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【J2:第3節 栃木 vs 鳥取】レポート:夏の夜空に響いた「県民の歌」。共に走り、共に闘い、掴んだ勝点3。栃木は6月19日以来のホーム勝利。鳥取は前半の試合運びに課題を残した。(11.08.07)

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8月6日(土) 2011 J2リーグ戦 第3節
栃木 1 - 0 鳥取 (18:03/栃木グ/3,054人)
得点者:29' サビア(栃木)
スカパー!再放送 Ch185 8/7(日)後03:00〜
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思いは届いた。「共に勝利を」。木曜日、練習場に掲示された弾幕は、試合当日にも選手を出迎える際に掲出された。サポーターは再び、「共闘」を訴えた。

その思いを真っ先に体現したのは、キャプテンの落合正幸。鳥取ボールのキックオフ。すぐにボールを奪い取りたい落合は、待ち切れずに主審に制止される。それでも、戦う気持ちを前面に押し出した落合は、フライング気味にボールへと喰い付いた。闘志を漲らせるキャプテン。触発された選手は馬車馬のように走り、球際では激しく体を寄せた。サビアは味方を信じてゴール前に走り込み、決勝弾を突き刺した。途中で息は切れ、大久保裕樹の言葉を借りれば、「チームが呼吸できない感じ」にもなったが、ディシプリンを持ち、ハードワークを貫き、グリスタでは6月19日以来の勝利を掴み取った。

夏の夜空に響いた「県民の歌」。前傾姿勢で歌うもの、エンブレムを掴んで歌うもの、肩を組んで左右に揺れながら歌うもの。それぞれに県民の、県民による、県民のための、魂の歌を歌いあげた。
「勝って歌えたことは嬉しい。感動した。言葉自体は理解できなくても、サポーターが支えてくれているのが伝わった」
殊勲のサビアは、初体験の「県民の歌」の感想を、そう述べた。人懐っこい陽気な笑みを浮かべながら。勝利は、県民の歌は、栃木県に栃木SCがあることは、無上の喜びだ。

先に仕掛けたのは、負けられないホームの栃木だった。連係プレーから杉本真がシュート。元栃木、鳥取のGK小針清允の好守に阻まれるも、高い連動性を活かした崩しから、何度もフィニッシュに持ち込んだ。FKから24分に大久保が雪崩れ込んだシーンは、再びGK小針に防がれるも、ここ数試合途切れていた流れの中からのゴールは29分に生まれる。落合がサビアにクサビを入れ、落としたボールをリカルド・ロボが右へさばく。サイドを駆け上がった水沼宏太が放った矢のようなクロスを、ファーサイドのサビアがダイレクトで叩き込んだ。前節の京都戦のように低い位置に構え、8人でブロックを固めることはせず。ルーキーらしくチャレンジ精神に溢れた鳥取だが、「ボックス近辺でフィニッシュせずにパスを狙った消極的な部分があった」(松田岳夫監督)ことで、前半はシュート2本に終わる。

後半は互いにチャンスを作り出し、一進一退の攻防が続いたが、ハメドのボールタッチが増えるに連れて流れは鳥取に傾いた。60分には中央から、81分、82分、85分には両サイドから攻め立てた。しかし、ポストに嫌われるなど、決定機を生み出しながらも決定力に泣いた。

鳥取は3試合連続無得点で連敗。「チームとして点が取れないのは課題。ここ何試合か続いているが、それが今日も出た。ただ、ボールは運べていた」とはGK小針。松田岳夫監督も結果に関しては、「ネガティブには考えていない」。志向するパスを繋いでシュートまで至った。思い描いたサッカーはできた。後半45分は。ここが問題だ。小針が指摘する。
「前節もそうだが、先制されてから点を取らないといけない、ある程度リスクを冒さないといけないとなる」
拮抗した試合展開の中で、自分達のサッカーができる時間をどれだけ増やせるか。恐れ知らずの冒険心と豊富な運動量を武器に、尻に火が付かなくとも積極的に仕掛けていきたい。

無敗記録をクラブ最多の12試合に伸ばした栃木。内容には改善すべき点が多々あるが、「これまでの試合に比べて前に行けるシーンが増えた」と水沼が言うように、攻撃にダイナミズムが出て来たことは好材料だ。とりわけ鳥取戦では右サイドからの攻撃が冴え、アシストを決めた水沼はもちろん、赤井秀行のパフォーマンスは出色だった。FWに斜めに入れるボール、敵陣深い位置への飛び出しは、相手に脅威を与え続けた。赤井の攻め上がりを助長したのは、他でもないブラジル人2トップ。ここ最近は精彩を欠いていたロボだが、今週のトレーニングで松田浩監督と腹を割って話したことでモヤモヤが解消され、運動量と前線での力強さを取り戻した。最低限、前半のようなプレーが出来れば周囲は助かる。サビアが阿吽の呼吸でロボと良好な関係性を築きつつあるのも心強い。補完関係が構築されれば、ゴールの確率は上がり、昇格への道筋もはっきりと見えてくるはずだ。

「勝点3は何よりも重い。積み重ねていくだけ」
鳥取戦の勝利の意義を、そう語った松田浩監督。無敗街道を突き進む中、引き分けが先行していたが、ようやく6勝6分と成績をイーブンに戻せた。勝ち切れない閉塞感、“夏バテ”の症状は幾分か和らいだ。相性のいい次節の横浜FC戦では、活力がさらに回復するような勝利を飾りたい。

以上

2011.08.07 Reported by 大塚秀毅
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