9月10日(土) 2011 J1リーグ戦 第25節
柏 2 - 1 名古屋 (19:04/柏/10,914人)
得点者:17' 玉田圭司(名古屋)、65' 田中順也(柏)、70' 澤昌克(柏)
スカパー!再放送 Ch181 9/11(日)深01:30〜
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13分、ルーズボールへの競り合いの際、田中マルクス闘莉王と接触したレアンドロ ドミンゲスの体が足元をすくわれる形で宙に浮かび上がり、そのまま地面に叩きつけられた。肩を強打したレアンドロ ドミンゲスは、そのまま負傷交代。しかも治療中に玉田圭司の鮮やかなフリーキックがゴール右上に突き刺さる。柏は前半開始早々に攻撃の柱を失い、失点を喫するという窮地に立たされた。
序盤から見せた名古屋の攻撃はまさしく“王者”の名に相応しいものだった。藤本淳吾、ブルザノビッチら中盤を起点に、ケネディへ入れるクサビのパスや、フレキシブルに動く玉田、小川佳純がテンポの良いスピーディーな攻撃で圧力をかけていく。そのパスワークには茨田陽生も「ちょっとビビりました」と苦笑いで本音を漏らした。
先制点を奪ったことでその後名古屋は無理をせず、陣形をリトリートして落ち着いた展開へ持ち込む。ビハインドを背負った柏がリスクを冒して前へ出てくることは容易に想像でき、その裏のスペースをカウンターで突くのは常套手段だ。ただし「我々がプレーを止めてしまった」と振り返ったジュロヴスキーヘッドコーチ、そして「引いてしまったのは自分たちのミス」という玉田の言葉からすれば、“ペースダウン過多”の傾向があったのだろう。ラインが引きすぎたため、セカンドボールを柏が支配し始めたのだった。
柏が押し返した理由は名古屋のペースダウンのみならず、リーグ戦の試合間隔が開いた間にネルシーニョ監督が綿密に企てた策略も大きく影響している。橋本和、茨田とも「ダニルソンの周りにはスペースある。そこを狙っていた」と話すように、普段はタッチライン際がプレーエリアのジョルジ ワグネルが、レアンドロ ドミンゲスと交代した澤昌克とともにバイタルエリアに空くスペースに顔を出し、味方からボールを引き出して攻撃のリズムを生み出した。
「前半の終了時にはうまく整理されていた。あの調子とあの距離間を確認して後半に入らせ、うちのボランチ2枚が攻撃の時に後ろからサポートして、サイドバックは積極的に顔を出しトライアングルを作った」(ネルシーニョ監督)。
後半に入るとそのネルシーニョ監督の指示通り、ジョルジ ワグネルと澤の動きに呼応して、栗澤僚一、茨田の両ボランチのサポートの質がグッと上がり、酒井宏樹、橋本の両サイドバックがリスクを厭わずにオーバーラップを仕掛けることで常に高い位置でトライアングルを保ち続ける。したがって柏のパス回しがよりスムーズになり、シュートシーン、コーナーキックが飛躍的に増えた。
もちろん名古屋にチャンスがなかったわけではない。49分には柏のセットプレーのこぼれ球を拾ったダニルソンが猛然とカウンターを仕掛け、柏センターバックのギャップを突いたブルザノビッチが抜け出す。ダニルソンのパスに合わせたブルザノビッチのダイレクトシュートはGK桐畑和繁が身を挺してセーブ。「決まっていれば2−0になっていた」とジュロヴスキーヘッドコーチが悔やんだシーンである。確かにこの決定機を逸したことは大きく、結果から見れば試合の流れを左右したターニングポイントでもある。だが、名古屋にとってはもっと痛恨だったのは、こうした柏をヒヤリとさせるようなカウンターをこの1度しか作れなかったことだろう。その後は終始柏のパスワークに揺さぶられ、ボールの奪いどころを見出せず、自陣に釘付け状態となってしまった。
柏が主導権を握り続けたもうひとつの要因は、日立台のサポーターが生み出した雰囲気である。前節川崎F戦での2点ビハインドからの大逆転劇の声援をそのまま持ち込んだかのようなハイテンションが続き、選手を後押しした。65分、ジョルジ ワグネルの左アウトサイドの縦パスが田中順也に通り、「うまく腰が振れた」という右足シュートで同点とすると、70分には酒井の鋭い高速クロスがGK高木義成のファンブルを誘発させ、詰めていた澤が押し込み逆転に成功。前節に続く2試合連続の逆転勝利で柏が名古屋との上位直接対決を制した。
「我々とって価値のある大きな勝利」(ネルシーニョ監督)に対し、「まだ9試合ある。終わったわけではない」(ジュロヴスキーヘッドコーチ)と両者は対照的とも言えるコメントを残しているが、これはどちらも正論である。なぜならば、上位直接対決がこの名古屋戦が最後だった柏は差を縮めるために是が非でも勝たなければならない一戦であり、一方の名古屋はまだG大阪、横浜FMとの直接対決を残し、上位との勝点差を詰める機会が残されているからだ。
順位こそ若干の入れ替わりはあったが、首位のG大阪から4ポイント以内に4チームがひしめいている。この混戦の優勝戦線は今後、より激しさを増していくに違いない。
以上
2011.09.11 Reported by 鈴木潤
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