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【J1:第26節 広島 vs 磐田】プレビュー:大逆転負けなど関係ない。攻めて、攻めて、攻めまくるのみ。広島の血液である攻撃サッカーが磐田の堅守とぶつかりあう。(11.09.16)

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9月17日(土)J1 第26節 広島 vs 磐田(19:00KICK OFF/広島ビチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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「大人のサッカー」。昨年、選手たちの多くがそんな言葉を口にしていた頃、なんともいえない違和感を感じていた。だが、結果を出していたこともあり、「きっとその違和感が間違っているんだろう」と感じた。今季、G大阪戦で打ち合い負け、C大阪戦で歴史に残る逆転負けを喫した後も、「大人のサッカーができていない」ということなのだろう、と思った。

どんな状況でも落ち着き、冷静に、相手の弱みを把握してそこをつき、バランスを崩さずに勝利をもぎとる。「いい守備がいい攻撃につながる」という言葉が闊歩し、「我慢」という言葉が金科玉条のような扱いを受けていた。「広島には似合わないな」と思いつつも、それが栄光をつかみとるためには大切なんだろう。そう信じていた。

だけど広島らしさとは何か、と考えた時、「我慢」が一番にくるのだろうか。C大阪戦は、我慢が足りなかったから失点した。だが負けたのは、それが第一義なのか。ペトロヴィッチ監督は言い放った。「点をとれなかったから、負けた」と。広島が4点、C大阪が5点。その差が敗因だ、と。たとえば、3−1になった後に迎えた決定機を決めていれば4−1となり、C大阪の勢いは削がれただろう。点を取られても取り返していけば、その都度相手の気持ちが折れてくる。

佐藤寿人は「6点とって勝てるチャンスはあった。敗戦したショックはゼロではないけれど、4点とったしポジティブな部分もある」。李忠成も「一時のどん底は脱している。楽しいサッカーを見せてゴールしないと、面白くないでしょ」と言い切った。守備陣の中心となる森崎和幸も「相手に攻めさせず、自分たちが主導権を握って、より多く点をとって勝てばいい」と攻撃に尽力するコンセプトを言葉にした。

思い出すのは、昨年11月3日、今節の対戦相手である磐田とのヤマザキナビスコカップ決勝。延長戦で2点を勝ち越されても諦めず、前に前にと突き進んだ姿勢だ。時間がなくなってもパワープレーに頼らず、自分たちのコンビネーションサッカーを貫き、何度もビッグチャンスをつくった。その姿勢が感動と称賛を生んだのである。
「磐田は、Jリーグの中でもトップクラスの組織的守備を誇る。そして、駒野友一はトップコンディションにあり、前田遼一も復活してきた。難しい試合になることは間違いない」とペトロヴィッチ監督は警戒する。また水本裕貴は「コマ(駒野)さんからのクロスが攻撃の起点になるけれど、それをゼロにすることは難しい。中にボールが入ってきてもしっかりと身体をぶつけて、100%で跳ね返せるようにしないと」と語る。もちろん、広島キラー・前田遼一の存在。昨年も公式戦3試合全てでゴールを許し5失点。今季のアウェイ決戦では何とかゴールを許さなかったものの、何度もチャンスを創られてしまった。前節、負傷から復帰したサックスプルーの大エースはさっそくゴールもゲット。ヤマザキナビスコカップのメンバーからもはずれ、駒野と共に体調万全で広島にやってくる気配だ。DF藤田義明が累積警告で出場停止だが、ヤマザキナビスコカップでは怪我から戻ってきた古賀正紘が出場。経験のある頼もしいDFの存在が、磐田に重しを与えるだろう。

ただ佐藤をはじめ、選手たちは誰もがこう語る。
「相手は関係ない。自分たちがしっかりとサッカーするだけだ」
そう、広島は相手の弱点を鋭くつくようなやり方ではない。自分たちの攻撃的なサッカーを、どれだけ表現するか。考えるべきことは、そこだけのはずだ。我慢も必要だろう。バランスも大切だ。だが、どんな強豪を相手にしても自分たちで主体的に攻撃を組み立て、コンビネーションを駆使して得点を狙いにいくだけ。1点とったら2点、2点とったら3点とる。ひたすら、攻めて、攻めて、攻めまくるのみのサッカーが広島だ。「大人のサッカー」なんて、このチームには似合わない。
「C大阪を相手に逆転負けしたからといって、守備を固めることなどしない。いや、今までよりも一層、攻撃的にいきたいと思う。広島では、DFとしてずっと育ってきた選手は水本しかいないが、彼を残してあとは全員で攻撃してもいい」
ペトロヴィッチ監督は、大逆転負けを受けてなお、「さらなる攻撃サッカー」を宣言した。その言葉を受けた李忠成は「よし、それをやってしまいましょう」と強い意欲を口にした。彼らの想いが現実になれば、明日の広島ビッグアーチは、やんちゃでひたむきで、創造的かつ頭脳的な攻撃が満載の美しいサッカーに満ちた、エンタテイメント性抜群の劇場と化すだろう。

以上

2011.09.16 Reported by 中野和也
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