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【J2:第23節 京都 vs 鳥取】レポート:互いに攻撃姿勢を示した好ゲーム。京都がホーム4試合ぶりの勝利をサポーターと喜ぶ。(11.08.01)

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7月31日(日) 2011 J2リーグ戦 第23節
京都 1 - 0 鳥取 (18:04/西京極/5,204人)
得点者:61' 秋本倫孝(京都)
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互いに持ち味を出した激戦は、京都が秋本倫孝のゴールを守り切り勝点3を挙げた。

京都は伊藤優汰が出場停止から戻り、鳥取は阿部祐大朗が前線に戻り、鶴見聡貴が左サイド、実信憲明がボランチに入った。
試合は、その伊藤優汰の突破から京都が早々にCKを取り、幕が開けた。優勢に試合を進めそうな京都だったが、7分にハメドから裏を走った小井手翔太に送られ、中央マイナスのクロスにファールを冒し、エリア外正面で鳥取にFKを与えてしまうなど、全体的に京都が主導権を握るも、鳥取に隙を突かれる展開となった。
互いに決定機も作る。13分に右サイドを深くえぐった伊藤からフリーのドゥトラへ。鳥取は32分、小井手に左サイド深く裏をとられるとクロスを上げられ、阿部の頭、こぼれを鶴見と、立て続けにゴールを脅かされた。

後半、京都はドゥトラに代えて久保裕也を投入。前線から積極的に守備を行い、鳥取を押し込む。そして60分、チョンウヨンのブレ球ロングシュートで右のCKをとると、このボールを安藤淳が絶妙トラップからシュートを放つ。これがブロックされて今度は左CK。このボールに京都の選手が飛び込むと、その裏で秋本倫孝が右足で押し込み、61分、京都が待望の先制点を挙げる。

これを受け、鳥取は梅田直哉、岡野雅行を投入し、反撃に出る。67分には小井手から、上がって来た丁東浩に渡りシュートを放つと、75分にはサイドに開いたハメドから、駆け上がった服部年宏へクロスを上げられるなど、京都は押込まれる。しかし、京都も途中出場のハウバートダンが右サイドで裏をとると、逆のポストに詰めた、同じく途中出場の宮吉拓実へクロスを送られ決定機を作る。
その後もアディショナルタイム3分にハメドのシュートを実信に詰められるなど鳥取の攻撃を受けた京都だったが、無失点で切り抜け勝利し、勝点3を手に入れた。

試合後、京都・大木武監督は「スタンドのお客さんが喜んでくれたことは嬉しかったことだった」と、まずサポーターへの感謝を述べた。勝利を、西京極に足を運んでくれたサポーターと喜べたこと、これが全てだろう。大分戦から数えて、ホーム4試合ぶりの勝利。それを純粋に喜ぶ。これがまず何よりも大事なことだろう。

試合は、京都が主導権を握り、セットプレーから得点を挙げ、その後、鳥取が必死に攻撃を仕掛けたという内容。具体的には鳥取の攻撃は右サイドバックの丁が駆け上がり、小井手とのコンビで厚みと迫力を作っていた感じがある。相手のサイドバックに上がられると、京都も前線が下がり対応に追われることになる。ボールの出どころを抑える意識が必要になるだろう。
今節の京都の守備はやや淡白な部分が散見された。特に前半の阿部の決定機を作られた場面、その少し前から中盤の守備で、ボールを奪ってやろうという意識が低かった様に見えた。相手の縦に入ってくるボールも、簡単に収められて対応が後手に回ると、当然の様にサイドを使われた。課題というよりも反省点だろう。

今節はサイドを深くえぐると決定機が生まれた印象がある。前半は、京都は伊藤優汰のドリブルで、鳥取は小井手が深くえぐることで阿部のマークを自分に向けさせて、そしてクロスを上げ、阿部のノーマークのヘディングシュートを作った。後半は、ハウバートダンが裏をとって、そこからドリブルで右サイドを押込み、宮吉へと送られたシーンがあった。大木監督は試合後、そのマイナスでフリーだった久保へのパスという選択肢もあったことを指摘している。
シューターがノーマークでなければならないことはなく、どんなシュートでも全く問題ないが、崩すことのヒントの一つにはなるのではないか。

得点はセットプレーだが、そのきっかけとなったチョンウヨンのブレ球ロングシュートは面白かった。何よりも好印象なのは「チャレンジしよう」という意識が感じること。前半も同じ距離のシュートを放ち、そして後半もチャンスを感じ迷いなく撃っている。自分の得意なプレー、それを常にチャレンジしようとしていた様に見えた。
他にも、今節も安藤淳は積極的に飛び出し、また1対1の守備で粘り強いところをみせ、ボールを奪って攻撃につなげていたし、駒井善成も右サイド、中央とプレー範囲を広げ、そこから前へ飛び出していた。左サイドでは森下俊も高い位置をとって攻撃に厚みを持たせた。それぞれが特徴を出していたので京都の攻撃の全体的な印象は非常に良い。

難を言えば、点を取ってから全体的に守りの雰囲気が出たことだろうか。先述した様に相手サイドバックの攻撃参加をフィニッシュまで持ち込まれるシーンもあった。相手が積極的に来たので下がらざるを得なかったが、だがこれは逆に言えば、京都が積極的に出れば相手も下がらざるを得ない、ということにもなる。現に1点取るまでは京都が積極的に出て鳥取が押込まれていたのだから。
押込まれたから駄目だ、ではなく、守備的になってしまった意識の部分に目を向けるべきだろう。ハウバートダンが決定機を作ったのであの状態でも得点は狙えるのだろうが、押込まれた理由を自覚することも大事ではないか。(白星が重なり自信がでれば消えて行くことだとは思うが)

しかしながら、鳥取も小井手を起点に見せ場を作り、ゲームとしては緊迫感のあるものとなった。均等にみれば互いに持ち味を出した好ゲームだったのではないだろうか。

■この試合のCoolballer:チョンウヨン(京都)

以上

2011.08.01 Reported by 武田賢宗
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