9月10日(土) 2011 J2リーグ戦 第27節
F東京 6 - 1 京都 (18:34/味スタ/15,517人)
得点者:11' 宮吉拓実(京都)、31' ルーカス(F東京)、36' 椋原健太(F東京)、47' 森重真人(F東京)、57' ルーカス(F東京)、85' ルーカス(F東京)、90'+3 坂田大輔(F東京)
スカパー!再放送 Ch182 9/11(日)深02:30〜
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F東京が突き抜けた。10日、味の素スタジアムで京都と対戦し、6−1で圧勝した。3試合勝ちなしからの今季初の逆転勝利。DF椋原健太がプロ初の左サイドバックで、プロ初ゴールを決めた。そして、ルーカスがF東京では、あのヤマザキナビスコカップ準決勝のダービー以来となる復帰後初のハットトリック。初物尽くしの味スタは、スペクタクルな夜に彩られた。
開始からの20分間、京都のサッカーは、素晴らしい距離感で展開されていた。一人ひとりの距離が近く、攻防一体のサッカーはまさに大木サッカーの真骨頂と呼べるものだった。京都は11分に、先制点を挙げた。前線からのプレスでサイドに追い込むと、DF森下俊がF東京MF谷澤達也からボールを奪い取った。これにあわせてFW宮吉拓実が飛び出し、パスを受け取ると、ゴールネットを揺らした。ゲームプランどおりのこれ以上ない形だった。しかし、この日は彼らの夜にはならなかった。
「少し広がってしまった」と、大木武監督は唇を噛む。攻守が一体となったサッカーは、徐々に崩れていった。京都は、歯止めの利かないまま、失点を重ねて大敗を喫した。彼らの夜を奪ったのは、F東京の徹底したサイド攻撃だった。しつこいぐらいにサイドから攻撃を繰り返し、京都の距離感を狂わせていった。
「チームとして(パスを)出して動くということができた。最初は、厳しい時間が続いたけど、しっかりと耐えてそれができたことが大きい。そのおかげで相手もバテてきた。うちもきつかったと思うけど、相手のほうがもっときつかったはず。ボランチのところにはプレッシャーをかけてくる。ただ、その分、中に集まった状態になる。サイドバックを起点にして、そこから戻したりして揺さぶったりすると、相手も疲れてくる。サイドバックと、サイドハーフを上手く使えている時にいいリズムが生まれる」(F東京MF梶山陽平)
31分、F東京のスペクタクルな夜が始まる。この日、主役となる男のゴールが、始まりを告げる合図となった。梶山が、中盤で囲まれながらもキープして右サイドへと展開する。サイドに張って待ち構えていた、MF田邉草民がクロスを上げる。そのボールにあわせたのは「背番号49」。倒れこみながらも右足でボールを叩きつけて同点ゴールを決めた。続く36分には、カウンターで田邉が抜け出す。DF椋原がそれを追い越し、ボールを譲り受けると、右足に持ち替えてミドルを放った。ゴール右上を抜くプロ初ゴールは貴重な逆転弾となった。
試合は折り返しても、F東京の勢いは繋がり続ける。後半開始早々の47分、右CKから森重真人が頭で合わせて3点目。57分には、森重が最終ラインからボールを持ち出し、バイタルエリアで待ち受けるルーカスにクサビを打ち込む。ルーカスは、ジンガのリズムで得意のステップを見せつけ、マークにつく相手DFと一緒に得意なエリアで躍った。そして、挨拶を交わして別れを言うと、左足でゴールネットを揺らした。さらに、85分、今度は直接FKを右足で沈めてハットトリックを達成し、この日の主演を演じきった。主役は、浪花節の分かるブラジル人だ。両手を広げるたびにアミーゴの飯野通訳や、スタッフ、チームメイトに感謝の意を示した。サポーターや、チームメイト、スタッフのオブリガードには、ありがとうで応える。そんな3発だった。
脇を固めたバイプレーヤーたちも忘れてはいけない。両サイドバックは思い切りよく攻め、サイドハーフはともに攻撃の起点となった。ボランチの2人と羽生直剛は、パスの筋道を組み立てるポジショニングと献身的な動きが光った。GK塩田仁史は、守備だけでなく積極的にルーカスにボールを送り込み、センターバックの2人も失点から立ち直って相手を封じ、攻撃の始発点となった。代わりに入った選手たちも、持ち味を生かしてゲームの中で存在感を放った。
そして、エンドロール間近には、交代出場のFW坂田大輔にも移籍後初ゴールが生まれる。大勝劇は「サンキュー、サカタ」の大合唱のまま、終了の笛によって終わりを告げた。
京都にとってこの日は苦い夜となった。しかし、F東京GK塩田は試合後に「京都はいいサッカーをやろうとしていた。そういうチームは少ない。彼らのようなチームに対しては、最大限のリスペクトをしたい」と、語っている。彼らには、固有のスタイルがあった。完成すれば、きっとJリーグで違いを見せるチームの一つになるはずだ。若い選手も多く、これからもっと高いステージで躍動する姿が見られるだろう。「たった20分間かもしれないが、それをどれだけ続けられるかだと思う」と、大木監督。甲府で夢見たあのサッカーの続きがまだまだあることを「たった20分かもしれないが…」という言葉に置き換えた。
F東京は、ゲームの中で正しい解答を見つけてそれを実践した。勝利に直結する仕事をしたのは、ピッチの中の11人と、準備を進めてきたスタッフのスカウティングの賜物だ。これで一つ壁を乗り越えたことになる。ただ、次の壁も迫る。新たな戦術、戦略を用意するチームはすぐに現れる。その日のピッチで正しい判断ができてこそ、力がついたことになるはずだ。ただ、こんなに楽しい夜は久しぶりだ。やっぱり東京はこうでなくちゃ。「オブリガード、ルーコン」。何度言っても言い足りない夜だった。
以上
2011.09.11 Reported by 馬場康平
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