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【J2:第4節 北九州 vs 横浜FC】レポート:暴風雨の中でも充実のゲームが展開。互いに風を読んでゴールを引き寄せ、勝点1を分け合う。(11.09.04)

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9月3日(土) 2011 J2リーグ戦 第4節
北九州 2 - 2 横浜FC (18:04/本城/5,012人)
得点者:7' 関光博(北九州)、9' 荒堀謙次(横浜FC)、31' 林祐征(北九州)、42' 宮崎智彦(横浜FC)
スカパー!再放送 Ch185 9/4(日)後02:00〜
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今宵も雨が本城のピッチを濡らしていた。何度目の雨だろう。今年はほんとうに雨が多い。それでも記者席のあるメーンスタンドからバックスタンドやゴール裏を見渡していると、黄色のポンチョに身を包んだサポーターの多いことに気づく。公式発表で5,012人。台風12号の影響が残る中で、たくさんのサポーターが訪れていた。「雨の日に足を運んでくれた2,000人、3,000人の人たちから始まり、今日の台風でありながらの5,000人に繋がった。いいサッカーができ、いい結果が出れば、サポーターが少しずつ感じてくれて増えていく。そういうふうに繋がっていくと思う」と三浦泰年監督。結果はドローだったが、その言葉のとおり、もう一度見たいと思わせる試合がピッチ上では繰り広げられた。

霧のように細かく注ぐ雨だけでなく、メーンスタンドから向かって左から右へと強風も絶えず吹いていた。このコンディションに両チームがうまく対応していく。

先制したのは風下の北九州。7分の右からのCKに関光博が頭で合わせゴールを奪う。このときCKを蹴った森村昂太は「内側に曲がらない風だった。(北九州の選手が)キーパーのところに固まっていたのでそこに置くような感じ」で、風にあおられにくいスピードのある低いボールを入れた。関が「ボールが良かった。ボールが良かったので練習通りに合わせた」と繰り返すほどの風を読んだ見事な供給と、もちろん関のタイミングを見計らった飛び込みで、7月24日の横浜FCとの前回対戦以来6試合ぶりとなる前半での先制点を呼び込んだ。

ただ横浜FCも水含みでスリッピーなピッチと風の影響を最小限に抑えるべく、浮き球ではなくグラウンダーで繋いでいく。狙いは明白で、「(アンカーが)ビルドアップすると食いついてくるし、ダイヤモンドの陣形なのでその両脇が開くことはわかっていた。そこを突くよう指示した」と岸野靖之監督。その狙いのとおり、早い時間からディフェンスラインと中盤の底とのギャップを突いてはチャンスを作る。9分にはディフェンスラインの前でボールを持った荒堀謙次が、藤田祥史に一度送ってから、そのリターンをゴールに流し込んで、試合を振り出しに戻した。

北九州はこのギャップに最後まで苦しんだ。
今節、北九州は累積警告でトップ下の安田晃大を欠いていたが、そこに左サイドハーフでプレーしていた森村を投入。左サイドにはサイドバックが本職の多田高行を置く布陣で臨んだ。また通常であれば攻撃時にはアンカーの桑原裕義が最終ラインに下がり、センターバック2人と桑原とで3バックを組んでいたが、この試合では桑原を中盤に残したまま『センターバック2人+サイドバック』での最終ライン形成に変更。カウンターを食らったときの中盤の枚数は足りてはいたが、サイドハーフの絞りが不十分で、結果として横浜FCの荒堀が入り込むスペースを与え、森村が戻ることで攻撃のテンポアップも遅れてしまった。

北九州は31分、クロスのこぼれ球を林祐征が押し込んで再び1点リードするが、42分には横浜FCが再び中央にできたスペースを突き、荒堀を起点に最後は宮崎智彦が勢いのあるシュートを放って再び同点に追いついた。

後半に入っても横浜FCの運動量は落ちず、ディフェンスラインも高いまま北九州陣内に何度となく攻め入った。ただ北九州は宮本亨と福井諒司が中心となって体を張ってペナルティエリア内での動きを止め、ギリギリのところで踏ん張った。風上に立った北九州の攻撃陣はセットプレーからもチャンスを作るが、クロスバーに嫌われるなど「ひとつの運、ボールが数センチ自分たちに優位なほうに転ぶことがあれば得点というものにも繋がった」と三浦監督も悔やむわずかな差でゴールラインを割れなかった。次第に運動量も低下。結局、後半はともに得点を奪うことができなかった。

前半の方が内容が伴い後半に足が止まるという、いつもとは逆パターンとなった北九州だが、「最後まで攻撃的な姿勢を貫いた」(三浦監督)ことは確かだ。メンバーの組み替えがあっても負けなかったことも大きな収穫でもある。一方で横浜FCも、高地系治が「6試合負けが無いということは、それなりの実力がついてきたということだと思う」と話すように、勝点3こそ奪えなかったが悪天候の中で勝ちに匹敵する勝点1を手にした。

雨にけむった本城。あいにくの天気ではあったが、選手たちには自信を与え、サポーターにもサッカーの醍醐味を分け与える好ゲームになった。2得点に絡んだ森村はすっと前を向き「こういう難しい試合は増えると思うが、修正しながら次に生かしていきたい。ネガティブには捉えていない」と話した。今日の試合をしっかり次に繋ぐ。その積み重ねが質を高めていく。痛み分けた勝点1は必ず勝点3へと昇華する。

以上

2011.09.04 Reported by 上田真之介
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