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前節（Ｊ２リーグ第29節北九州戦）はＤＦ竹内彬が先制点を取り、２試合連続で１−０のスコアで勝った千葉。ピンチがなかったわけではないが、試合後の選手が口々に語ったように前線から最終ラインまでの選手全員が体を張り、粘り強く守った結果の無失点だ。今節は累積警告で２試合出場停止だったＤＦマーク ミリガンが出場停止明け。彼が不在だった２試合で代わりにセンターバックでプレーしたＤＦ青木良太のパフォーマンスも悪くなかっただけに、ドワイト監督が誰をスタメンに起用するのか注目だ。
北九州はダイレクトパスを多用したパスワークでのビルドアップが特長だが、京都は北九州よりもドリブルで仕掛ける選手やディフェンスラインの背後に飛び出すのがうまい選手がスタメンに多い。前回対戦（８月27日の第26節）では、千葉がＦＫの場面で早いリスタートを狙ったがミスになり、オフサイドぎりぎりで飛び出した京都のＦＷ宮吉拓実に決勝ゴールを奪われた。千葉の４バックのラインコントロール、そして京都のパスの出し手への厳しいプレッシャーが重要だ。ドリブルでの仕掛けに対しては、１対１になってかわされないように２人で挟むようにアプローチできるポジショニングをとりたい。
京都は、第28節草津戦から３−５−２システムを採用。ＤＦのアライールと秋本倫孝、ＭＦチョン ウヨンが出場できないための苦肉の策だったが、結果的には奏功。２トップのＦＷの宮吉と久保裕也が効果的な動きを見せ、３−１（京都の得点者はＭＦ中山博貴、久保が２点）で勝利を収めた。続く第29節富山戦はチョン ウヨンがスタメン入り、アライールがベンチ入りしたが、システムは３−５−２のまま。19分にＭＦ伊藤優汰のクロスからＭＦ内藤洋平がファーサイドで見事なボレーシュートを決めて先制したが、その後は反撃する富山の圧力を受けた。押され気味の苦しい展開の中で、久保が京都の後半のシュート５本の全てを一人で打ったが、クロスバーに当たって外れるなど決めきれない。56分にこぼれ球を富山のＭＦ朝日大輔にダイレクトシュートされて失点し、その後もピンチが何度かあったものの富山の決定力不足に救われて、１−１の引き分けに終わった。
第28節と第29節は立ち上がりから好パフォーマンスを見せた京都だが、第29節は盛り返す時間帯があったものの、２試合とも後半には運動量が落ちて受け身になった。若手のタレントが多いため勢いで行けるうちはいいが、試合運びが一つのポイントになりそうだ。
試合運びがポイントになるのは千葉も同じ。第28節と第29節は追加点を取っていれば、もう少し楽な試合展開になったが、攻撃時のミスやシュートの精度不足で追加点を取りきれなかった。前節の終了後、「決定的なチャンスを作れていることを前向きに考えたい」と話す選手が多かっただけに、この好材料を確実に先制点、そして追加点奪取に結実させたい。京都が３バックならば、前節のようにサイドのスペースを突く攻撃が有効だ。
34分にオウンゴールで京都が先制したが、62分に千葉がＭＦ村井慎二の得点で追いつき、73分に京都が勝ち越しという前回対戦の展開、さらに両チームが試合運びに課題があることから、この一戦は後半の戦いぶりが勝敗を大きく左右しそうだ。平日の夜の試合の今節は、後半からの観戦だとチケットの当日料金が半額になる『後半割引』を実施。Ｊ１昇格を達成すべく一戦必勝で臨む千葉の選手を、後半からでも力強く後押ししてほしい。
以上
2011.09.27 Reported by 赤沼圭子
