スカパー！生中継 Ch184 後06:50〜
☆totoリーグ秋の大感謝祭☆開催中！
----------
前節の草津戦、試合終了５分前に同点に追いついた大分は、選手交代とポジションチェンジで活路を見いだした。「よく引き分けた。ただ、次の試合が大事」と田坂和昭監督は、好試合を演じた後の試合に重きを置く。「うちにとって楽な試合なんてない、勝つときも負けるときも。隙を見せればすぐにやられる。しかし、隙を見せなければ強いといわれるチームにも勝てる」と、“絶対的な強さ”を得ていないチームに一戦一戦を全力で戦うことを求めている。
今節の対戦相手の水戸は、震災による日程変更で約２週間前に対戦したばかり。試合には勝利したが、「自分たちのサッカーをさせてもらえなかった。あの試合で、多くのことを学ばせてもらった」と田坂監督。相手のサイドの選手が高い位置にポジションを取り、その選手に引っ張られるようにウィングバックの選手が最終ラインに吸収された。５バックになり、中盤の広大なスペースを自由に使われ防戦一方となった試合を振り返り、３バックの横のスペース弱点克服に努めた。導き出した答えのひとつが、サイドを制圧して相手を押し込むという攻撃的な考え。「自分たちのサッカーを貫く」田坂監督らしさ溢れるチャレンジだった。水戸戦以降の２試合は結果こそ出てないが、試合内容は充実したものだった。
試合内容の手応えという観点で見れば、８試合勝利から見放されているとはいえ水戸も同じ。柱谷哲二監督の意図を選手が理解し、忠実に再現している。前線の鈴木隆行が起点となり、後ろからの押し上げを促し、重厚なサイド攻撃を繰り出している。
前節の岡山戦では4−5−1から4−1−4−1にシステムを変更しても戦い方は変らず、特に岡山の3バックの横のスペースを狙ったサイド攻撃の威力は抜群だったが、田坂監督は「ポイントは村田（翔）」と長短のパスを散らしたアンカーを警戒している。そして、「テツさん（柱谷監督）の負けず嫌いは知っている。同じ相手に二度負けるなんて許されないだろう。でも僕も負けず嫌いでは負けない。前回の試合は勝ったけど内容が伴わなかったんで。しかもホームだし負けるわけにはいかない」とも。
現役時代は幾度となく対戦し、日本代表でともにプレーした両監督が、どのようなプランで再戦に向けチームを仕上げてくるのか、見ものである。
前回の対戦後、柱谷監督は「もっと遊び心が必要」という言葉でチームの現状を表した。あくまで戦術はベースであり、型にはまるだけでなく、機を見て型から飛び出す勇気を持たなければ、壁は乗り越えられないということだ。
その言葉は大分にも当てはまり、確実に敵陣までボールを運びながら点を取れない。最後の局面を崩し切れない課題がある。
サッカーは創造力のスポーツである。軽快なドリブル、鋭いパス、度肝を抜くスーパーゴールに観客は魅了される。「あのプレーを見た！」といえるような、いつ起こるかわからない歴史的場面に遭遇するのが試合観戦の醍醐味である。遊び心がふんだんに散りばめられたプレーに期待したい。
以上
2011.09.27 Reported by 柚野真也
