スカパー！生中継 Ch183 後05:50〜
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今季最初の対戦は8月14日に行われ、ホームの鳥栖が1-0で勝利を収めている。3月27日に予定されていた第4節が延期となり、ここに組み込まれたことで、3週間後の再戦となった。「また負けて、鳥栖に『ガイナーレは弱い』と思われたくない」と奥山泰裕が語るように、鳥取にとっては雪辱を期しての一戦となる。
鳥取は7月24日の徳島戦に0-2で敗れたところから、すべて完封負けでの5連敗を喫していたが（徳島戦後は4試合続けて0-1だった）、前節は岐阜に3-2で勝ち、久しぶりの勝利を収めた。先制された後に追い付き、再び突き放されて1-2で迎えた後半に、2得点を奪っての逆転勝利。今季初の逆転での勝利、昨季途中に大分から期限付き移籍で加入して以降、期待を集めながらも結果を残せていなかった地元・鳥取県出身の住田貴彦が、Ｊリーグ初ゴールとなる逆転ゴールを決めるなど、明るい話題の多い連敗ストップとなった。
「今までの試合と比べると質はかなり落ちていたのに、それでも勝てたので、サッカーって面白いものだな、と感じる」と松田岳夫監督が語ったように、全体的な内容は決して良くなかった。特に目立ったのは守備の乱れで、逆転した後の70分に相手が退場者を出したにもかかわらず、数的優位を生かせずに何度か大きなピンチを迎えるなど、試合運びにも課題を残している。ただし松田監督は「良いゲームができても、勝ちにつながらないと最終的な自信にはならないし、迷いも出てくる。勝ったこと、しかも逆転で勝ったのは大きい」とも語り、とにかく連敗を止めたことを前向きに捉え、今後の巻き返しにつなげていこうという考えだ。
一方の鳥栖は、冒頭に記した鳥取戦の勝利をきっかけに3連勝を飾り、Ｊ1昇格圏内を視界に捉えてきた。鳥取戦は42分に退場者を出し、試合の半分以上を10人で戦いながらも、前半の1点を守り切っての完封勝利。前節は水戸を1点差で振り切るなど、粘り強さが光っている。前節終了時点でリーグ2位の15失点という結果が示す通り、木谷公亮、呂成海の両センターバックを中心としたディフェンスラインは強固で、安定した戦いで勝点を伸ばしてきた。
勝敗のポイントの一つは、調子を上げている鳥栖の攻撃を、鳥取がいかに封じるか。4-3-3を採用している鳥取は、3トップが相手ディフェンスラインに的確にプレッシャーをかけ、まずは守備から主導権を握る戦いを目指しているが、最近2試合はうまく機能していない。勝利を収めた岐阜戦でも、前線に何度も縦パスを通され、後手に回る時間帯が多くあった。鳥栖は最近2試合、2列目の中央に入っている早坂良太にパスが通ると、良い形の攻撃を見せている。岡本知剛、藤田直之の両ボランチからの配球も攻撃のリズムを生み出す要因となっており、中盤の攻防を制した方が、試合を優位に進めるだろう。
もう一つは、どの試合も同様とはいえ、先制点をどちらが奪うか。前回対戦では開始わずか46秒で鳥栖が先制点を決め、序盤の主導権を握った。前節は逆転勝ちしたとはいえ、鳥取は今季、先制されると極端に分が悪く（1勝1分11敗）、同じ轍を踏まないためにも、守備の安定は勝利に欠かせない要素と言える。松田監督が昨季の就任以来、攻守の切り替えの早さを徹底して植え付けている鳥取としては、鳥栖の2列目の両サイド、金民友とキム ビョンスクが、攻撃から守備への切り替えが遅れがちになるところを突き、サイドで数的優位を作ることができれば、良い形で攻めることができそうだ。
8月はホームゲームが1試合だった鳥取は、9月は一転して、鳥栖戦を皮切りに4試合が組まれている（10日〈土〉vs岡山、24日〈土〉vs東京Ｖ、28日〈水〉vs草津）。「TiC鳥取県情報センターSPECIAL MATCH」「湯梨浜町・北栄町ホームタウン・デイ」の鳥栖戦に続いて行われる、10日の岡山との「陰陽ダービー」では、観客動員1万人を目指すプロジェクトも進行中。鳥取はＪ2昇格後、一度も連勝したことがないだけに、ここで初の連勝を飾り、その後の9月シリーズに向けて好スタートを切りたいところだ。
以上
2011.09.02 Reported by 石倉利英
