前回対戦( /jsgoal_archive/game/2011/20110200030120110718.html )では11分に鳥取が先制して主導権を握ったが、この日も立ち上がりに鳥取が先制点を奪う。右サイドから実信憲明が上げたセンタリングに住田貴彦が空中戦で競り合うと、ボールは相手DFに当たり、ポストプレーのような形になってゴール右のニアサイドへ。走り込んだ小井手翔太が、ほとんど角度のないところから右上スミに蹴り込み、早くも均衡を破った。
その後も鳥取は草津の攻撃を落ち着いてはね返し、追加点の機会をうかがう。ボールを奪った後、リスクを避けて後方に下げるシーンが多かったため、カウンターのチャンスを逃すこともあったが、リードしている状況を考えれば、決して悪くはなかった。9月4日の鳥栖戦( /jsgoal_archive/game/2011/20110200030320110904.html )では後半に3‐2と逆転した後、不用意にカウンターで攻め込んで、逆にカウンターで失点するなどして再逆転を許しており、反省を生かしたゲーム運びはできていたと言える。
だが、慎重にパスをつなぎながらゴールを目指す過程で、草津陣内に入った後のプレーが精度を欠き、なかなか良い形を作ることができない。鳥取の攻撃は、スローダウンさせられるとチャンスを作れなくなる課題を抱える一方、むやみにスピードアップしてミスが増え、相手にボールを渡してしまうことも多い。この日も、しっかりボールをキープして時間を作る、あるいは一度下げて組み立て直せばいいと思われる場面で、ワンツーやフリックで無理にボールを前に動かし、ミスとなって相手に渡してしまうことが多かった。松田岳夫監督が「前半の半ばくらいから、ポゼッションで上回ることができず、高い位置で起点を作ることができなかった。そこをうまく使えなかったことがゲームを崩した要因」と振り返ったのは、まさにこうした課題を露呈した結果だった。

ところが草津も前半は、そうした状況を生かすことができなかった。副島博志監督は「勝利への意欲を感じられないプレーが多く、どちらかというと消極的なプレーが非常に目立った。前回対戦での敗戦を受けて臨んでいるにもかかわらず、精神的な部分を表現できなかった」と語り、熊林親吾は「相手のほうが、サッカーをやる、ウチに勝とうという前に、自分たちが何かをやろう、違いを作ろう、そういうプレーをしていた。ウチはそれを受けていた」と振り返ったが、鳥取の守備対応の良さもあり、敵陣に入っても、すぐにつぶされてしまう。結局、前半のシュートはFKからの1本のみに終わった。

しかし、ハーフタイムに副島監督が送った「後半の立ち上がり、前線でプレッシャーをかけていこう」という指示が、早い時間に奏功する。鳥取のパスワークの乱れに乗じて主導権を奪うと、51分にはアレックスのポストプレーからゴール前で良い形を作り、最後は後藤涼のパスを受けた熊林が、ペナルティーエリア外からシュート。鳥取のGK小針清允と仙台で2年間プレーした経験から、「低くて強いシュートより、上から巻くシュートのほうが(入ると思った)」(熊林)と考え、右足インフロントで頭上を狙ったシュートは、クロスバーをかすめて鮮やかに決まった。

草津はさらに65分にも、セットプレーから続けて惜しいシュートを放つなど、逆転を狙って攻め込む。鳥取の攻撃のリズムが戻らないのを尻目に、その後も押し気味に進めると、79分には右からのセンタリングに合わせてペナルティーエリア内に飛び込んだ後藤が、後方からマークしていた鳥取の丁東浩にファウルを受けたとして、PKを獲得。しかし、左下スミを狙った松下裕樹のキックは、「先に動かないで、蹴られる瞬間に判断しようと思っていた」という小針に止められ、逆転のチャンスを逃した。
小針のPKストップで、とりぎんバードスタジアムは大いに盛り上がり、終盤は鳥取が反撃に転じた。しかし、88分の実信の直接FKはクロスバーの上へ。アディショナルタイムには左サイドを崩し、最後は小井手がネットを揺らしたものの、その小井手がオフサイドを取られてノーゴールとなり、結局1‐1の引き分けに終わった。

終盤にPKのチャンスがあったことを思えば、草津にとっては勝てなかったことが悔やまれる一戦で、副島監督も「前半は非常に入りが悪く、立ち上がりに失点したことは、まだまだ課題が残る」と指摘した。次節は鳥取から直接、熊本に移動してのアウェイ2連戦(10/1@熊本)。熊林は「前半の悪さを、どれだけ自分たちが感じているか。鳥取がやってきたことを、自分たちがやらなければいけない」と、熊本戦に生かすべき反省点について語った。
逆に鳥取は、逆転負けこそ免れたものの、またもホームで勝てず。さらに11試合連続での失点となったが、松田監督は「守備の課題も多々ありますけど、攻撃の部分で課題を多く感じたゲーム。前から(守備に)来る相手に対して優位に立てなかったのが一番の課題。気持ちの部分も含めて、2点目、3点目を奪えるプレーが必要になってくる」と、先制後の攻撃について言及している。
この日、終盤に交代出場した吉野智行が「(相手の)裏を取ることも大事だけど、単発。アクセントがあっての裏、というのがあまりなくて、ボールを持ちながら裏を取ることができていない」と語ったのは、まさにその通りで、先制し、ボールポゼッションを生かせる状況になったこの日も、良いリズムを保つことができなかった。鳥取にとっては、個々のプレー選択や、チーム全体での試合運びも含め、さまざまな状況に対応できる力をつけていかないと、思うように勝点を伸ばせないことを、あらためて感じさせられる試合となった。
 
以上


2011.09.29 Reported by 石倉利英
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