スカパー！生中継 Ch363 後06:00〜
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パスをつないで攻撃を仕掛ける。そのような、いわゆる「ポゼッションサッカー」をできるチームなのが、今回直接顔を合わせるＣ大阪と広島。両者の今季２度目の対決が、Ｃ大阪のホーム、大阪長居スタジアムで行われる。アグレッシブな、見応えのある一戦が期待できる今回、12位のＣ大阪にとってはトップ９に進むため、６位の広島にとっては上位争いに少しでも食い込むためにも、重要な試合となる。
前節の浦和戦で５試合ぶりの勝利をあげたＣ大阪。そのときには、山口螢、扇原貴宏のＣ大阪育成組織出身ボランチコンビが、ともにＪ初得点を決めるなど、若き力の台頭が目立った。中２週間空いたとはいえ、その勢いを今回のホームゲームでもつなげたいところ。先頃のＷ杯３次予選でも活躍を見せた清武弘嗣をはじめ、チームトップの７得点をあげている倉田秋、18歳の杉本健勇など、攻撃陣を中心とした若手の躍動が、この試合でも絶対不可欠だ。
ちなみに、最後にＣ大阪が連勝した２カ月前の相手というのが、広島だった。7月10日に行われたアウェイ戦では、Ｃ大阪が序盤にミスから広島ＦＷ李忠成に先制点を許したが、前線からのプレスをきっかけに、倉田のゴールで同点に追い付くと、前半終了間際に相手が退場者を出したことで数的優位に立ったＣ大阪が、後半開始からの６分間で、清武、小松塁の連続得点で差を広げ、３−１で勝利した。
今回もＣ大阪が狙うのは、前回対戦時と同じく、前線からのプレスを軸としたサッカー。倉田が「前からのプレスを意識しつつ、ホームだし、セレッソのサッカーを見せつけたい」といえば、杉本は「今回も練習から、前からのプレスを徹底している。これがハマれば自分たちのペースでサッカーができる」とコメント。ただ、一方で、ＤＦの要の１人、上本大海は「広島は個人能力が高い。食いつきすぎると、簡単に崩され、自分たちのやっているプレーを、広島にやられることもある」と、バランスをとって対応する必要性も説く。
それでも、イレブンに共通する広島というチームへの認識は「相手はＪリーグでもトップクラスのポゼッション力のあるチーム」（上本）ということ。そして、「しっかりボールをつなぐ広島のサッカーに対して、引くことなく、自分たちのサッカーを出していきたい」（扇原）と、Ｃ大阪は、相手に主導権を渡さないサッカーを、今回も目指す。
対する広島は、前節の新潟戦でムジリの決勝点により、１−０と勝利。こちらも第20節以来、４戦ぶりの白星をあげ、復調傾向にある。また、前回のＣ大阪戦時は不運な形で敗北しているだけに、リベンジへの思いは強いだろう。そのなかで攻撃の要の１人、森崎浩司が累積警告により出場停止となるが、その森崎浩に代わって新潟戦で途中出場している青山敏弘や、殊勲のムジリなど、穴を埋められる選手はいるだけに、力が落ちるとは思えない。それに、「李選手、佐藤寿人選手といったストライカーがいるし、ミキッチ選手のサイドからもどんどん勝負してくるので、そこをしっかり対応していかないといけない」と、Ｃ大阪の山口も警戒するような陣容は揃っている。２年ぶりのＡＣＬ出場権獲得を狙う広島にとっては、この試合は絶対に落とせないはず。これまで５勝２分２敗と、相性のいい長居の地で、今回も勝利を狙っている。
しかし、Ｃ大阪にとっても、「勝負の９月」と高橋大輔が言うように、ここからは勝ち星を積み重ねていくしかない状況。新加入のファビオ ロペスもフィットし、大竹洋平のデビューも近い模様のうえ、高橋大、キム ボギョンといった主力も、ケガが癒えて全体練習に復帰したという明るい要素もある。もちろん、この試合のすぐ後には、日本勢で唯一残っているＡＣＬラウンド８の戦いも待っているが、「まずは目先の広島戦の勝利」とレヴィークルピ監督も、一戦必勝の構え。「そのうえで、広島に勝てば、若い選手もＡＣＬに自信をもって臨むことができる」と、指揮官はこの試合の出来をポイントにあげる。
はたして、若き力が成長し続けるＣ大阪が、広島に今季ダブル（連勝）を達成できるか。それとも、広島が上位の意地を見せられるか。両者の織りなすパスサッカーは、最後まで目が離せなさそうだ。
以上
2011.09.09 Reported by 前田敏勝
