スカパー！生中継 Ch179 後06:50〜
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シーズンは、山あり谷ありの繰り返しだ。前節徳島戦から10日間の準備期間があった草津はケガ人も戻り万全の状態でリスタートを切るはずだった。だが６日の練習でＦＷの軸リンコンが負傷、翌日の検査の結果、右大腿直筋肉離れで全治２週間と診断された。重傷でないのが救いだが、リンコンのポストプレーがチームにフィットし始めていただけにダメージは少なくない。今節、東京Ｖをセカンドホーム熊谷へ迎える草津は、チーム一丸となった戦いで６月以来約３カ月ぶりの連勝を狙う。
前節上位徳島を倒し９位へと浮上した草津の相手は、勝点１差でひとつ上を走る８位東京Ｖ。さらに上を目指す草津にとって東京Ｖは叩かなければいけない相手となる。「ヴェルディを倒せば順位は必ず上がるし、昇格圏内が近づく」（副島監督）。さらに上を見れば昇格圏内までは勝点９差で決して届かない数字ではない。生え抜きＭＦ櫻田和樹は「この時期まで上が見える位置で戦えるのは初めてなのでモチベーションは高い。東京Ｖ戦から始まる９月を乗り切れば何が起きるか分からない」と士気を高める。
草津と東京Ｖの勝敗、得失点を比較してみるとチームの特長がはっきりとみえてくる。
８位の東京Ｖは９勝６分８敗。シーズン序盤こそ出遅れたがじわじわと順位を上げ、上位を狙えるポジションにつけている。前々節熊本戦では５ゴールを叩き込むなど攻撃力は高く、44得点はリーグトップ。得失点差＋16は首位Ｆ東京に次ぐ数字でチーム力の高さもうかがわせる。草津・松下裕樹は「ヴェルディは攻撃的なスタイルを貫くレベルの高いチーム。力のあるチーム相手に自分たちのサッカーがどれだけ出せるかがカギになる」と話す。
草津は不思議な力を発揮しているといえる。勝敗は10勝２分11敗と負け越し。２引き分けはリーグ最少でまさに勝つか負けるかの戦いを演じている。さらに失点３４はリーグワースト３位、得失点差−７はリーグワースト５位。「勝ち試合と負け試合で、チームの波が大き過ぎる」という副島監督の分析はもちろんだが、それでも９位に位置しているのは粘り強く勝利を奪っているからだろう。指揮官は今後の課題として「これまで通り勝利を追求していくとともに、負け試合を引き分けに持ち込むタフな戦いが必要だ」と、選手に完全燃焼を要求する。
草津が頂を目指すには失点減少が欠かせない。クラブは７月末に神戸から大型ＣＢ柳川雅樹を期限付きで緊急補強、ＤＦラインに高さとパワーを加えた。柳川はこれまでに御厨貴文と組んで３試合に先発し２勝をマークするなどチームに大きく貢献している。柳川が「自分のプレーがだんだん出せるようになってきだがまだすべてを出し切っていない。昇格圏内との勝点９差を少しでも詰められるように一戦一戦集中して戦う」と話せば、御厨は「勝てないときは目標を見失ってしまったけど、また目標が見えてきたのでチームに活気が生まれている。これからは１点１点が重くのしかかってくるので先に失点しないようにプレーする」と、チームとして未踏の地を目指す。
今季のＪ２は、首位Ｆ東京から９位草津までが勝点10の間にひしめき合う空前の大混戦となっている。今節の他カードを見渡すと、千葉対鳥栖、札幌対栃木などの試合が組まれ上位は潰し合いとなる。「この試合に勝てば順位が一つ上がる。上位についていけば必ずチャンスが来るはずだ」（副島監督）。残り15試合。ここからは選手、サポーター、クラブの総力戦となる。
以上
2011.09.10 Reported by 伊藤寿学
