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【J2:第4節 熊本 vs 湘南】レポート:意地を見せた熊本がアディショナルタイムのゴールでドローに持ち込み連敗をストップ。勝点2をこぼした湘南は、これで5試合勝ちなし。(11.09.05)

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9月4日(日) 2011 J2リーグ戦 第4節
熊本 1 - 1 湘南 (19:04/熊本/4,238人)
得点者:27' 永木亮太(湘南)、90'+4 原田拓(熊本)
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 またしても劇的な幕切れである。湘南に1点のリードを許したまま試合の終盤を迎えた熊本はアディショナルタイムの90+4分、ペナルティエリア右角付近で得た間接フリーキックから原田拓が左足で決めてドローに持ち込んだ。湘南にしてみれば、ほぼ勝っていた試合で2ポイント落とし、逆に熊本は負けていた試合で1を拾った格好で、終了の笛と同時に膝に手をつく双方の選手たちの姿には、それぞれの思いが表れていた。

 前節(26節)北九州と引き分けた湘南は、ベンチメンバーこそ入れ替えたが先発は同じ顔ぶれ。一方の熊本は、菅沼駿哉の出場停止を受け、センターバックには福王忠世と廣井友信のコンビを据えた。また中盤の構成も1アンカーからエジミウソンと吉井孝輔のドイスボランチに組み換え、両サイドにはスピードを持った仕掛けができる武富孝介と大迫希、そして前線に長沢駿とファビオというハイタワーを置く布陣。この狙いについて高木琢也監督は「守備では安定性、攻撃ではダイナミックさが欲しかった」と明かし、実際、守備においては2枚のボランチが機能したほか、2トップは状況に応じてファビオが引き目のポジションを取って湘南のハン グギョンにプレスバックをかけるような対応を見せる。湘南の反町康治監督は「ダブルになっていたのは我々にとってはあまり意味がなく、驚きではなかった」と話しているが、立ち上がりから熊本がペースを握った要因のひとつとして、攻守両面における狙いが、ある程度はまっていたことが挙げられよう。

 だが、高木監督もポイントのひとつと話していたセットプレーから湘南が先制する。27分、ゴール正面からやや左寄り、距離にして約25mの位置から永木亮太が綺麗に沈めた。この場面、ボールを奪ってからの速い切り替えで坂本紘司から永木へとつなぐ段階でファウルを誘ったもので、15分過ぎからはそうした形で湘南が形を作りつつあった。フリーキックそのものは「キッカーを褒めるしかない」(高木監督)が、ファウルで止めざるを得ない流れになりかけていたということでもある。

 先制された熊本としては、これまでのように下を向かずに取り返しに行けるかが焦点となったが、これに関しては杞憂で、積極的な飛び出しや仕掛けを見せていた武富を始め、とにかく立ち上がりから全員のプレーにアグレッシブな姿勢は感じ取れた。しかしながら、先制したことによって湘南に勢いが増したのも事実。30分過ぎからは熊本のアプローチが緩くなり始め、縦のスピードを生かして39分、41分と、湘南はアジエルから臼井幸平という流れでチャンスを作っている。だが湘南にとっても、こうした押し気味の展開の中で「2点目が取れなかった」(反町監督)ことが勝点をこぼすことにつながっていった。
 後半に入ると、熊本はまずファビオに代えてソン イニョンをピッチへ。さらに武富と大迫の位置を入れ替え、サイドを起点に攻撃を展開。48分、51分には武富、58分には大迫の左足ミドル、さらに72分にはカウンター気味にソンから大迫とチャンスを迎えるが、最後の精度を欠いて決められない。ただ、後半だけで10本のシュートを放つなど、熊本は何としても点を取るという前向きな気持を持ち続けた。冒頭の同点ゴールは、ボックス付近の浮いたボールに飛び込んだ吉井に対し、相手DFの対応が危険なプレーと判断されたもの。結果として終盤にこうした展開に持ち込めるのは、それだけの力があるからと見ることもできるし、追いついた後のリスタートからもチャンスを迎え逆転の可能性も感じさせるなど、失点が続いての連敗という悪い流れを断ち切る意味においては、貴重な勝点1になったと言えるだろう。

 湘南は前節に続いて引き分けで、これで5試合勝ちなしという状況。反町監督も話している通り、2点目を取れなかったことがこの結果につながったわけだが、中盤から前の流動的な動きを生かしたボールの運びや鋭いカウンターからもチャンスを作っているだけに、最後の部分のクオリティの向上は課題の1つである。

 さて、熊本は連敗を2で止めた。ここまで不安定だった守備で決定的なチャンスを多く与えなかったこと、1点にとどまったが攻撃ではチャンスを数多く作り、この数試合を受けての気持ちを見せるというミッションは果たせた。とは言え課題はある。やはり攻撃である。
 前半こそサイドを起点にした展開ができていたものの、特に70分前後からはロングボールを入れることに終始。そんな中での根占真伍の投入には、中盤に落ち着きをもたらすという意図があったと思われるが、それでもボールが中盤を飛び越える場面が多すぎた。湘南の反町監督も「理にかなった攻撃」と表現しているが、前線にボールを預けて(または当てて)セカンドボールを狙ったりサポートに入ったりという形は、高さのある選手が揃う熊本にとっては有効な手段であることは間違いない。ただ「どっちに転ぶか分からないフィフティフィフティの状況になる」(高木監督)以上、確固たる武器にはなっていないのが現状。この試合に限っては「ベストの選択」(同監督)だったかもしれないし、ロングボールを入れることは否定しないが、やはり場面に応じた使い分けは必要だろう。ボールを動かすにあたって、タイミングやアングルも含めた受ける動きは欠かせないが、この点はまだまだ物足りない。
 自信を取り戻したという段階には至っていないかもしれないが、守備においてはひとまずベースとなる安定感は見せた。次は攻撃でさらに自信を深めたい。前述の使い分けも高めつつ、という条件付きではあるが、前線にロングボールを入れてセカンドを拾うという形も、さらに徹底して突き詰めれば、より強固な武器になるはず。まだまだ道程は半ばを少し過ぎたあたり、挽回の余地は十分ある。

以上

2011.09.05 Reported by 井芹貴志
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