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愛媛は中3日でのホームゲーム、そして横浜FCにとっては中2日のアウェイとなる今節。週末のゲームも含めたこの連戦を皮切りに、天皇杯も始まる10月はハードスケジュールになる。シーズンもいよいよクライマックスを迎えるが、水曜のニンジニアスタジアムで対戦する両チームにとっては重要な一戦。愛媛は前回のホームF東京戦で大敗を喫し、前節の岐阜戦でもアディショナルタイムにPKで追いつかれて、まさかのドロー。2試合続けて後味の悪い結果になった。バルバリッチ監督はこの現状を「8試合で1敗という結果は安定しているとも言えるが、引き分けが多いことで順位は下がっている」と指摘する。思うように勝点を伸ばせずに下位に吸収されてしまいそうな愛媛にとって、今節必要となるのは勝点3。これに対して横浜FCも現在3連敗中、8月の快進撃から一転して停滞中。やはり必要なものは勝点3で、両者ともこの試合を転機にラストスパートで反転攻勢をかけたい。
ただ、両者にとって気がかりなことは、それぞれ出場停止の選手を抱えていること。愛媛は左サイドバックの前野貴徳が、横浜FCはFWカイオが出場停止となっている。まず、愛媛の方に触れると、前節も同じ状況で東浩史が代役を務めた。「しばらく試合に出ていなかったが、いいアクションから攻撃をして、いいシュートだった」とバルバリッチ監督は東のJ初ゴールを評価した。ただ、「最初の10分間で7〜8回、不用意にボールを失って勢いを無くした」と監督が続けたように、90分間を通じてチームが放ったシュートは東のその1本。ボールをつなぐことができず、全体を見ればサイドからの攻撃にも物足りなさを残した。前野も、そして怪我で離脱中の関根永悟も攻撃的なサイドバック。その両翼を欠いている今節は、特にサイド攻撃という点に注目すると左の東や右の高杉亮太がどれだけ愛媛の攻撃に幅を持たせられるかが横浜FC攻略のひとつの鍵を握る。
一方で横浜FCはチーム得点王のカイオを欠く。直近でカイオを欠いたのは9月3日の北九州戦。この時は藤田祥史と難波宏明のツートップだったが、前節は三浦知良がスタメンで出場、途中出場のフランサも存在感を見せた。それだけに、岸野靖之監督がどのような組み合わせでゲームに臨むのか注目したい。前々節の東京V戦の途中からのように、三浦とフランサという経験豊かなツートップの組み合わせも愛媛のディフェンスは手を焼くだろうし、何よりサッカーファンにとっては魅惑のツートップだ。しかし、むしろ横浜FCは失点をしないゲームの入り方に気を配る必要があるだろう。前節のF東京戦は3失点、その前の東京V戦では7失点。いずれも、先制点を許して立て直すことができないまま追加点を奪われ、ゲームを落としている。まずは失点をしないことが最優先だが、仮に失点をしてもそこから我慢ができなければ勝点を持ち帰ることは難しくなる。
ただ、両者のチーム状況を考えれば、9月11日に西が丘で両者がぶつかった時に似た状況になる可能性も大きい。その時はミスを最小限にしてボールをつなぎ、守備でも我慢を続けた愛媛が齋藤学のゴールを守り抜き、勝点3を得ている。愛媛にとっては、そのスタイルを再びホームで発揮できるか。そして、横浜FCはあの時と同じように走り勝ち、今度は隙を見せることなくゴールを奪えるか。どちらのチームが自らのスタイルを取り戻せるかという観点でも、やはり今節は両者にとって重要な一戦になる。
以上
2011.09.27 Reported by 近藤義博
