9月14日(水) 2011 ヤマザキナビスコカップ
仙台 0 - 0 磐田 (19:00/ユアスタ/7,360人)
☆ヤマザキナビスコカップ特集ページ
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フットボールという競技の最大の興奮がゴールシーンにあるというのならば、スコアレスドローの試合はどこに見どころを見出すべきか。みなさんならどう考えるだろうか。
Jリーグヤマザキナビスコカップ2回戦第1戦は、仙台と磐田、両チームとも「固い」展開に終始した。もともと中央の守備をしっかり固める両チームだが、この日は特にバランスを崩さずにボールを回し、ビルドアップのところでミスが出たところでカウンターをしかけ合う展開が続いた。仙台は角田誠と富田晋伍、磐田は小林裕紀とロドリゴ ソウトのボランチ達が素早い帰陣でセンターバックの前にしっかり壁を作る一方で、お互いにボランチがボールを持ったところでプレッシャーを強め、パスミスを誘ったり足下からボールを奪い取ったり、というかたちが特に多かった。「似たような試合運びをしてしまったかな」と角田が振り返ったように、「まずはゴールを奪われないこと」を意識していたことが色濃く表れた90分だった。
今年のJリーグヤマザキナビスコカップでは、東日本大震災の影響による日程変更で、ホーム&アウェイで戦われるのは2回戦が最後となった。2戦トータルでのゴールを巡る駆け引きもこれが最後なのだが、今回アウェイゴールをより意識していたのは仙台のほうだった。だからこそ「まずは先に失点しないことをチームとして確認していた」(松下年宏)と、アウェイゴールを警戒。相手の守備ブロックがばらけた隙にカウンターやミドルシュートを見せたものの、従来よりもリスクを冒す場面はこの試合では見られなかった。
ゴールへの意識以外では、先発メンバーにも駆け引きは表れていた。仙台は田村直也、磐田は加賀健一を出場停止で欠いていたほかに、選手の消耗もそれぞれ意識していた。前後の週末にリーグ戦の試合が設定されているなかで、仙台は梁勇基、磐田は前田遼一を休ませたように、両チームとも先発を入れ替えている。仙台の朴柱成がサイドの守備で体を張り、磐田の古賀正紘が仙台のロングボールをはね返し…と、チャンスを得た選手達が守備で多くの見せ場を作った一方で、攻撃面ではコンビネーションによる大胆な攻撃はどちらのチームもなかなか生み出せずに終わった。
以上を踏まえ、両チームの守備を注視して考えれば、いろいろと見せ場の多い0-0だったといえる。両指揮官が「アウェイゴールを許さないという最低限のことはやれた」(仙台・手倉森誠監督)「見ていて安定していたゲーム」(磐田・柳下正明監督)と一定の手ごたえを得ていたのもそのためだ。しかし大きな見せ場を作れなかった攻撃面も考えれば「可もなく不可もない試合」(手倉森監督)ということもまた、事実だ。
9月28日に磐田のホーム・ヤマハで迎える第2戦は、この日とは逆に双方とも攻撃面での見せ場が増える戦いになるのではないだろうか。次のラウンドに進むには、1点を取りに行くしかない試合。だがこの日にアウェイゴールを奪われなかった仙台にしてみれば、今度は自分達がアウェイゴールを取って負けなければいいわけで「1点を取れば焦るのは相手のほう」(角田)と、心理的な優位性を認識している。
2戦目を終えて「あのとき0-0で良かった」と振り返れるのは、どちらのチームだろうか。
以上
2011.09.15 Reported by 板垣晴朗
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