9月11日(日) 2011 J2リーグ戦 第27節
横浜FC 0 - 1 愛媛 (18:04/西が丘/2,731人)
得点者:73' 齋藤学(愛媛)
スカパー!再放送 Ch185 9/12(月)後01:30〜
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サッカーは、お互いのサッカーのスタイルを持ち、そのスタイルに土台にしてゲームプランを立てて試合に臨む。ゲームプランの中心は、自らのスタイルを最大限出せるように、相手のスタイルを出させないようにすること。横浜FCは運動量を生かした守備とパスワークによる攻撃、愛媛は堅守速攻と、ともにスタイルが確立され、その結果としてここ数試合負けがなかっただけに、スタイルがぶつかり合う好ゲームが期待された。試合を通じて振り返れば、横浜FC、愛媛の両チームとも狙いとしたサッカーを表現する時間を持てていた試合だったが、両チームを比較して、その狙いを90分通して表現できていたのは愛媛の方であり、その徹底の差が結果に反映された試合となった。
前半は、お互いに攻撃で特徴を出し合う展開となる。横浜FCは、藤田祥史へクサビのパスを入れてからの連動が機能し、好調の左サイドの野崎陽介、宮崎智彦を中心に攻め立てる。対する愛媛は、ジョジマールをファーストターゲットとしてボールを入れて、その回りに福田健二、齋藤学が非常に良い距離感でサポートすることで、攻撃の起点を作るシンプルな攻撃を見せる。その狙いは、お互いのバイタルエリアを利用するという点で、お互いにその狙いは効果を発揮する。愛媛の攻撃時には、齋藤が中に入ることで、ジョジマールへのアタックが遅れて何度も攻撃の起点を作ることに成功。それに対応するために、横浜FCも高地系治、佐藤謙介がポジションを調整しながら対応を図る、さらに愛媛も齋藤と大山俊輔もポジションを変えるなど、細かな駆け引きが行われる。一方で、横浜FCが攻撃になると、多くの選手が高い運動量をベースにパスコースを作り、バイタルエリアにフリーでボールを持つ選手を作り出す。しかし、一方でお互いの粘り強い守備もあり、決定的なチャンスはそれほどできず、横浜FCは33分カイオが放ったフリーでのヘディングシュート、愛媛の36分の福田のシュートぐらい。「愛媛を分析した時にチャンスをあまり作らせないチーム。ああいうチームに関しては先に取らないと」(横浜FC・岸野靖之監督)と悔やんだが、横浜FCは攻撃のリズムがあった前半に点を取ることができなかった。
そして、試合はハーフタイムを挟んで大きく変化する。愛媛・バルバリッチ監督が横浜FCのパスワークを封じるべく、「サイドハーフの2人はラインをもう少し下げること。FW2人から相手のDFのパスコースを消していこう」と、藤田祥へのクサビのパスを出させないようにすること、クサビのパスを落としたところに対して先手を取れるポジションを取ることを徹底。チームの守備の方法としては、待ち構えてカウンターを仕掛ける形となるが、この指示が功を奏し横浜FCのパスワークは封じられていく。攻撃のリズムを失い、リズムを取り戻そうとするも間延びする展開となり、愛媛のカウンターが続く。そして、73分、愛媛としては狙い通りのゴールをもぎ取ることとなる。荒堀謙次のパスをカットすると、そのボールが齋藤に渡る。齋藤は鋭いドリブルで横浜FCのDF陣を置き去りにすると、キーパーの動きをも冷静に見たループ気味のゴールを決める。この一瞬の切れ味鋭いゴールで愛媛がリードすると、自慢の堅守が横浜FCの前に立ちはだかる。横浜FCはエデル、西田剛を投入するも、新たな攻め手を見いだすことなく0-1の敗戦を喫することとなった。
試合後の監督記者会見は、この試合の流れを正直に表していた。岸野監督が「もともと守備的なチームなので、先に点を取らせると厳しい」という見立ては、横浜FCが勝つための数少ない道筋を如実に表していた。しかし、それを仕留めることができなかった。逆にバルバリッチ監督が「試合を通して我慢強くプレーすることができた」と振り返るように、数少ない相手の勝ち方を封じることに成功し、「相手がビルドアップの時に3枚にしてきたので、それに対してフォワードが2人間に立って守って、もう1人落ちてくる人がいるんですが、そこをケアしよう」という指示でカウンター攻撃への形を示し、齋藤という武器を生かす環境作りに徹した。試合は、その筋書きに嵌るような展開となった。
高地が「(負けていなかった)前の6試合に比べて、内容は落ちている感じはした。もっとレベルを上げないと。まだ4試合(勝点12)差だし、諦めることはない」という語るように、前半のリズムでゴールをもぎ取るチームにならないといけない。まさに岸野監督が力を込めるように「ばたばた騒いでも意味がない」。このような試合でもスタイルを変えずに勝ちきれるようになることで、ようやく昇格を口に値するチームになる。どちらに転んでもいいゲームをモノにする厳しさを取り戻せるか。この試合の教訓を次の試合に生かせるかどうかが問われることは間違いない。
以上
2011.09.12 Reported by 松尾真一郎
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