8月6日(土) 2011 J1リーグ戦 第20節
柏 2 - 0 横浜FM (19:04/柏/11,051人)
得点者:8' レアンドロドミンゲス(柏)、66' ジョルジワグネル(柏)
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「ミスターマリノス 松田直樹3 これからも俺たちと共に」。
横浜FMのゴール裏に掲げられた横断幕、そしてサポーターからは在籍時に歌われた松田の応援歌が日立台に響いた。その歌声に柏サポーターも手拍子を送り、柏のゴール裏からも「松田直樹の熱き魂を忘れない」との横断幕が掲示された。松田直樹への追悼の意を込め、注目の首位攻防戦が幕を開けた。
序盤のペースを握ったのは柏。横浜FMは1ボランチゆえ小椋祥平の周りにはスペースができやすく、レアンドロ ドミンゲスはその周辺で味方からパスを引き出そうとしながら、中村俊輔や兵藤慎剛がそのエリアを警戒すれば今度はサイドのスペースを利用する。柏の先制弾は、そんな外と中の使い分けが顕著に表れたゴールだった。
左サイドのジョルジ ワグネルの対応に小椋が引き出されると、当然中盤の底には広大なスペースが生じる。レアンドロ ドミンゲスはその広々としたゾーンの中でボールを待ち続ける、いわば“どフリー”の状態にあった。8分、小椋のパスミスを北嶋秀朗が拾い、兵働昭弘からレアンドロドミンゲスへ。すでにスペースを得ていた柏の背番号10は狙いすましたミドルシュートを放つ。氷の上を滑るかのような弾道がゴール左下に突き刺さった。
柏と横浜FMには強固な守備とゲームコントロールの妙があり、先制した試合は柏が10勝1敗、横浜FMが8勝2分というともに高い勝率を誇る。したがって、この序盤の先制点は、その後の試合が柏のペースで進んでいくことを意味していた。横浜FMは中村が低い位置まで降り、パスを配ろうとはするものの、柏の作り上げる守備ブロックの前にバイタルエリアでのスペースを得られず、クサビの縦パスなど前線への効果的なボールがほとんど入らない展開が続いた。
ただし、横浜FMには劣勢時や停滞時でも、それを瞬時に無効化できるセットプレーという強大な武器がある。33分、中村のフリーキックから、セカンドボールに素早く反応した大黒将志がシュートを放つ。横浜FMの前半最大の決定機は、GK桐畑和繁が無難に処理をした。
後半は「今日はサイドの攻防はひとつポイントになる」と木村和司監督が勝負どころとして挙げたサイドに起点を置き始めると、谷口博之が両サイドに流れ、そこに2列目やサイドバックが絡むことで攻撃に厚みが出る。60分のキム クナンの投入も、頻度の高まったサイド攻撃からクロスボールを狙う意図があったのだろう。だが「高い位置で起点ができればもっとよかったが」と悔やむ木村監督。サイドから敵陣を深くえぐる攻撃とまではいかず、決定機につながらない。しかも両サイドバックが前目に重心を置くため、自陣は手薄になってしまう。
そんな横浜FMの陣形を見定めながら「切り替えはうちが勝っている、出足はうちの方が早い」と栗澤は感じ、奪った瞬間にはスペースを目掛けた攻撃を意識しながら試合を進めていた。そして、前半から何度か見せていたカウンターが66分、ついに炸裂する。栗澤からパスを受けたレアンドロ ドミンゲスは「ジョルジ(ワグネル)が上がってくるのを感じた」という。左足のワンタッチコントロールで振り向き、右足で左サイドを颯爽と駆け上がってくるジョルジ ワグネルへスルーパスを通す。ジョルジの左足がネットを揺らし、柏がリードを広げた。
終盤は横浜FMがリスクを厭わない姿勢とキム クナンへのパワープレーで嵐のような猛攻を柏に浴びせる。74分、キム クナンの落としから兵藤が放ったシュートはゴール左へ逸れる。80分、中村のフリーキックは右ポストを直撃。アディショナルタイムには大黒がネットを揺らしたかに見えたがオフサイドの判定となる。猛攻実らず、結局試合は2−0のまま柏が重要な首位攻防戦を制した。
90分を通して見れば、おそらく決定機の数は柏も横浜FMも変わりはなかっただろう。「最後の決定的な仕事する人が向こうにいた」とは木村監督の言葉であるが、決定力の差と、より老獪なゲーム運びで柏がわずかに上回ったというだけで、出来自体は悲観するものではなかった。確かにこの敗戦で首位からは陥落したが「マツさんは絶対に諦めなかった」と中村が語ったように、松田の熱い魂を受け継いだトリコロールの軍団が、たったひとつの敗戦で失速するとは思えない。次節、アウェイの神戸戦で巻き返しを図る。
一方、首位を奪回した柏には、前半戦で快進撃を見せていた頃の老獪な姿が戻ろうとしているのは非常に大きなことだが、横浜FMとの勝点差はわずかに1。「これを続けていかなくてはいけない」(栗澤)、「僕らはまだ何も成し遂げたわけではない」(桐畑)と選手たちも首位攻防を制した直後からすでに気を引き締めている。柏と横浜FM、そしてG大阪や名古屋を加えた首位戦線は、今後さらにヒートアップしていくに違いない。
以上
2011.08.07 Reported by 鈴木潤
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