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スカパー!生中継 Ch308 後05:55〜
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山形と言えば堅守速攻、粘り強く守ってダイレクトプレーを狙ってくるイメージが強いが、最近の試合を見るとどうも少し傾向が変わっているようだ。以前に比べると簡単に前に蹴る回数は少なくなっており、つなげるときはつないで攻撃している。パスワークに連動した動き出しで相手を揺さぶろうとする工夫も見られるようになっている。
ただ、逆に守備では隙が生じるケースが増えている。以前はボールを奪われたらすぐにブロックを築いて待ち構え、人の数にも任せた対応をしていたため崩れにくかったが、今は攻撃に手数をかける局面が増えた分、守備では枚数に余裕のないシビアな対応が求められるシチュエーションが増えている。
その傾向は数字に反映されている。山形は堅守速攻のチームとして見るには先制点を奪われる回数が多く、リーグとヤマザキナビスコカップを合わせた26試合のなかで20試合も先制点を取られている。ただ、先制点を奪われてから得点を決めた試合は10試合あり、逆境のなかでゴールを奪い取る力は増してきている。
しかし、このプレースタイルの変化は結果という観点から見ると、あまりいい方向には進んでいない。現在、山形は勝点17で残留圏とは勝点11差の17位と苦しんでいる。今季はここまで37失点を喫しているが、昨季24試合終了時点の失点数は29。ちなみに順位は12位だった。今のところ、守備が脆くなった分だけ成績を落としているという結果が出てしまっている。
残り10試合、残留を目指す山形としては引き分けも喜ばしい結果ではなく、必勝態勢で試合に臨んでくるだろう。浦和としては前がかりになった相手の隙を突くような攻撃で追い込んでいきたい。
今の浦和は「攻撃のバリエーションはあまりないと思う」と柏木陽介が言うように、攻め手が多いチームではない。そして「浦和は個人が主体になって苦しんでいる部分がある」と続けたように、連動性のある攻撃パターンも残念ながら持っていない。
開幕からずっと同じような傾向が続いていることを考えれば、ここから急激に何かが変わるとは現実的に考えにくい。勝利するためには今ある武器を最大限に生かすことが最善であり、現時点で相手に最も脅威となるのは原口元気のドリブルからフィニッシュにつなげていくパターンだろう。だが、複数に囲まれるとさすがの原口も苦しいので、スペースがあるなかで勝負させたい。そのためには山形にある程度ボールを持たせ、サイドにスペースができているうちに速攻から原口が仕掛けるという形を作るのが一番効果的だろう。
いまや大黒柱としてチームを支える弱冠20歳の若武者は、代表で刺激を受けて帰ってきた。残念ながら出番はなかったが、「自分が一番まだまだだと感じられたことが一番。日本の一番うまい人を見てきたから、あそこまでうまくなれば一番になれると思ったし、そこに向かって努力すればいいというのが分かった」とトップレベルの選手たちに触れたことで士気が高まっている。山形戦ではそういった気持ちが爆発したようなプレーを期待したい。
最近の山形の守備対応を見ていると、DFラインがボールウォッチャーになる傾向がある。特にプルアウェーの動きをされるとマークが外れるケースが何度か見られ、直近のみちのくダービーでも失点につながっている。浦和の攻撃陣はそういう動きで揺さぶってみるのも面白いかもしれない。
以上
2011.09.10 Reported by 神谷正明