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【J2:第26節 鳥栖 vs 水戸】レポート:ミスに突け込み得点を奪い、自慢の堅守で守りきった鳥栖が3連勝を飾る。今季最多の16本のシュートを放った水戸は、あと一歩及ばず。(11.08.29)

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8月28日(日) 2011 J2リーグ戦 第26節
鳥栖 2 - 1 水戸 (19:03/ベアスタ/5,816人)
得点者:24' 豊田陽平(鳥栖)、30' オウンゴ−ル(鳥栖)、76' 塩谷司(水戸)
スカパー!再放送 Ch183 8/29(月)後01:00〜
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観ている側を熱狂させる展開だった。
悲鳴と歓声が絶え間なくスタジアムに響き、勝者のサポーターも敗者ものサポーターも惜しみない拍手で選手を慰労した。
細かなミスをあげればキリがないのがサッカーであるが、総括すると両者とも持てる力を出し切ったといえるのではないだろうか。
勝者となった鳥栖は最後まで全員が身体を張って守りきったし、敗れた水戸は最後まであきらめずに最後まで鳥栖のゴールに迫っていった。

「最初はプレスがかかっていたと思います。(中略)最初の数分間は良いプレスがかかっていたので、鳥栖はタテに蹴るしかなかった・・・(後略)」と柱谷哲二監督(水戸)が振り返ったように、試合の開始直後は水戸がペースを握った。
この日、初先発となったFW神村奨をDFの裏に走らせ鳥栖のDFラインを下げることに成功していたし、FW鈴木隆行は上手く中盤からのボールを引き出し、主導権を握っていた。
この段階で水戸に先制点が生まれていれば、今節の結果は違うものになっていただろう。しかし、その先制点は24分に鳥栖が挙げた。

この日、トップ下の位置で試合に臨んだMF早坂良太が、右サイドで水戸DFからボールを奪った。そのボールを中央で待ち受けていたのがMF岡本知剛で、ボールが来る瞬間に「前を見たらトヨさん(豊田陽平)が空いていた」(岡本知剛/鳥栖)ので、迷わずワンタッチでFW豊田陽平に預けた。
「トモ(岡本知剛)は、(周りが)見えるし、(パスを)出せる選手」と豊田陽平が評価するように、パスの出し手と受け手の意図が一致した瞬間だった。いや、この瞬間だけでなく、早坂良太がボールを奪いに行ったところからゴールまでのイメージを、3人で共有できた時間だった。この先制点で、流れは一気に鳥栖に傾いた。
この傾いた流れは、水戸のミスも誘発する。
30分には、水戸GK小野博信のクリアボールを拾ったMF金民友が豊田陽平につなぎ、水戸DFのオウンゴールを誘った。
「前半のミスからの2失点がとても大きかった」と柱谷哲二監督は悔しがったが、どんな形であれ「意図どおりに先制点をあげることができた」(尹晶煥監督/鳥栖)のは鳥栖だった。

水戸にしてみればミスから失った2失点かもしれないが、鳥栖から見ると、このミスを引き出す要因があった。10分過ぎあたりから、左右のMF(金民友とキム ビョンスク)が入れ替わって水戸の攻撃を封じ攻め続けたこともあげておかないと、この2得点の説明は完成しない。
前半は、鳥栖が勢いを盛り返して狙い通りにゲームを進めた内容だった。

しかし、後半に入ってこの勢いが水戸に移ってしまう。柱谷哲二監督が、後半開始から2人の選手を入れ替えたからである。
これは、キープ力と一人でも状況を打開できるMFロメオ フランクを前線に上げるためだった。この交代は、鳥栖に疲れを招き鳥栖選手を自陣に押し込むことになった。その結果、後半だけで9本のシュートを放つことができ、DF塩谷司の2試合連続ゴールを生んだ。しかし、最後までゴールを目指し続けたが、鳥栖の堅守に拒まれ後一歩およばなかった。

3本のシュートブロックに入ったCB木谷公亮をはじめ、身体を寄せてシュートコースを限定させた呂成海や素早い反応とコーチングで水戸の決定機を摘んだGK赤星拓など、全員が“守る”意識を保ち続けたことも、水戸の猛攻を1点で抑えた要因である事を付け加えておく。
J2の中で、試合数の多さが1位と2位の鳥栖と水戸。その長い歴史の中での語り草になる一戦だったと思う。

公式の記録には残らないが、シュートブロックやクリアなどもサッカーを構成する大事な要素である。
インターセプトもパスコースを消すポジショニングも、数値では残らない。セットプレーでのマークやヘディングでのチャージも記憶には残っても記録には記されない。それでも、選手たちは当たり前のようにこれらを行ない続ける。
得点者は一人であるが、その一人を生むために多くの過程を経ていることを忘れてはならない。
そこにサッカーの面白さがあるからである。

以上

2011.08.29 Reported by サカクラゲン
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