7月31日（日） 2011 J2リーグ戦 第23節
千葉 1 - 1 横浜FC　（19:03／フクアリ／13,602人）
得点者：21' 深井正樹（千葉）、42' 高地系治（横浜FC）
スカパー！再放送 Ch185 8/1（月）後05:30〜
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26本のシュートでわずか２得点という決定力不足を除けば、素晴らしい攻守で会心の勝利だった前節と同じスタメンで今節に臨んだ千葉。だが、今節は18本のシュートで１得点のみという決定力不足が大きく響き、前節とは違って勝ちきることができずに終わった。

千葉の試合の入り方は良かった。前節の横浜ＦＣが立ち上がりから立て続けにシュートを打つなどアグレッシブだったことを受け、それに負けないアグレッシブさを発揮。１分には、ＤＦ竹内彬のロングパスからＭＦ米倉恒貴がディフェンスラインの裏に抜け出し、シュートを打つがゴールポストのわずか横。４分には、ＭＦ佐藤勇人のパスを受けたＦＷ林丈統がシュートを打つが、横浜ＦＣのＧＫ関憲太郎が倒れ込みながら足でセーブ。連続で決定機を作ったが、そこで足りなかったのはシュートの精度で、つまり決定力だった。

一方、横浜ＦＣはＭＦ八角剛史、ＦＷ西田剛の負傷欠場もあり、前節からスタメンが５人入れ替わった。さらに、14分にはダブルボランチの一角のＭＦ井手口正昭が負傷交代。このアクシデントも影響したか、９分にＦＫからＦＷ藤田祥史がヘディングシュートを打ったものの、前半はディフェンスラインの背後を狙うパスが千葉のＤＦにカットされるなど思うようにパスがつながらず、なかなかシュートを打てなかった。

前からボールを追う横浜ＦＣのプレスをかわしながら得点機を作ろうとしていた千葉は、20分、「ドリブルで突破してシュートを狙うつもりだった」林が横浜ＦＣのＤＦ中野洋司のファウルを受け、ＰＫの判定。ＰＫはＦＷ深井正樹がＧＫの逆を突いて確実に決め、21分、千葉が先制した。追加点を取って勝利を引き寄せたい千葉だが、先制したためか立ち上がりのアグレッシブさがトーンダウンしてしまう。それとは対照的に横浜ＦＣが攻勢を強め、41分、ＭＦ高地系治が同点ゴールをゲット。自分の目の前にいた千葉のＭＦ村井慎二を切り返しで翻弄し、コースを見定めて見事にシュートを決めたものだった。追いつかれた千葉は、その直後にアクシデントが発生。43分、米倉のシュートが関の好守で防がれたあとのこぼれ球に反応したＦＷオーロイが右膝を負傷し、ピッチから去ることになった。
千葉はドワイト監督が「後半に違う流れが必要だと思った」ため、後半開始から村井に代えてＭＦファン　ゲッセルを入れた。深井の話では、ＤＦ坂本將貴のところに入ってくる横浜ＦＣのロングボールに対応するためだった。だが、村井が作っていたタメやパスでの前への推進力がなくなったため、攻撃のリズムが遅くなって横浜ＦＣのプレスを受け、シュートまで時間がかかるように感じた。それでも、１トップがＦＷ久保裕一に代わった中で後半だけで11本のシュートを打ったのは、攻撃面の成長といえる。しかし、40分の米倉のダイビングヘッドのシュートはゴールポストに弾かれ、45分の米倉のパスに合わせたＭＦ佐藤勇人のシュートは枠外。結局、後半のシュートは１本も得点にならなかった。

今節のサブメンバーは６人と負傷者続出の苦境にあった横浜ＦＣだが、ＰＫで１点は失ったものの最後まで粘り強く戦った。特筆すべきは関の活躍だ。62分の林のブレ球ＦＫは弾いたが後ろにそらさずにキャッチし、90＋４分の青木孝の裏への抜け出しからのシュートは果敢に前に出てファインセーブ。ＣＫの場面も反応よく守り、勝点１を守り抜いた。後半は前半よりもプレスが機能し、パスがつながっていただけに追加点が欲しかった。

一方、勝てば首位奪取の可能性があった千葉はそのチャンスを逃した。ミックスゾーンで竹内は退職するクラブスタッフに挨拶したあとで「（Ｊ１に）昇格しますから」とキッパリ言ったが、それには無失点で終われない守備の改善と、シュート決定力の向上が必要不可欠だ。

■この試合のCOOL BALLER：関憲太郎（横浜FC）

以上

2011.08.01 Reported by 赤沼圭子