本文へ移動

今日の試合速報

国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋
国立競技場に10,000名様無料ご招待 9/14 19:00KO 国立競技場 FC東京vs名古屋

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第4節 鳥取 vs 鳥栖】レポート:9ゴールが乱れ飛んだシーソーゲーム。逆転後にペースを乱した鳥取に対し、鳥栖が冷静に反撃して4連勝を飾る。(11.09.05)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
9月4日(日) 2011 J2リーグ戦 第4節
鳥取 3 - 6 鳥栖 (18:03/とりスタ/2,559人)
得点者:6' 豊田陽平(鳥栖)、15' 呂成海(鳥栖)、27' ハメド(鳥取)、40' 実信憲明(鳥取)、51' 実信憲明(鳥取)、61' キムビョンスク(鳥栖)、68' キムビョンスク(鳥栖)、78' 池田圭(鳥栖)、86' 豊田陽平(鳥栖)
スカパー!再放送 Ch185 9/5(月)後04:00〜
☆投票してチームをサポート!totoリーグ(無料)開催中☆
----------
序盤はため息が広がり、前半の途中から急激にヒートアップし、後半の半ばからは再び静かになっていった。とりぎんバードスタジアムに集まった鳥取のファン・サポーターが醸し出す雰囲気が示したように、点の奪い合いとともに試合の流れが二度、三度と大きく変わったシーソーゲーム。最後は鳥栖が力の差を見せつけ、連勝を4に伸ばした。

8月14日の前回対戦では、開始46秒でホームの鳥栖が先制し、そのまま1-0で逃げ切ったが、この日も立ち上がりに先手を取ったのは鳥栖。藤田直之の左CKを、飛び込んできたキム ビョンスクが頭で流し、ファーサイドでフリーになった豊田陽平がダイビングヘッドで決めた。さらに15分には、スローインを受けた呂成海が、約40メートルの距離からロングシュート。「スローインを受けたときにゴールも見えていたので、シュート8割、クロス2割のつもりだった(笑)」というボールは、ブレ球となって鳥取GK小針清允の頭上を破り、ネットを揺らした。鳥栖の尹晶煥監督が「簡単に得点を奪うことができ、スムーズに、簡単に(試合を)運べるかと思った」と振り返ったように、ここまでは一方的な鳥栖ペースだった。

鳥取は、2点目は鮮やかに決められたものだが、1点目は丁東浩のバックパスのミスからCKを与え、これまで何度も手痛い失点を食らっていたセットプレーから奪われており、流れは非常に悪かった。その後も、相手のプレッシャーに負けてパスをつなげない課題をのぞかせていたが、27分に反撃を開始。ハメド−実信憲明−服部年宏−吉野智行−ハメド−小井手翔太−ハメドと、自陣からショートパスを小気味良くつないで鳥栖の守備網を破り、ハメドが右サイドを突破。最後はそのまま蹴り込んで追撃の1点を奪った。

「2点リードして安心したところがあり、相手にボールを持たせて攻めさせ、ボールを奪って追加点を奪おうと試合をコントロールしようとしたけど、受け身になった」と藤田が振り返ったように、この失点を境に動きが鈍くなった鳥栖を、鳥取はさらに攻め立てる。40分には相手の連係の乱れからボールを奪って攻め込むと、実信のロングシュートが決まって同点。呂成海に当たってコースが変わった幸運もあったとはいえ、チームの勢いが生んだかのようなゴールだった。

その後も前半のうちに決定機を作るなど、完全に息を吹き返した鳥取は、後半の立ち上がりに思いがけない形で逆転に成功する。CKの競り合いで、小井手が顔を抑えて転倒。主審の山本雄大氏はプレーを続けさせたが、第1副審の平野伸一氏が山本氏を呼び、ポジション取りの際に呂成海が小井手の顔を手で叩く形になっていたことを伝えた結果、PKの判定。51分に実信が決め、とりぎんバードスタジアムのムードは最高潮に達した。

押せ押せの展開が生んだ3得点。しかし、その勢いが逆に、鳥取の首を絞めることになる。

鳥栖が前がかりになり、両サイドバックも高い位置を取るようになると、当然その背後にスペースが生まれる。スピードのあるハメド、住田貴彦のスペースへのランに合わせてパスを送り、攻め込むまでは良かったが、攻めのリズムが単調になってしまった。また、追加点を奪えないまでも、シュートまで持ち込むことができていれば、相手の攻めを抑止する効果もあっただろうが、ゴールに近づいた後のプレーの精度が低く、良い形で終わることができない。「相手が前に来ているぶん、裏が空いているので、行くのはいいんだけど、最後のところでやり直す作業をやらずにボールを失って、という流れになった」(服部年宏)ため、淡泊な攻めになって攻撃の時間(ボールを保持している時間)を増やすことができず、逆に鳥栖に攻撃の時間を多く与えることになった。

鳥栖の3点目は、そうした流れの中で生まれた。自陣でボールを奪ってからのカウンターで左サイドバックの奥山泰裕が攻め込み、近寄ってきた住田との連係で崩そうとしたが、住田のセンタリングは誰もいないファーサイドへ。これを鳥栖GK赤星拓がキャッチして左サイドにフィードし、中央につなぐと、戻ってきた奥山と住田のポジションのバランスが崩れていた。このスペースを突き、右サイドバックの丹羽竜平がフリーでパスを受けてセンタリングを送ると、飛び込んできたキム ビョンスクが蹴り込み、あっさり同点に追い付いた。

これで落ち着きを取り戻した鳥栖は、68分には豊田が左サイドを破り、再びキム ビョンスクが決めて逆転する。戸川健太が「攻撃陣が3点も取ってくれたけど、簡単に同点にされて、簡単に逆転されて、難しくなってしまった」と語った通り、J2昇格後最多となる4失点目を境に、鳥取は運動量も落ちて急激にペースダウン。鳥栖はそれをしり目に、78分に池田圭、86分に豊田が、セットプレーの守備がもろい鳥取の弱点を突き、いずれもCKからヘッドで追加点を決めた。

終わってみれば鳥栖は、クラブ史上最多の6得点。3失点は今季最多で、これまでに2失点した3試合はいずれも敗れていたが、この日は、これまで堅守に助けられていた攻撃陣が、逆に守備陣の不調を助ける結果となった。「今日のような展開はこれまでなかったので、ここが正念場だと思ってプレーしました。メンタル面が折れなかったので再逆転できたと思うし、それが今日の大きな収穫」という藤田のコメントの通り、逆転されても慌てず、再逆転しての4連勝は大きな自信につながるはずだ。上位陣が軒並み足踏みしたため、首位との勝点差は3。次節の千葉戦に勝てばJ1昇格圏内に食い込む可能性もあり、どこまで好調を持続できるか注目される。

鳥取は、6度目となる連勝への挑戦がまたも実らず、J2昇格後最多の6失点。逆転した後に自滅した格好だが、「相手は3失点した後も崩れなかった。こちらが引いて守っていても焦らず、しっかりボールを動かしていました。自分たちが目指すところを鳥栖はやっていた」と喜多靖が語ったように、鳥栖の冷静なプレーも、鳥取の未熟さを際立たせていた。状況に応じたプレー選択や試合運びは、鳥取が抱える課題の一つで、ゴールラッシュを生かせなかった大敗は、それを改めて浮き彫りにしたものと言える。

以上

2011.09.05 Reported by 石倉利英
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/08/05(月) 10:00 【週末のゴールをイッキ見!】明治安田J2リーグ全ゴールまとめ【0803-0804】