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【J2:第23節 湘南 vs 熊本】レポート:機動力と躍動と。1点を巡る攻防、湘南が熊本との拮抗勝負を制す。(11.08.01)

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7月31日(日) 2011 J2リーグ戦 第23節
湘南 1 - 0 熊本 (19:03/平塚/7,751人)
得点者:51' 高山薫(湘南)
スカパー!再放送 Ch185 8/2(火)後03:30〜
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試合が動くのは後半開始間もなくのことだった。自陣で奪った湘南は、臼井幸平から前線の高山薫、菊池大介と素早く繋ぎ、佐々木竜太が枠を狙う。これはGK南雄太が撥ね返すも、こぼれ球に高山が詰め、先制に成功した。

振り返れば、前半の立ち上がりはアウェイの熊本がポゼッションで上回っていた。長沢駿がフィニッシュを狙ったシーンを皮切りに、相手陣内での攻防に持ち込んでいく。対して湘南はカウンターで応戦し、最後までやり切る意識も高い。張り詰めた両者の集中がまばたきすら躊躇さす。

15分が過ぎる頃だったろう。湘南は2トップに始まる連動した守備から次第にペースを握り、攻勢に転じていく。ことリズムの悪いゲームにおいては、ボールを奪いながらも1本目ないし2本目のパスで自ら失う場面も多かったが、この日は全体が迷いなく前を向いて動き出す。守から攻への切り替え、そのプレー一つひとつが潔い。なにより、坂本紘司や臼井といったベテラン勢を筆頭とする止まらぬ機動力とボールに対する執着心、またそれらが共有されている一体感が、湘南の攻守の躍動を支えていた。

前半の終盤にはボール奪取から抜け出した永木亮太が決定機を迎え、コーナーキックでは高山がゴールに迫りもした。逆に熊本もシュートブロックやGK南が好セーブを披露するなどして凌ぐ。互いに持ち味を発揮した45分でスコアは動かない。しかし湘南は、ハーフタイムを空けてもペースを失することなく、51分の先取点に結ぶのだった。

「負けるには惜しいゲームを選手たちはやってくれたと思う」熊本の高木琢也監督が振り返る。ビハインドを背負ったアウェイチームは、宇留野純と片山奨典、ファビオを相次いで投入し、1点を追った。ロングボールを多用し、前に急ぐきらいがありつつも、積極的にミドルを狙い、前半は0だったコーナーキックも重ねるなどしてゴールを目指す。一方の湘南も運動量を落とさずタフに守り、機を見た攻め上がりを絡めて追加点を狙う。結果、その後もスコアは動かず、スタジアムに長い笛が響いた。

後半アディショナルタイムのことだ。松浦勇武がJ初ピッチを踏んだとき、スタンドではベンチ外の湘南の選手たちが沸いていた。輪のなかには松葉杖の巻佑樹がいる。長い長いリハビリを経て、最近ボールを蹴り始めた猪狩佑貴がいる。たとえば彼らのように怪我からの復帰を目指す者、メンバーに入れず悔しさを呑みこんでいる者と、それぞれ立場は違えど、勝利への希求はみな等しい。いまはベンチ外の彼らが、チーム内のさらなる競争を経て再びピッチに立つそのときを、できるかぎりいい状況で迎えたい。そのためにも今後、もっともっとチームの幹を太くしていかねばなるまい。反町監督は言う。「フィジカルを鍛えながらチームを向上させていく。よりバージョンアップできるチャンスは十分にある」。もっと太く、もっと強く。湘南はこんなもんじゃねえと、ホーム東京V戦の際にサポーターが掲げたメッセージをもう一度、呟いてみる。

以上

■この試合のCool baller: 臼井幸平(湘南)

2011.08.01 Reported by 隈元大吾
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