8月27日(土) 2011 J2リーグ戦 第26節
横浜FC 2 - 0 草津 (18:03/ニッパ球/4,230人)
得点者:17' カイオ(横浜FC)、70' 野崎陽介(横浜FC)
スカパー!再放送 Ch182 8/28(日)深00:30〜
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「草津は前から来ない、だからどう(横浜FCの)後ろ(DF)から相手の守備を緩めるか」と横浜FC・岸野靖之監督が試合後の記者会見で述べたように、横浜FCにとっては草津の守備の網にはまらないようにしながら、いかにペースを掴むかが大きなポイントだった。ボールを捌くことができる、松下裕樹、櫻田和樹の両ボランチの近くでボールを失うと草津のカウンターの芽を作ってしまう。その答えは、草津のDFラインとその背後にあった。
その狙いは、開始7秒の最初のプレーから明確だった。中野洋司からのロングフィードは野崎陽介に。その野崎がヘディングで裏に逸らしたボールに藤田祥史が飛び込む。このパスは藤田祥には通らなかったが、裏に逸らす選手、入り込む選手は状況に応じて変わりながら、また左右を問わずこの狙いを徹底する。この狙いに、草津はうまく対応されず裏のスペースを与えてしまう。自然と、横浜FCが主導権を握る形となる。そして、このペースを握っている時間に、横浜FCが先制する。17分、草津から高い位置でボールを奪うと、一度下げて作り直し、右サイドでクサビを入れる。そして草津の守備を右に寄せると、高地系治の芸術的なアウトサイドのサイドチェンジから、オーバーラップした宮崎智彦にスルーパスが渡り、ピンポイントのクロスがボールウォッチャーになった草津DFの間に入ったカイオに入り、やすやすとヘディングシュート決める。サイドの裏のスペースに草津の守備の意識を集中させて、繋ぎながら左右の揺さぶりでゴールを奪う理想的な展開だった。
草津も失点後、アレックスのボールを引き出す動き、そしてゴール付近のエリアにボールを入れて人を掛けるようになり、反撃を開始。ダブルボランチが前向きにボールを持てるチャンスでは、横浜FCのバイタルエリアの守備が少し弱いところを利用し、何度かチャンス寸前まで行くが、決定機になる前に体を張った守備も織り交ぜながら横浜FCが守り切り、前半は1-0で折り返す。
草津は、「ビハインドになったので推進力を上げたい」(副島博志監督)という狙いで、後半頭から攻防のポイントであったサイドバックを佐田聡太郎から古林将太に代えるが、前半見せていた攻撃のパワーはそれほど上がらず、横浜FCのパスワークに後手を踏む時間が徐々に長くなっていく。藤田祥が献身的にロングボールを確実に収めることができるようになっていることもあり、精度の高いカウンターを何度も仕掛けることに成功。そして、70分のカウンターの場面で野崎がハーフウェーライン手前から、相手キーパーが前に出ていることを確認してロングシュートを放つと、綺麗な軌跡を描いてゴールに吸い込まれる。その前から、キーパーが前に出る癖を見抜いてチャンスをうかがっていた「乗っている男」野崎のファインゴールで2-0と突き放し、事実上試合を決めた。草津も後半7本のゴールを放つが、松下、櫻田、熊林親吾の距離があるシュートがほとんどで、決定的な脅威を与えるまでには至らなかった。
横浜FCは、これで8月の4試合全勝の4連勝を飾った。それも4試合連続無失点と、守備の安定がチームの大きな力となっている。守備に切り替えるときの意識の高さ、最後に一歩前に出る粘り強い守備など、チーム全体で簡単に失点しない体質ができつつある。そして、特に左サイドの宮崎、野崎、カイオのコンビネーションの質が試合を追う毎に向上しており、「あまり言いたくない」と断りつつも、「あそこ(左サイド)の関係は非常に良くなっているし、中で入る受け方は僕から言わせるとタイミング抜群」と岸野監督が振り返るように、横浜FCの大きな見所になりつつある。さらにこの長所を回りが生かせるようになっており、この4連勝でチームは大きな礎を築いたと言って良い。
一方の草津にとっては、良い形がほとんどできずに敗戦。熊林は「簡単なミスが出たし、そこが横浜FCとの差」と、相手との差の実感を口にしたが、チームとして求める中盤でのビルドアップから攻撃をレベルアップさせるために、この試合でうまく行かなかった点をどのように修正できるか。「J2の中位は、隙を見せた方が負け。誰か良い選手を取ってくればいいというものではない。個々の選手が練習でレベルアップするしかない」という熊林の言葉の通り、より高いレベルのプレーに向けた課題を突き付けられた試合となった。
試合終盤には、フランサも登場。数少ないタッチだったが、そのプレーの質はニッパツ三ツ沢球技場に集まった4,230人も確かめることができた。フランサがいない時間に見せた横浜FCの強さ、そしてフランサが加わることで付け加わる伸びしろ。横浜FCの上昇の階段が見えてきた。
以上
2011.08.28 Reported by 松尾真一郎
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