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前節、川崎フロンターレとの一戦で６−３と大勝し、今季初めて『首位』の座に立ったガンバ大阪。とはいえ、残り試合数を考えればこそ、この状況に浮き足立つ選手は一人もいない。しかも今節の相手は、勝点で並ぶ２位の柏レイソル。掴んだ『首位』の座を手放さないため、また、「上位チームとの直接対決はある意味、勝点６の重みがある」（MF二川孝広）と考えるからこそ、ホームの地で再び勝点３だけをターゲットに据えた戦いを繰り広げる決意だ。
西野朗監督をはじめ、キャプテンMF明神智和やDF中澤聡太らの古巣ということもあって、毎回、注目を集める同カードだが、J1リーグでは２年ぶりの対戦となった前半戦のアウェイでの戦いにおいては、その時点で首位に立っていた柏を圧倒する中で２-４と勝利。FWアドリアーノの中東移籍直後の難しい戦いではあったものの、内容的にもG大阪らしいパスサッカーを思う存分見せつけて、柏を黙らせた。但しだからこそ、今節の柏はそのリベンジという思いを強く抱いて万博に乗り込んでくるに違いない。G大阪としては柏の勢いを受けて立つことのないよう、ここ数試合で示し続けているG大阪らしい攻撃力で先手をとった戦いに持ち込みたい。
７戦負けなしの戦いを続けるG大阪だが、正直なところ連戦による疲労は否めない。22日の非公開練習後に「紅白戦などをやれる状態ではないので…ほぼ散歩しかしていません」と話したのは西野朗監督だが、これだけ試合が続いているからこそ、試合のない日はコンディションを調整するので精一杯という状況。実際、前節の川崎F戦でも、失点シーンも然り、いつもならチェックにいけるところで足が止まったり、身体がついていかなかったりというシーンもいくつか見られた。「２点を先行しながら３点を獲られるという展開は余計疲れを増すだけに、リードした状態で後半を迎えるのが理想」とはMF遠藤保仁の言葉だが、まさにその通りで、だからこそ今節では、先行した展開を目指すことはもちろん、その後の時間帯で“先手”をいかにアドバンテージにして戦えるかもポイントになってくるだろう。特に今節は右サイドバックのDF加地亮が警告累積により出場停止となる。それによってDFラインの顔ぶれが必然的に変わることを踏まえても、今いちど、チーム全体としての守備の確認を徹底する中で戦いに挑みたい。
注目は中盤の要、MF明神。連戦の中、前節は62分からの途中出場となったMF明神だが、フルで戦わなかった分だけコンディションをやや回復させて今節を戦うことができる。しかも、前半戦では古巣との対戦を楽しみにしていたにも関わらず、直近の試合で負ったケガのため欠場となったことから、今対戦に賭ける思いは強い。前節の川崎F戦でも短い時間ながら一気に試合の流れを変えたMF明神だが、今節もまた、彼らしいハードワークで攻守に存在感を示してくれることだろう。
「古巣との対決は毎回、個人的にも楽しみにしているし、どうしても出たいと思う試合の１つ。それに今回は首位対だけに、余計に楽しみな気持ちは強い。ただ前半戦で勝利したからとか、J2から昇格したばかりのチームだからという風に柏を見ていたら足元をすくわれる。名古屋戦のように全員が気持ちを全面に押し出して勝ちにいかないと簡単に勝点３は手に入らないと思うからこそ、名古屋戦のような入りを心掛けたい」（MF明神）
対する柏は前々節の磐田戦こそ、今季最多となる６失点を喫して大敗したが、前節の福岡戦ではそれを引きずることなく３−２と勝利。最下位の福岡相手とはいえ、先手をとられる展開、DFパク ドンヒョクの出場停止、FW田中順也に加えてエースFW北嶋秀朗のケガによる離脱と、苦しい状況が重なったにも関わらず白星を引き寄せられたことはチームとしても自信になったことだろう。そのFW北嶋は左大腿後面筋損傷で全治約８週間と診断され今節も欠場は決定的だが、そこは現時点でチーム最多ゴールを数える好調のFWレアンドロ ドミンゲスをはじめ、福岡戦で今季初の先発出場を飾り、ゴールを挙げたFW林陵平らの奮起に期待したいところ。前節では福岡のDFラインの背後を徹底して突きながら揺さぶりをかけ、ゴールを奪った柏だが、そうした攻撃は高いDFラインを敷くG大阪にも有効なはず。また、前半戦でのG大阪戦における敗因の１つが「巡って来たチャンスに対する決定力の差」（ネルシーニョ監督）だと考えればこそ、アウェイの地でチャンスを確実にゴールへと繋げる決定力に拘りたい。
以上
2011.08.23 Reported by 高村美砂
