9月28日（水） 2011 J2リーグ戦 第5節
千葉 0 - 1 京都　（19:03／フクアリ／6,955人）
得点者：35' 久保裕也（京都）
スカパー！再放送 Ch185 9/29（木）後00:00〜
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前節（Ｊ２リーグ戦第29節）終了時は、千葉が４位で、京都が14位。そして、スタメン11人と試合メンバー18人の平均年齢はそれぞれ、千葉が28.55歳と27.50歳で、京都は22.55歳と22.61歳。単純に考えれば、千葉のほうが勝負強く、千葉の選手のほうがサッカー経験は豊富なはずだ。だが、サッカーはそんな単純なものではないし、今節の結果と内容はそれを如実に表わしていた。京都の若手選手のセンスとテクニックは、ベテランが多い千葉の選手の経験からくるプレーを上回った。今季から新監督が指揮する両チームだが、攻守のチーム戦術の成熟度、適材適所の選手起用という点でも、京都が上回っていた。

千葉は前節でＭＦファン　ゲッセルが負傷し、ＭＦ村井慎二が前日に負傷したこともあり、出場停止明けのＤＦマーク　ミリガンを千葉加入後は経験がないボランチで起用した。一方、京都は出場停止明けのＤＦ内野貴志がセンターバックのスタメンに復帰した。序盤はゴール前まで攻め込んでいた千葉だが、京都が前からボールホルダーにかけるプレスの圧力もあり、次第にパスがうまく回らなくなった。それには、負傷欠場中のＭＦ伊藤大介やＭＦ村井慎二のように、タメを作ってボールをさばける選手の不在も影響したように思われる。ファン　ゲッセルもそういうタイプではないが、マーク　ミリガンの付け焼刃的なボランチ起用、後半半ばからの深井のボランチの位置でのプレーは、それ以上に効果的ではなかった。試合後のドワイト監督によるとＤＦ山口慶のボランチ起用が無理ならば、筆者はゲームを作れるボランチのＭＦ藤田俊哉のスタメンが見てみたかった。

９月25日、そして今節の９月28日の連戦は富山、千葉とアウェイ続きだった京都だが、次第に動きの量と質でホーム連戦だった千葉を上回っていった。京都はダイレクトパスをテンポよく回しながら、ＦＷ久保裕也をはじめとする若手がテクニックを生かしたドリブルでの仕掛けも織り交ぜ、千葉の守備を崩しにかかる。それだけでなく、ＦＷ宮吉拓実がＭＦ内藤洋平のロングパスなどから、タイミングのよい飛び出しを何度も見せた。
それに対して千葉はパスの方向、長さ、スピードなどの細かい部分でミスが多く、前半は特に、せっかく上げたクロスも千葉の選手の手前にいる京都の選手に引っ掛かるのが目立った。守備でもミスが目立ち、35分の京都の得点は千葉のＤＦのクリアミスから。クリアミスを拾った宮吉がヘディングしたボールを、久保裕也が見事にゴール左隅へ決めた。

後半は、56分にＤＦ渡邊圭二とＦＷ青木孝太が入り、より攻撃的になった千葉がサイドを突いて京都を押し込む。だが、ゴール前のボールを的確に処理するＧＫ水谷雄一をはじめとする京都守備陣が、体を張って粘り強く千葉の攻撃をはね返す。千葉はピンチを再三防いだＧＫ岡本昌弘の奮闘で京都に追加点を許さないが、他の選手が岡本の頑張りに応えられない。千葉は、80分のＦＷ久保裕一の交代出場後はＣＫやＦＫも含め単純にゴール前にボールを入れる形が増え、それは京都守備陣には「予想していた通り」（水谷）だった。

前々節、前節と同様に後半は押し込まれる展開で、試合運びの課題は残ったままの京都。だが、千葉に19本ものシュートを打たれながら、それほど多くの決定機を作らせずに無失点に抑えたのは自信になるだろう。ボールを保持して攻めることで相手を押し返したい。

さまざまなところにミスが出たら、千葉が勝つのは難しい。フクダ電子アリーナでは今季初、そして昨季の10月31日のＪ２リーグ第32節・甲府戦以来となる敗戦の千葉だが、試合会場がどこであれ、今は勝ち続けていかなければ、Ｊ１昇格争いから脱落してしまう。ミスが生まれないように練習段階からあらゆることを見つめ直して、修正を図ってほしい。

以上


2011.09.29 Reported by 赤沼圭子