9月11日(日) 2011 J2リーグ戦 第27節
水戸 0 - 2 大分 (18:04/Ksスタ/3,017人)
得点者:10' 三平和司(大分)、63' チェジョンハン(大分)
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またしても、という感じか。
シュート数15本対6本という数字が示すように、水戸が終始ゲームの主導権を握る展開であった。「今日は自分たちのサッカーをさせてもらえなかった。水戸にサイドを変えられたり、長いボールをうまく使われてしまった」と田坂和昭監督が言えば、2点を演出した宮沢正史も「水戸は素晴らしいサッカーをしていた」と水戸のサッカーを称えるほど、水戸は内容の濃いサッカーを展開したのであった。だが、“またしても”勝利を手にすることはできなかった。
序盤こそ大分の素早い攻守の切り替えからの激しいプレスに水戸は戸惑いを見せるものの、徐々に慣れていくと、西岡謙太と塩谷司のダブルボランチが効果的なサイドチェンジを繰り出し、水戸が主導権を握り出す。その矢先であった。10分、中央でのFKを宮沢が、水戸守備陣がポジションに着く前に素早くチップキック。DF裏に走り込んだ三平和司に技ありボレーでゴールに流し込み、大分が先制点を挙げる。
その後は圧倒的な水戸ペース。前線の鈴木隆行が起点となり、2列目の選手が絡んで厚みのある攻撃を繰り出していく。特に「3バックの横のスペースを狙った」(柱谷監督)サイド攻撃の威力は抜群だった。14分には左サイドで西岡からのスルーパスを受けた小幡純平がペナルティエリアに侵入し、15分には右サイドから小池純輝が鋭い突破からセンタリングを上げ、立て続けに大分ゴールを襲った。そして45分、ペナルティエリア内左でボールを受けた鈴木隆がドリブル突破。重戦車のごとく相手DFを吹き飛ばしながらシュートを放つも、相手GKにかろうじてはじき出され、ゴールを決めることはできなかった。
後半に入っても水戸の猛攻が続いた。55分、左サイドに流れた鈴木隆からのクロスを小池がヘッドで合わせるもGKがセーブ。56分、鈴木隆のポストプレーからボールを受けた保崎淳がシュートを放つがDFが体を投げ出してブロック。さらに58分には鈴木隆からクサビのパスを受けた小池が右サイド岡田佑樹にスルーパス。フリーでクロスを上げるが、ゴール前のDFに跳ね返されてしまう。水戸が一方的にサイドから攻め続け、「(ゴールは)間もなくかなと思った」(柱谷監督)、“またしても”その矢先であった。
63分、カウンターから左サイドでボールを受けたチェ・ジョンハンが中に切り込んでミドルシュート。鋭い弾道がゴール右隅に突き刺さり、大分が値千金の追加点を挙げたのだ。後半に入ってはじめてのチャンスを決めた大分。2点のリードを得たことでさらに大分には余裕が、水戸には焦りが、生じることとなった。
割り切ってゴール前を固めて守る大分に対して、水戸は攻め急いで中央にばかりボールを集める単調な攻撃となってしまった。それまで効果的だったサイド攻撃が影を潜めたため、大分のDFに跳ね返される繰り返し。攻めようという意識はあるものの、徐々にチャンスらしいチャンスを作れなくなり、2点差のまま試合は終了することとなった。「押して押していい状態のところでカウンターで一発やられる。大分さんの狙い通りの試合だったんじゃないかな」と柱谷監督は悔しさをかみ殺しながら語った。
紙一重の勝負で負ける試合が続いている。「力不足です。もっと練習から質にこだわらないといけない」と話すキャプテンの西岡をはじめ、選手たちは危機感を募らせている。以前から続く“ほんのちょっと”の壁は“ほんのちょっと”のようでかなり分厚い。苦しみの中で選手たちはもがいている。
ただ、この苦しみは昨年までは味わえなかったものだ。「毎試合これだけギリギリの勝負ができるということは昨年はなかった。試合を支配するまではできている。そこから先手を取ってコントロールする力がない」と西岡が語るように、どの試合でもゲームを支配することができているからこそ、紙一重の戦いを続けることができているのだ。
悔しい試合が続いている。だが、水戸の視線の先にあるのは“そこそこ勝てるチーム”ではない。“勝ち続けるチーム”である。今は“本物の強さ”を熟成している最中なのだ。想像以上に壁は高い。毎試合同じような負け方をしているのも事実。しかし、今まで下位に低迷し続けてきた水戸が、世の中をアッと驚かすためにも痛みを伴うのは致し方ないこと。間違いなく夜明けは近い。光が差し込んだ時、我々は今までに見たことのない水戸の姿を目にすることだろう。だからこそ、監督を、そして、選手を、今は信じよう。悔しさが大いなる希望に変わる日が必ず来るはずだ。
大分にとって、「非常に厳しい試合になると思っていた」と田坂監督の言う通りの展開となった。水戸にゲームを支配されたことだけでなく、アウェイ3連戦の3戦目という日程的なハンデもチームを苦しめた。「自分たちのサッカーをほとんどできなかった」(田坂監督)ものの、それでも粘り強く戦って勝点3を獲得することができたのはチームの成長と言えるだろう。特に前節富山戦で終了間際にゴールを決められて負けているだけに、「選手たちは意地を出してくれた。全員で守れた試合だった」と田坂監督は選手たちの健闘を称えた。
若い選手が多い大分もチームのベースを作っている最中。だが、こうした苦しい試合を勝利につなげることで選手たちは自信を抱き、地力をつけていくことができるだろう。この勝利で9位に浮上。このまま勝ち進んで、上位に進出できるか。次節約1カ月ぶりのホームゲームに向け、「自分たちのサッカーをして勝利を手にしたい」と宮沢は力を込めた。
以上
2011.09.12 Reported by 佐藤拓也
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