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【J2:第27節 鳥取 vs 岡山】鳥取側レポート:鳥取がまたも後半のリードを守り切れず、終盤の失点でドロー。『陰陽ダービー』今季の決着は、10月の第2戦へ。(11.09.11)

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9月10日(土) 2011 J2リーグ戦 第27節
鳥取 1 - 1 岡山 (19:03/とりスタ/7,943人)
得点者:68' キムソンミン(鳥取)、80' 岸田裕樹(岡山)
スカパー!再放送 Ch182 9/12(月)前05:00〜
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鳥取の松田岳夫監督は「スタジアムが(チームカラーの)緑でいっぱいになって、選手たちは勇気をもらうことができました」と語り、岡山の影山雅永監督は「素晴らしいスタジアムの雰囲気、芝生の状態。岡山からもたくさんのサポーターが来てくれて、ともに戦ってくれたことを非常にうれしく思います」と振り返った。2008年のJFLでの二度の対戦を経て、J2では初めてとなる『陰陽ダービー』。試合前から両チームのファン・サポーターのチャントが飛び交い、ダービーらしい雰囲気に包まれたライバル対決は、後半に動いたものの決着はつかず、ドローに終わった。

鳥取はこの試合、選手の配置と起用法に変化が見られた。まず、服部年宏が1人で務めていた中盤の守備的な位置に、やはり守備が持ち味の三浦旭人を加え、バイタルエリアの守備を強化。プレビューで記した通り、4月10日のチャリティーマッチで0−2と敗れた際、苦戦の要因となった相手2シャドーの監視を徹底する狙いがうかがえた。さらに、本来は右サイドバックの尾崎瑛一郎を左サイドバックに配し、奥山泰裕を2列目で起用。試合の登録ではFWの小井手翔太が2列目に下がりつつプレーすることで、システムは4‐3‐3から、4‐2‐3‐1に変わっていた。

しかし前半は攻めあぐね、思うようにチャンスを作れなかった。岡山が守備の際、両アウトサイドも下がって5バック状態になることは想定済み。敵陣に押し込んでボール支配率では上回ったものの、スローダウンさせられた後の攻撃のアイディア不足という課題を抱える鳥取は、こうした状況を苦手としている。この日も、相手の守備ブロックを前に横パスはつながるが、受け手の前後の動きが少ないこともあり、リズムの変化をつける縦パスが入らない。何本かのミドルレンジからのシュートを、服部は「打っていたけど、打たされていた」と振り返った。左サイドでは奥山と尾崎が絡んで数的優位を作ろうとするものの、こちらもスペースを消されて打開することができない。守備は、チアゴのポストワークからスペースを突いてくる相手の攻撃を封じていたが、こう着状態が続いたまま、前半は0‐0で終えた。

後半の立ち上がりは一転、岡山の守備から攻撃への切り替えが早くなり、多くのピンチを招いた。ペナルティーエリア内で決定的なシュートを打たれるなど、苦しい時間帯が続いたが、何とかしのぐと、67分に尾崎に代えてキム ソンミンを投入。奥山を本来の左サイドバックに下げ、小井手が左サイドに移り、キム ソンミンは中央の攻撃的MFに入った。

実はこの形は、9月7日の紅白戦で最初に試していたもの。このときはうまく機能しなかったため、先発は前述したような形に落ち着いたが、松田監督は「ソンミンのダイナミックなプレーは武器になる」と語り、高く評価していた。前線からのボールチェイス強化の狙いも込めた投入だったが、 これに本人が見事に応える。68分、自ら蹴りにいったCKを短く蹴ってリターンをもらい、「パスが来た時点でコースが見えていて、そこに打った」という左45度からの右足シュート。ゴール前の混戦を抜けたボールが右のサイドネットに突き刺さり、均衡を破った。

前節の鳥栖戦は0‐2とリードされた後、51分までに3点を奪って逆転したが、その後に不用意に攻めに出た結果、ミスによるボールロストから反撃を許し、4点を奪われて3‐6の大敗を喫している。今回は反省を生かし、リードした後の試合運びは悪くなかった。ボールポゼッションの意識を高く保ち、パスを回して時間を使いながら攻め込むなど、リスク管理はしっかりできていた。

しかし、焦らずにチャンスをうかがっていた岡山に80分、ゴールを割られてしまう。中央へのくさびと、後方から上がってきたストヤノフへのパスで守備を中央に固められたため、左サイド(岡山の右サイド)に振られたパスへの対応が遅れる。中央の人数はそろっていたが、ファーサイドへのセンタリングに対して相手をつかまえられず、ダイレクトで岸田裕樹に蹴り込まれた。

「今までであれば、さらにあそこから崩れて失点し、試合をひっくり返されていた。持ち直したのはプラスに考えていきたい」と松田監督が振り返ったように、同点とされた後も鳥取はリズムを大きくは変えなかった。慌てて攻め込んで逆転されるリスクは避けつつ、勝ち越しゴールを目指したが、それは岡山も同様で、守備意識の高い相手を崩せない。運動量が落ちて後列からの攻め上がりが少なくなる中、89分には小井手が左サイドから個人技で突破したが、シュートは上へ外れる。結局、そのまま1‐1の引き分けに終わった。

鳥取にしてみれば、後半の苦しい時間帯を耐え、先にスコアを動かしただけに、逃げ切りたかったところ。同点ゴールは岡山の攻めのうまさもあったが、今回のような試合展開で、しっかり逃げ切る、あるいは追加点を奪って優位を確固たるものとする、などの成功体験をつかむことが、思うように勝点を伸ばせない現状を打破するためには必要だろう。そのためには、危険なエリアでの無理な仕掛けや、簡単なパス交換のミスでボールを相手に渡してしまうプレーを極力減らすことが必要不可欠。戸川健太も「あれだけ簡単にボールを取られるのは…。そこは厳しく言っていきたい」と語り、守備陣に過度の負担がかかっている現状に苦言を呈した。

今季の『陰陽ダービー』第2戦は10月19日。岡山のホームで行われる一戦は鳥取にとって、ライバルに突きつけられた課題を、どこまで克服できたかが問われる一戦ともなるはずだ。

以上

2011.09.11 Reported by 石倉利英
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