スカパー！生中継 Ch185 後06:20〜
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Ｊ２は、今節から後半戦へと突入する。首位で折り返したＦ東京は、真夏の味スタに12位の草津を迎える。Ｆ東京にとっては、3ヶ月前の借りを返すリベンジマッチだ。前回の対戦は、5月14日のリーグ第12節。Ｆ東京はまさにどん底にいた。Ｇ大阪へと移籍した、ＦＷラフィーニャに2ゴールを奪われて1-2で敗戦。大熊清監督も、「Ｊ２の洗礼を浴びた試合だった」と振り返るほど、草津の徹底したロングボール策の前に敗れ去った。また、その試合でＦＷ高松大樹が負傷退場し、チームコンセプトの根幹であった前線の高さを失った。前回の対戦以降、パスを繋ぎ倒すスタイルへと回帰してチームは上昇気流に乗った。今度は、追い求める東京のスタイルを草津にお見せする番だ。
草津は、ラフィーニャが去り、前線からの守備をベースにチームを再建しつつある。攻撃は、軸を前線から中盤に戻し、ＭＦの松下裕樹と熊林親吾を中心に攻撃を組み立てるようになった。前線は、動き出しに優れたＦＷ後藤涼と、高さのあるＦＷアレックス、ＦＷ萬代宏樹を対戦相手によって使い分けている。ここ3試合、2勝1分と勢いも戻ってきた。
そして、草津は、ここ数試合、多くのチームが実践するＦ東京対策を打つ可能性が高い。その対策を顕著にしてきたのが、前節対戦した岐阜だ。最終ラインの4枚に対して、相手ＦＷと中盤のサイドの選手がプレッシャーを仕掛けて、東京のビルドアップを封じてきた。試合には2-0で勝利したものの、試合内容が芳しくなかったのはそのためだ。
「ここからは、2度目の対戦となる。ここ2試合、前線から相手が、はめてくるようになった。特に岐阜戦は、ボランチまで含めて6、7人ぐらいが自陣の中まで入り込んでプレッシャーを掛けてくるようになった」（ＤＦ中村北斗）
岐阜のように多くのチームが、最終ラインを高めに設定し、前線からプレッシャーを仕掛けてＦ東京のミスを誘うようになってきている。ただ、この思い切った策を取られてしまうのも、「相手に背後がないと思われている」（大熊監督）からだろう。ＭＦ羽生直剛が抜け出すものの、それに続くフィニッシャーがここ数試合は精細を欠いてきた。それでも無理強いして縦に急いでミスを犯し、自陣と、敵陣の行き来が激しいゲームをしてしまっている。ただでさえ夏場のゲームだ。特に、ゲーム終盤に運動量は落ちてくる。もっとボールを大切にするサッカーをしなければいけない。「多少ＤＦラインの方に重たくなってもいいから、もう一度、後ろから組み立てていくようにしようということを選手で話し合った。そこで時間を作っていけば、相手の体力も落ちてくる。追うのが辛くなってくれればいい」と、ＤＦ徳永悠平。チームは今週、夏仕様のサッカーに少し遅い衣替えを図ってきた。さらに繋ぎ倒すスタイルを強め、草津へのリベンジを狙う。
また、Ｆ東京は、今夏のウインドーで甲府からＭＦ永里源気と、ギリシャからＦＷ坂田大輔を獲得した。ＦＷ鈴木達也が「ちょっと強すぎるかな」と苦笑いするほどの十分過ぎる刺激がチームに加わった。前線の選手たちにとっては、ここからチーム内の激しい競争を勝ち抜かなければ、ゲームに出場することさえも難しくなっていく。前線の攻撃的な選手が余剰気味な一方で、前線と、中盤を繋ぐＭＦ羽生や、中盤と、最終ラインの間でバランスを取るＭＦ高橋秀人のようなパイプ役のバックアップはやや不足気味だ。「高橋や、田邉（草民）は試合経験を積んで成長した」と、指揮官が語るように彼らのバックアップも育てなければいけない。まだまだ先は長い。Ｆ東京は、残り半分で、さらに上を目指す。その折り返しとなる初戦は、明日18時半、味の素スタジアムでキックオフする。
以上
2011.08.12 Reported by 馬場康平
