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【J1:第27節 柏 vs 大宮】レポート:ラファエルと東慶悟の躍動で大宮が会心の勝利。らしからぬ“守備意識希薄”の柏は首位へ躍り出るチャンスを逃す。(11.09.26)

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9月25日(日) 2011 J1リーグ戦 第27節
柏 1 - 3 大宮 (15:04//10,875人)
得点者:5' ラファエル(大宮)、56' ラファエル(大宮)、63' レアンドロドミンゲス(柏)、77' 青木拓矢(大宮)
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いつもと違う。そう感じたのは前半開始早々の2分過ぎだ。茨田陽生のパスをインターセプトした杉山新から東慶悟、ラファエルとつなぎ、大宮がカウンターを仕掛けた場面である。大宮が守備に重きを置き、カウンター主体で来ることは戦前から予想できていたことなのだが、入念に準備していたはずの大宮のカウンターに対する柏の切り替えの遅さが目を引いた。この時はラファエルのクロスが流れて事なきを得たが、その2分後にも同様のカウンターを受け、そこで大宮が得たコーナーキックだった。ニアで金英權が後方へすらし、フリーのラファエルが的確に沈める。「トレーニングでやっている良い形」(鈴木淳監督)で5分に大宮が先制した。

酒井宏樹は「先制されて焦ってしまった。冷静じゃなかった」と前半の不出来を振り返っているが、試合開始直後から目立っていたバランス悪さと切り替えの遅さが、先制されてさらに悪い方へ傾いたと言った方が適切か。酒井、橋本和の両サイドバックが同時に高い位置を取り、前線とボランチの間、ボランチと最終ラインの間も開いて至る所にスペースを生み出してしまう。選手同士の距離間が悪いため本来のパスワークも出せず、必然的に後方からロングフィードを送る単調な攻撃ばかりが増えた。そんな前半を回顧したネルシーニョ監督も「攻め急いでしまった」と嘆いた。

大宮から見れば、柏の攻撃には怖さを感じなかっただろう。統率された大宮の陣形は巧みにスペースを消し、プレスが連動しているため効果的なボールを入れさせなかった。長いボールを蹴り込んできたとしても、しっかり前を向いた守備ができている大宮DFはただ弾き返せばよいだけである。そしてボールを奪った後はラファエルと東、キープ力のある2人がゾーンの間でボールを受け、彼らが起点となって切れ味鋭いカウンターを繰り出す。
したがってネルシーニョ監督も早々と手を打つしかない。北嶋秀朗、大谷秀和を後半開始と同時に投入し、戦術的にもパスとムービングの質やマーキングなど攻守両面で修正を施した。

56分、そんな柏を嘲笑うかのように一瞬の隙を突いた大宮が加点する。金英權のフィードをラファエルが絶妙な落としで東へ送った。ゴール前は東、ラファエル、金久保順の3枚に対し、柏はパク・ドンヒョクの1枚と、この時点でゴールの雰囲気は十分すぎるほど漂っていた。様々な選択肢がある中から東は「深く入りすぎて撃つのが難しかったので」とヒールキックでラファエルへリターン。完璧な崩し。ラファエルがゴール右へ綺麗に押し込み、大宮が2−0とリードを広げた。

この後、柏がようやく盛り返す。61分の水野晃樹投入で、レアンドロ ドミンゲス以外にもうひとつボールの収まりどころができたことで攻撃が活性化され、パス回しがスムーズになった。63分には水野のアシストからレアンドロ ドミンゲスが決めて2−1とした。水野の絡む左サイドはなおも起点となり、68分にはその左サイドからボールを引き出した茨田が大宮DFラインの背後へ抜け出した北嶋へスルーパスを送ると、金英權が北嶋を引き倒し柏にPKが与えられる。ところが2010年の柏加入以来、これまで全てのPKを決めてきたレアンドロ ドミンゲスのキックを「飛ぶ方向を決めてフェイクを入れた。自分の間合いに持っていけたのが大きかった」と、駆け引きで上回ったGK北野貴之が渾身のセーブでストップする。

このPKが決まっていれば2−2となり、川崎F戦、名古屋戦の如し劇的すぎる逆転劇が再現されていたのではないか……という見方は否定しない。確かにレアンドロ ドミンゲスのPK失敗は勝敗を大きく左右したプレーだったに違いないが、試合そのものの敗因を挙げるのであればそこではなく、前半の立ち上がりから見られたチーム全体の守備意識の希薄さにこそ致命的な問題がある。

前日に優勝を争うライバルチームが敗れ、今日勝てば首位へ躍り出るという意識が空回りしたのか。それとも優勝争いの重圧か、連勝中ゆえに心のどこかに慢心が生じたのか。いずれにせよ、普段とは異なる心理状況が選手たちに働き、柏らしさをかき消してしまったように思える。「今日の教訓を忘れずに」とはネルシーニョ監督の弁だが、今後7試合も想定外にパフォーマンスを狂わすプラスアルファの要素が働くかもしれない。柏にはそれを跳ね除ける強いメンタリティー、または試合中での修正力が大きく問われることになる。

一方の大宮は、77分にカウンターから追加点を挙げて3−1としたが、ここでもチームの連動性と青木へ出した東のダイレクトパスは見事だった。ゾーンディフェンスを敷く柏のセットプレーの急所を的確に突いて先制点し、リードを奪った後は守備組織を構築してカウンターを狙うというゲームプランを遂行した戦術的な部分もさることながら、大宮の選手1人1人が持つ残留への強い気持ちが、まるで地に足の着かない状態にあった柏の選手を凌駕した格好となり、順当とも言える勝利を収めた。リーグ終盤、やはりここからの大宮は強い。

以上

2011.09.26 Reported by 鈴木潤
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