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【J1:第24節 清水 vs 横浜FM】レポート:どちらも攻撃の柱を欠く中でのスコアレスドロー。守備は安定していたが、それを攻めきる迫力と質は、お互いにやや物足りない内容に。(11.08.28)

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8月27日(土) 2011 J1リーグ戦 第24節
清水 0 - 0 横浜FM (19:04/アウスタ/17,162人)
スカパー!再放送 Ch180 8/30(火)前06:00〜
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お互いに攻撃の核が不在の中でのスコアレスドロー。どちらも勝点3だけを目指していただけに、もちろん結果には満足していないが、その中でどれだけ内容に手応えがあったのか。そういう意味でも、少し評価が難しいゲームとなった。

清水のほうは、ゴールの稼ぎ頭であり前線の起点でもある高原直泰が左足裏を痛めて欠場。横浜FMのほうは、前線でタメを作り、チャンスメイクの多くに絡む中村俊輔が左膝を痛めて不在。その代役としては、清水がアレックス、横浜FMは長谷川アーリアジャスールが同じポジションに入り、どちらもシステムは同じ形を維持して試合に入った。

立ち上がりは、横浜FMが持ち前の早い寄せを見せて清水に自由を与えず、奪ってからの速い攻撃でセットプレーの機会も何度か作り、押し気味の展開を作った。立ち上がりからポゼッションで上回りたかった清水としては、入り方に失敗した形だが、その後少しずつ自分たちのペースを作っていけたのは、チームの進化を見せた部分だ。
10分を過ぎたあたりから徐々に清水が落ち着いてボールを回すようになり、機を見てミドルシュートを放ちながら自分たちのペースを作っていった。さすがに中央のアレックスのところは、横浜FMの強力なセンターバックコンビに抑えられてなかなか起点にはなれず、ミスもまだ目立っている。だが、連戦の疲労がある中でも、サイドに起点を作りながら冷静に自分たちのサッカーを作っていこうとする姿勢が、チームに十分浸透していることはうかがえた。
また守備に関しても、「ディフェンスのオーガナイズはできており、相手にチャンスを与えていない」と清水・ゴトビ監督がハーフタイムでコメントしたように、早い攻守の切りかえで組織を保ち、前半の横浜FMのシュート数をわずか2本に抑えた。そのうち1本は岩下敬輔のヘディングミスから小野裕二に打たれた場面なので、守備に関しては自分たちのサッカーが十分にできていたと言える。

横浜FMのほうも、徐々に主導権は握られたが、守備に関してはペナルティエリア内でのシュートは打たせず、最後のところでの安定感は相変わらず。しかし攻撃に関しては、中村不在の中で「前の3人の関係性がちょっとずつ違っていて、この前までは収まっていたところで収まらなかった」(小林祐三)という原因により、前線で起点ができなかったのが大きな課題。
そのためDFラインを押し上げることも思い通りにできず、選手間の距離が遠くなってパスがなかなか縦につながらない。その結果、後方からのロングボールが多くなり、高い位置でボールを奪う場面も少なくなって、前半の途中からはなかなか攻撃のリズムを作れなかった。
結果的に、両チームとも見せ場が少なく、1万7千人以上が集まったスタンドのファンにとっても、盛り上がりに欠ける前半となってしまった。

後半も、立ち上がりは前半と同様に横浜FMが押し込むが、逆に清水のほうがカウンターからあと一歩で決定機という形を作り、再びペースをつかんでいく。ただ、そのカウンターの過程でも、肝心のところでパスミスが出て攻撃が途切れてしまう場面が目立ったのは、以前からの継続的な課題と言える。それでも、後半38分までは横浜FMにシュートを打たせず、自分たちのペースで試合を進められていたのは、やはり清水のほうだった。
ただし、交代策が機能したのは横浜FMのほうだった。後半12分に大黒将志に代わってキム クナンが前線に入り、その高さとスピードを生かして長いボールを自分たちのものにする場面を増やしていった。逆に清水のほうは、疲れが出始めると共に徐々にDFラインが下がっていくのは、このところ毎試合見られる悪いクセ。そのためセカンドボールを横浜FMが拾う場面も増えて、終盤は横浜FMのほうが主導権を握った。

そして、後半38分にはカウンターからキムが裏に飛び出し、GKもかわして決定的なシュートを放つが枠を外してしまう。41分にも右クロスからゴール前で谷口が決定的なチャンスを迎えるが、シュートはクロスバーに当たってゴールならず。惜しかったという意味では、横浜FMのほうがより惜しい場面を作ったが、後半のシュートはこの2本だけだった。
清水は、アディショナルタイムに入って2度のチャンスを作ったが、100%に近い決定機というのは一度も作れず、横浜FMの堅守を攻め崩せたかと問われると微妙なところ。したがって、客観的な視点からみれば、お互いに守備優位の戦いとなった中で0-0という結果は妥当なものと言えるだろう。
だが、最後まで全力で戦い抜いた選手たちにも、最後まで勝利を信じて応援を続けた両チームのサポーターにも、スッキリしない思いが残ったことも間違いない。「○○がいないからダメだった」と言われるのは、選手たちにとってはいちばん悔しいこと。次はそう言われることがないように、両チームとも2週間のインターバルで心身をリフレッシュし、さらにプレーの質を高めていくことを期待したい。

以上

2011.08.28 Reported by 前島芳雄
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