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【J2:第24節 熊本 vs 大分】熊本側プレビュー:立ち直る最良のすべは、勝利という結果を得ること。過去3戦連続ドローの大分を迎える熊本が、連敗脱出をかける。(11.08.12)

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8月13日(土)J2 第24節 熊本 vs 大分(19:00KICK OFF/熊本チケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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この4週間で情勢は変わった。F東京、湘南、岡山と続いたアウェイ3連戦で今季初、そして高木琢也監督が就任した昨シーズンからを含めても初めての3連敗。しかもこの3試合、1度も相手ゴールのネットを揺らせなかった一方で失点は10と、序盤の好調を支えてきた守備が決壊している。

とくに前節はG大阪から期限付き移籍で加入したばかりの菅沼駿哉を早速スタメンで起用し、またチョ ソンジンも2試合ぶりの先発と、センターバックの入れ替えによる連携不足が少なからず失点に影響したことは否めない。だがそれ以前の問題として、ボールに対するアプローチや攻守の切り替え、運動量、1つ1つの判断のスピードと質、さらにはメンタルなど、あらゆる面で甘さが露呈したことも要因。この3連敗で、それまでの5位から11位と順位も大きく後退し、現時点では今季掲げた目標も遠くかすむ状況であると言わざるを得ない。

それでもリーグはまだ折り返し地点。残りの半分をどう戦い、どこにたどり着くかは自分たち次第だ。直近の結果は現実として受け止めた上で、改めて自らのよりどころを見つめ直せば、再び浮上する余地は十分にある。「自分たちは走ってナンボ、追っかけてナンボのチーム。この数試合はそれが出せていなかった」と市村篤司が言うように。

そうした厳しい状況でホームに迎えるのは、過去3試合がすべてドローに終わっている大分。リーグ後半のスタートという意味でも節目となる試合で、大分からの、そして今シーズンの「バトル・オブ・九州」での初勝利をつかみ、まずは連敗を脱して1歩踏み出さなくてはならない。

勝利のためには、やはり先に点を与えないことが必須条件だろう。前回の対戦でも得点を許した西弘則、連続ゴール中の前田俊介ら大分の攻撃陣は好調で、失点が続いている熊本にとってはFW森島康仁の出場停止もさほど明るい材料にはならない。ただ高木監督は、ここ最近の失点の要因として「セオリー通りのことができていない」ことを挙げる。前節の失点シーンを振り返れば、シュートへの寄せやクロスに対する準備、セットプレーにおけるマークなど、やるべきことができていなかった。さらに「守備で走る距離が短い」こと、1枚だけでなく「2人目、3人目が連動してボールを奪いにいく粘り強さ」が欠けているとも指摘。つまり、ここまで培ってきたコレクティブな守備を崩されているわけではない。裏返せば、1人ひとりが前述したようなベースの要素を思い返し体現しさえすれば、自信を取り戻すことはできるはずだ。

そんな中、(本来これは加入間もない選手が担う役割ではないと思うが)新加入の菅沼がチームに刺激を与えそうな存在感を見せているのは心強い。今週のトレーニングでは、大きな声でコーチングする姿が目立ち、時に最年長のエジミウソンと激しく意見をぶつけ合う場面もあった。
「年上の選手や経験のある選手には言いにくいのかなという雰囲気があるけど、『こうしていれば守れていたのに』というシーンがあると悔しい。お互いを理解するには衝突しても言い合うしかないし、この1週間はコミュニケーションを意識してやってきた。連敗中ですけど、自分が入ったことで流れが変わったと思ってもらいたい」。前節の屈辱を晴らすべく加入後初のホームゲームに臨む菅沼は話す。

深刻なのはむしろ攻撃面だ。ここまでの総得点15という数字は、20チーム中ワースト2。最近はシュート自体が少なく、「相手にとって脅威にならない」(市村)攻撃を繰り返している。この点を覆すには、もちろん精度や相手の守備組織を崩すコンビネーションも不可欠だが、守備とは逆に、よりイマジネイティブで「大胆なプレー」(高木監督)が求められよう。例えば前節対戦した岡山・影山雅永監督の試合後のコメントも1つのヒントにはなる。つまり「安パイのプレーばかりでは点は取れない」ということだ。

出し手の判断の遅さやイージーなパスミス、受け手とのタイミングのズレやイメージの共有ができていないといった要因もあって攻撃がノッキングしているが、追い越してスペースに飛び出すようなボールを引き出すためのフリーランニングなど、前線でのモビリティが欠如していることも無視できない。出場停止の根占真伍にかわって先発が濃厚な吉井孝輔が話していたが、「自分が受けるためだけじゃなくて、周りの誰かが使えるようなスペースを作るためのムダ走りをしないと」チャンスは生まれない。

大分は前節対戦した岡山と同じ3-4-3のシステムをとっていることから、3バックのサイドを狙うという共通点はあろうが、「やり方が岡山とは違う」と高木監督は話す。常に張った状態の両ワイドに引き出されて中央のスペースを開けてしまうと、流動性のある2シャドウにかき回されかねないため、守備の面ではいかにバランスを取って中を締めるかがポイントとなろう。その意味で、意見をかわした菅沼らセンターバックとボランチのエジミウソン、さらに吉井らサイドMFとの連携が鍵になる。攻撃は先に述べたアグレッシブさを土台に、両ワイドの裏と3バックの脇のスペースを突くこと、宮沢正史と井上裕大のボランチにギャップを生み出すことを狙いたい。マーカーを引っ張る動きやボールを追い越す動き、またワンタッチパスなどを交えてテンポに緩急をつけることも必要。そして何より、シュートまで持ち込むことだ。

この6試合で熊本は十分屈んだ。あとは高くジャンプするしかない。

以上

2011.08.12 Reported by 井芹貴志
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