9月24日(土) 2011 J1リーグ戦 第27節
横浜FM 1 - 3 仙台 (15:04/日産ス/23,204人)
得点者:3' 小林祐三(横浜FM)、10' 角田誠(仙台)、12' 柳沢敦(仙台)、55' 赤嶺真吾(仙台)
スカパー!再放送 Ch182 9/25(日)後10:00〜
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「ベガルタ仙台、ゴーッ! 行くぞ仙台〜、俺たちとともにレディゴー♪」
試合後、仙台ゴール裏からチャントの大合唱が鳴り響く。記者席はメインスタンドのアウェイゴール裏寄りに設けられていることもあり、その迫力に圧倒される。これだけ耳に余韻として残るアウェイチームのチャントを聞いたのは、久しぶりのように思う。そしてチャントに合わせ、鎌田次郎がタオル(シャツ?)をぐるぐる回すなど、選手たちも大盛り上がり。横浜FMを下し、リーグ戦4連勝。試合後の“一体感”からも好調ぶりが見てとれた。
一方、横浜F・マリノスの選手たちは肩を落として歩き、淡々とスタンドへ挨拶。ゴールスタンド裏全体からではないが、ブーイングも浴びてしまう。挨拶を終えると、先頭を歩いていた中澤佑二は仙台ゴール裏を遠くに眺めながら、険しい表情でピッチから引き揚げた。
試合の序盤に、ゲーム終了後の情景の違いが、まさかこれほどクッキリと出るとは、誰も予想しなかったのではないか。特にトリコロールの選手たちは…。
開始3分、幸先良く先制したのは横浜FMだ。谷口博之が力強く中盤でボール奪取すると、小野裕二とのパス交換から右サイドをオーバーラップし、クロス。その先に走り込んだ右DF小林祐三が受け、トラップで一人かわしてシュート。ボールは相手GKの手を弾きながら、ゴールに転がり込む。
しかしながら、「狙いどおりに右サイドを崩せたのはよかったが、ちょっとした油断、スキを突かれてやられました」(木村和司監督)。“魔の2分間”が訪れたのだ。
10分、右サイドのスローインから展開され、最後は角田誠に渾身のミドルを叩き込まれる。次は2分後、ピッチ中央でFKを得た仙台の速いリスタートから、梁勇基に左サイドをフリーで突破される。
「柳沢(敦)さんがニアに入ってくるのが見えたので、足だったら、ちょっと角度的に無理かなと思ったので、頭に合わせにいきました」
梁が余裕をもって上げたクロスを、柳沢が中澤の鼻先でピンポイントヘッド。ゴール右隅へ流し入れ、移籍後初ゴールを挙げた。
横浜FMは前節のガンバ大阪戦でも、スローインからチャンスをつくられ、失点している。リスタートの際、なぜか集中力を欠き、エアポケットの状態に陥り、失点を献上するという嫌な傾向が続く。無論、それは覇権を狙うチームであれば許されないこと。ボランチ小椋祥平が欠場したが、それは言いわけにならない。久々に芽生えた優勝への萌芽を枯れさせないためにも、“闘う”原点回帰が必要だ。
一方、仙台は上手くリトリートして、相手に攻め入るスキをなかなか与えない。最終ラインのFWへのタイトなマークも、横浜FM攻撃陣を黙らせた一因と言える。
55分には、赤嶺真吾がリーグ5戦連続ゴールを決め、2点をリード。その後も守備を軸に置きながら、68分に太田吉彰、83分にディエゴを投入して逆襲一発を狙い、何度も好機を演出。最後まで危なげなく試合を終わらせた。
会見で手倉森誠監督は「何とか被災地・東北のために優勝争いを続けて、希望の光になれればいいなと思っています」と胸を張る。リーグ戦開幕12試合不敗を続けた頃の勢いが、今の仙台にはある!
以上
2011.09.25 Reported by 小林智明(インサイド)
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