スカパー！生中継 Ch186 後06:50〜
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前節（Ｊ２リーグ戦第４節）は、千葉に期限付き移籍加入後初出場のＦＷ大島秀夫がＣＫからヘディングシュートを決めて先制しながら、ＦＷマラニョンに同点ゴールを許して東京Ｖに１−１で引き分けた千葉。マラニョンをフリーにしてしまったマークミスも痛かったが、「ウチは得点が１点だけじゃ勝つのは難しいと思う」（ＭＦ村井慎二）だけに、その後の決定機をモノにできなかったのも痛かった。これで４試合連続勝利なし（２分２敗）だが、前節は千葉の上位にいるＦ東京、栃木は直接対決でスコアレスドロー、徳島は愛媛に０−２で敗れ、千葉との勝点差は１位のＦ東京と２位の栃木が２、３位の徳島が１と大きく引き離されずにすんだ。その一方で、千葉のすぐ下にいる５位の札幌は千葉と同勝点（40）、今節対戦する鳥栖は千葉との勝点差１と急接近している。
鳥栖は、前節（Ｊ２リーグ戦第４節）の鳥取戦で６−３と大量得点で勝利し、千葉とは対照的に４連勝となった。その４連勝、そして前節の大量得点に大きく貢献しているのが、３試合連続ゴールとなった前節で２得点し、通算10得点で得点ランキングの１位（ほかに千葉のＦＷ深井正樹含め３人）にいるＦＷ豊田陽平だ。豊田は前節の２点目（鳥栖の６点目）のような打点の高いヘディングが大きな武器だが、タイミングよくディフェンスラインの裏に飛び出してパスを受け、シュートを確実に決めるうまさも持つ。また、前節の鳥栖はシュート10本で６点と高い決定力を誇り、６点のうち３点（豊田が２点、ＦＷ池田圭）がＣＫからとセットプレーで強さを発揮している。
その一方で、前節の鳥栖はＰＫによる１点を含む３失点と守備に課題を残したが、前節終了時の通算失点数は18（札幌も同数）で、Ｆ東京の14に次ぐ少なさだ。その堅守に貢献している一人が、第24節から４試合連続出場のＧＫ赤星拓だ。幅広い守備範囲と俊敏な反応で、あわや失点のピンチの場面でチームを救っている。今節の守備面で一つ懸念されるのは、今季の23試合のうち21試合に出場した左サイドバックのＤＦ磯崎敬太の累積警告による出場停止。鳥栖の堅守には、ディフェンスラインを高く上げてチーム全体をコンパクトにしての前線からの連動したプレス、ディフェンスラインの上げ下げをうまくコントロールしての相手の攻撃陣との駆け引きが重要のため、今節は勝負所ともいえる。
千葉は、その鳥栖のディフェンスラインをうまく破る工夫をしたい。大島をターゲットにしてセカンドボールを拾いながらＤＦの背後に飛び出す形はもちろんのこと、前節の鳥栖の３失点のうち２失点はミドルシュートだったことを踏まえ、鳥栖の守備陣の態勢が整う前に遠目から思い切ってシュートを打つ形でも得点を狙いたい。鳥栖の守備を崩し切ろうと手数をかけ、結果的に時間をかけてしまうと、鳥栖にうまく守られる可能性が高い。
また、前節は時間の経過とともに東京Ｖに対するプレスがうまくかからなくなった千葉だが、鳥栖はサイドで短めのダイレクトパスをつないで相手のプレスをいなしながら起点を作る一方で、ボールホルダーに余裕があると逆サイドや縦方向への一発のロングパスでチャンスを作ってくる。前節の鳥栖の６得点のうち２得点はクロスからのものということもあり、千葉の失点阻止にはボールホルダーへの厳しいチェック、ボールサイドとは逆方向への強い意識が重要だ。そして、セットプレーでは自分の守備ゾーンを守り切りたい。
今季初対戦の今節は、両チームにとってＪ１昇格に向けての大事な一戦。だが、千葉には正念場をホームで戦えるアドバンテージがある。千葉サポーターの声援に力をもらい、攻撃も守備も冷静な判断のもとに熱い勇気を持って挑戦し、今節こそ勝ち切ってほしい。
以上
2011.09.09 Reported by 赤沼圭子
